第5話 爆発とダンジョン準備②

目の前にに立っている人間は、引き金を……引かなかった。銃をおろしながら代わりにセシルに回復ポーションを渡した。逆光で顔が見えないので、警戒しながらセシルは受け取った。


「すまんな。他の魔物に襲われていると思ったぜ」


「……ありがとうございます。」


まだセシルの顔は笑っていないが、ひとまず感謝の言葉をかけた。カナとセシルが立ち上がると、ポーションを渡したこの人が男だと分かった。このガンバトルオンラインのほとんどのアバターはいかつくてごついが、この男はそこまでではない。と、いっても本人に負けない存在感を漂わせる長い銃を持っている。おそらく狙撃銃の類だろう。


「俺の名前はアルガだ。また会った時はよろしくな。」


そう言うと歩き出し、しばらくして見えなくなった。おそらくさっきのモンスターの片目は、アルガが打ちぬいたのだろう。


「じゃあ、街に買い出しに戻ってから再開しようか」


「いや、私が持ってたグレネードがあるから使って」


そう言うと、セシルの前に何個かのグレネードが現れた。かなり前に買って、そのままのものだった。カナがそれを腰につけると、また狩りに出かけていくのである。


そうしてモンスターをさらに数体倒すと、2人は通知を確認する。一足早くセシルが通知を開いた。



スキル「正確射撃」がレベル2になりました

・射撃精度 +5 → 7

取得条件: ―



「なんで取得条件がないの?」


「このスキルは、買うことで手に入るからだよ。街にはスキル屋があって、そこで買うことができるんだ」


へぇ、とカナは頷いて、今度は自分の通知を確認した。2つの通知が来ているみたいで、両方をタップして展開させる。



レベルが3にあがりました

筋力 3 → 5

耐久力 2 → 3

素早さ 3 → 4

幸運 3 → 5

知力 2 → 3

精度 2 → 4

ポイント 6


スキル「投擲」を取得しました

・投擲時の飛距離1・3倍

・投擲物体の物理ダメージ +5



「……このポイントは何なの?」


「それは筋力とか素早さとか、自分の好きなところに振り分けれるの。」


「じゃあポイントはとっておいてと。あとは投擲をてにいれて、そんなところかなぁ。」


「さて。じゃあ続けようか! ダンジョン挑戦は3日後だから頑張ろう」


カナがうん。と返す。そして2人はダンジョン挑戦へ向けて、またモンスター狩りを始めた。

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