第98話 娼館制度

 アリスとクレアが悪魔の殲滅に掛かったと話があったのだが、絶滅危惧種の保護云々はどうなんだろうとか、アホな事を考えていたら、エリセーヌに見透かされてしまった。

「マサキさん。受肉した悪魔は殺しても精神生命体に戻るだけなので、絶滅はしませんよ。復活するのに時間は掛かりますけどね。」

「じゃ、また来るのか?」

「いえ、今回殲滅まで持っていければ、この世界に顕現する事はなくなると思いますよ。今回殲滅出来れば、魔界を異世界ではなく、異次元の何もない空間へ放り出しますので、戻って来る事はほぼ不可能でしょう。」

「なるほどな。まあ、だけど大罪系の悪魔が元天使と言う事を考えると、また生まれてしまう可能性も捨てきれない訳か。」

「そうですね、ですから神界の綱紀粛正もしなければなりません。」

「アリスとクレアが危ないんじゃなかろうか・・・。」

「あの娘達は、只今絶賛お仕置き中ですから。」

「そ、そうか。」

「ええ、今必死で悪魔の殲滅に掛かっています。早くしないとマサキさんに会えるのは何年後になる事か。それはもう物凄い勢いでやっちゃってますね。万が一、大罪系がこの世界に再び現れたら、お仕置きが追加になるので、一生懸命ですよ。ふふ。」

 エリセーヌ怖い。だって、冷たい顔で微笑んでるんだよ。




 3カ月後、赤龍からの情報で、エルスローム王国内のどこかに穴が開くかもしれないと言う話があった。

 神々による悪魔の殲滅は順調の様だが、何があったのか・・・。

 または、違う要因があるのか。

 困った事に、エルスローム王国は広大すぎて的が絞れない。どうしたものか・・。

 3カ月という事は、向こうの時間で作戦開始から9日か10日程度と言う事になる。

 時間の流れが違うと言う事は、空間が違う事を意味している。とすれば、行き来出来る事を踏まえると、隣り合った異空間と言えるかもしれん。

 エリセーヌサイドからは、情報が何も出て来ない。

 あくまでも俺には関わらせない方向で考えているのだろう。

 それならそれで、神々に任せておこう。人間がしゃしゃり出ても良い事はないだろうしね。


 軒並み妊娠しているので、最近の相手は、シャルロット、リリアーナ、マリアのローテーションが多いのだが、至福だね。余は満足じゃ。

 そして、昼間に瀬奈と弥生をつまみ食い。

 なんという事でしょう。

 起きてヤッて、食ってヤッて、飲んでヤッて。寝てヤッて・・なんて爛れた生活をしている。だが、エルフェリーヌが悪魔の所為で忙しく、ご無沙汰だったりするのだ。

 まあ、子作りが仕事と言うけど、俺のは完全に色狂いだからな。本当に馬鹿かと思うが、められない。

 女性陣が満足してくれているので、問題ないとは思うのだが、俺なんかのどこが良いのだろうか。

 ある日、ちょっと怖いけど優しいリリアーナに聞いてみた。

「俺みたいな色狂いでも、見捨てられる事はないのだろうか?」

「旦那様。大丈夫ですよ、私達もそれを望んでいます。こんなに殆ど毎日抱いて頂いて嬉しいです。だって、愛していますから。それに凄く気持ちが良いです。」

 と言って、抱き着いて来て、「もう1回」と言われた。


 この世界は、俺の為に存在しているのではなかろうか・・・。

 などと不遜にも考えてしまった。

 と言うか、役目を終えたら、早々にこの世界から、おいとまするべきなんじゃないかと思う。


 現在、カズキは10人の嫁さんに囲まれて幸せそうにしているので、この世界に来て良かったのだろうと思う。

 弥助は結局5人の嫁を娶った。弥助は、振り分けも完璧で、エルフ、ドワーフ、金髪美女、桃金髪プラチナピンクの美女と霧と言う、他民族妻軍団だ。

 カズキも弥助も人種、民族関係なく娶っているので、そういう光景を見ていると国を造って良かったと、心から思えるのだった。

 俺達がそんな感じなので、日本人の末裔達も日本人と現地人とか、現地人とドワーフとか一夫二妻が流行っている様だ。隠密頭も、もう血の心配をしなくて良いと涙を流して喜んでいた。


 現地人にしても、農家の娘が農家に嫁ぐのは普通なので、日本人の農業技術の高さに娘を嫁に差し出して、教えを乞う等と言う事を考える輩も居る様だが、本人が嫌でなければ容認しているし、日本人サイドで気に入らない娘を娶る事はないから心配は要らないとの事だった。

 差別されていた集落の農家は、一転売り手市場に様変わりしていた。そもそも日本人の気質を知らなかっただけで、知ってしまったら好感を持って受け入れられている。困っている人を見掛けると放っておけない日本人達のお陰で、スラムなどは出来ていない。


 孤児院を作ったのだが、定期的に日本人農家から野菜の寄付が届くので、食料に困っている事は全くないそうだ。孤児院に支給している予算で服だけを買えば良いので、孤児院を経営している教会の女性神官は、子供達に貧しい思いをさせずに済む孤児院は、他にないでしょうと嬉しそうに語っていた。

 野菜だけじゃと思うだろ?だが、ローレルで助けたBランク冒険者の女性2人のうちの1人が神官で、俺が国民募集した時に、ローレルから移り住んできて、2人とも教会に住み付き、孤児院を手伝いながら迷宮に潜って肉を獲って来ているのだ。

 マサキも時々2人と迷宮に潜って、肉を回収しながら2人にヤらせてもらっている。2人がそれを望んだからだ。彼女達は、孤児の為の食料を集めながら、ドロップ品や魔石を売りに出して生計を立てている。そして、望む孤児には冒険者としての指導もしてくれているのだ。当然、ギルドからも支援をしている。

 彼女達は、マサキの愛人となって孤児の面倒を見ていくと言っていた。体がきつくなるまでには孤児が冒険者になってくれる事だろう。


 しかし、テントの中のベッドで神官服を脱がすのは、興奮するなぁ。あれは、制服プレイに勝る興奮度だな!

 彼女達は初めてではなかったが、日本人の俺は全く気にしない。日本では、成人女性の処女を探す方が大変だろう。それに彼女達が処女でなかったのは、駆け出し冒険者の頃、先輩冒険者に騙されてられてしまったんだそうだ。それで、女性だけのパーティに拘っていたのだ。

 本来はとても優しい治癒神官と魔法使いなので、子供達の良い先生になると思う。そして、彼女達自身も幸せになって欲しいと思うので、愛人にしたのだった。


 そして、商工ギルド。各ギルドからNo.1美女をプロミスに集めてしまったのが失敗だったのか、ギルドに行ってお尻を触ると、みんな喜んでヤらせてくれるのだ。もう、ギルドは俺の愛人バンクと化している。

 公式、非公式を合わせると、俺の女は100人に届かないまでも、80人くらいは居そうだ。もう、面倒なので数えていない。


 そして、娼館を3軒ほど作った。娼館は学術区から1番遠い所で、初等学校からも離れた所に設置する様にした。

 娼館主は商工ギルドで厳しい審査をして決めた。娼婦は、全員個人事業主に準ずる扱いとして、商工ギルドに娼婦登録を義務付け、娼館主は商工ギルドの各娼婦の口座に報酬を振り込むようにさせた。

 報酬がキチンと支払われているか監視する為だ。そして、お金に困って娼婦になる女性の為に、娼館主が保証人になって、商工ギルドからお金を借りられるようにして毎月の給金の中から、生活に支障がない範囲で、ギルドが口座から引き落とす形をとった。

 こうする事で、娼館主は娼婦を大事にしなければならないからだ。そして、毎月の健康診断を義務付けた。性病が蔓延しない為と女性の保護の為だ。

 お金に困って娼婦に身をやつす事になっても、安心して働ける様にしたかったのだ。娼館はないと困るのだ。性犯罪の抑止の為にもね。

 役所から定期的に立ち入り検査もしている。人身売買で売られてきた女を出さない為だ。我が国の法律では人身売買は厳罰になっている。娼館で働くのは、本人の意思がなければ働けないのだ。

 この制度を始めたら、色々な国から娼婦希望の女性が集まって来た。実家には、ギルドから為替でお金が送れるし、自分の欲しい物も口座からお金を降ろせば自由に買えるのだ。安心して働けて、強制されていないので、気持ちよく働けると言う評判を呼んで、女性が沢山集まったのだ。中には、借金がある訳ではないが、お金が欲しいと言う理由で娼婦になる女性も出て来た。いつでも辞められるし、健康診断を無料でしてくれると言うのは魅力的な様だ。

 要は、健康なのが分かっているから、結婚もしやすいんだってさ。避妊も完璧だしね。


 国造りは順調で、各国から貴族が勉強に来ているが、娼館の制度は各国がすぐに導入を決定した。


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