第2話 爆発と新スキル
「爆発、最高!」
隣でカナが次々とグレネードを投げている。しばらくすると、爆発音とは違う音が聞こえた。モンスターが呻き、そして光に包まれて消え、カナのもとに通知が出現する。
・レベルが2に上がりました
・スキル「爆弾魔」を取得しました
「レベルが2にあがって……この爆弾魔って何だろう?」
そういいながら通知をタップすると、詳細な説明が出現した。セシルものぞき込む。
スキル「爆弾魔」を取得しました
・爆発系の銃・アイテムの威力が1・5倍
・飛距離と速度が10%上昇
取得条件:Bランク以上のモンスターを、爆発系の銃・アイテムだけを使って討伐する。
「爆発の威力が1・5倍! ……ねえセシル、この”爆発系の銃”って何?」
「多分ロケットランチャーとかそういう武器だと思う。手で投げるより遠くにまで飛
ばせるものだよ」
「それいいね! 私もほしーなー」
カナはチラッとセシルを見る。
「だけどそういう武器はとても珍しいし高いんだよね。ダンジョンとかにあるらしいんだけど」
そっかぁ、とカナが肩を下げる。しかしカナはその”爆発系の銃”がどうしても欲しくなった。爆発する物体を遠くに飛ばせるなんて、夢のようだ。しばらく考えていると、ふといいアイデアが浮かぶ。
「そうだ! じゃあ一緒にダンジョンに行こうよ!」
「ダンジョンは……」
セシルはふと考えた。Bランクのモンスターを倒したカナとなら、それなりのダンジョンなら攻略できるかも。ゲームとは楽しむためにあるんじゃないのか?死んでも全て、終わるわけじゃないかも。
「じゃあ、来週に挑戦してみようか」
「うん! がんばろーね、セシル!」
二人で微笑みあう。空は暗くなってきて、ゲームサーバーと連動している腕の時計の針は7時を過ぎている。エンジョイプレイヤー達カナとセシルにとっては、そろそろやめる時間だ。
「じゃあ、明日も学校だし今日はもうログアウトしようか。」
そう言って二人はメインメニューを開くと、短い挨拶を交わしてログアウトボタンを押した。
画面が暗くなっていき、真っ暗になる。カナは現実世界の香苗に戻ってきた。機会を外し、大きく背伸びをして、ため息をつく。
「さて、明日も学校だし。気持ち入れ替えてっと」
そして彼女は家族と食事を楽しみ、風呂に入り、その他諸々でベッドにについた。
すやすやと眠っている彼女のスマホに届いたセシルこと瑠華からのメールにも気づかず、もちろん机の上にあるやりかけの課題にも気づかなかったのであった。
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