第97話 作戦開始
魔界について、エリセーヌに相談してみたところ、魔界に行ってみたと言うと烈火の如く怒られた。なんでそんな危ない真似をするんだと。
謝っておかないと説教が終わりそうになかったので、素直にごめんなさいと言っておいた。
クレアが伝えた情報を整理して、ガリルの爺さんとの相談した結果。もしかしたらと、魔界に魔神が入り込んでいる可能性を示唆された。
魔神の所為で悪魔が強くなっているとするのであれば、危険極まりないとの事で神界から複数の神を送り込むと言う話になったそうだ。それも力を解放出来る状態で。
予想通り、アリスとクレアも神力を解放状態にすれば、今の10倍位強いんだそうだ。だよなぁ、俺なんかに勝てない訳がない。
もし、次の悪魔の襲来があった場合は、大罪系とか魔神とか強いのは神に任せて、俺には参加するなとの事だった。神力を3分以上解放すると肉体が崩壊してしまうからだ。
神界でも準備は出来ているそうで、俺達は気にせず普通に生活していろとの事だったので、一応従う旨を伝えておいた。
一応と言うのは、エリセーヌが降りて来なければと言う意味だ。エリセーヌが戦うのであれば、俺も戦う事になるだろう。黙って見ている事など出来る訳がないのだ。
アリスとクレアは、殺しても死なない気がするので大丈夫だと思う。
エリセーヌは、アリスやクレアより強いらしいのだが、単なるか弱い美女にしか見えないのだ。
依怙贔屓と言われようとも、エリセーヌにちょびっとでも危険があるのなら、俺は動くだろう。
エリセーヌがガリル神と相談して対応を考えたが、やはり何時来るか分からないと言うのは、危険だし被害が想像出来ないとの事で、神界から来る神々が魔界に攻め入る事にした様だ。
マサキが魔界に侵入した事で、転移先の座標が分かるので行ってしまおうとの事だ。神々であれば、時間差があっても関係ないので、それが1番良いだろうと言う判断になった様だ。
その作戦にマサキは参加無用との事だが、プロミスを拠点にしたいとの事なので、それは了承した。
向こうから追い立てられて出て来た悪魔には対応せねばならないのだが、マサキには懸念があった。そう、魔神の存在だ。
魔神が本当に居るとするのならば、これまでのこの世界の歴史にはなかった事である為、どの程度の脅威かサッパリ分からないのだ。
まあ、スペルビアがあの強さだったのだ。魔神が出て来たとしたら、終わりなんだろうなぁとは思う。
魔神とは文字通り神なので、神でなければ対応出来ないだろうと思う。
ガリルの爺ちゃん曰く、マサキを悪魔と戦わせるのも本意ではなく、当分ないと思っていたのだそうだ。それが、悪魔やら魔神やらの話になるのは、想定外だった様で、この世界に干渉しようとしている異世界が有るかも知れないとの事だった。
最高神が分からない事をマサキが分かる訳もないので、その話題には一旦蓋をしたのだ。
考えてみれば地球はガリル神の管轄だった様だが、日本人が認識している神とは、天照大御神が主神であり、天皇家であるとされる。
世界に依って色々な神がいるのだろう。作られた神の方が多いだろうしね。宗教と言うのは人心を掌握するのに便利なのだから。
マサキは、嫁ズと夜な夜なイチャイチャしながら、静かに作戦の時を待とうと思うのだった。
毎晩相手が違うと言うのは、罪悪感が有りながらも不倫ではないので、取り敢えず幸せを満喫するのだった。
今日も元気に温泉に入って、前から後ろからお勤めに励むのだった。
そして、1カ月後。
神界から作戦開始の連絡があり、ガリル神が降臨して来た。
ゆっくり温泉に浸かりながら、雑談をしていた。
爺ちゃんの話では、やはり違う世界の神の干渉があった様だ。何でも、向こうの世界で猛威を振るっていた魔神を討伐する事が出来ず、魔界に遺棄したとの事だ。その世界の神は、爺ちゃんの手によって粛清された様だ。
まあ、当たり前だよね。自分の世界でどうにもならないからと他の世界に捨ててしまうなんて、ちょっと有り得ないよね。
そして、いよいよ作戦開始の日、神力を解放した神々が次々と城の最上階に降臨してきて、続々と転移して行った。
エリセーヌも降りて来て、マサキの横に張り付いていた。城から作戦指揮を執る様だ。
「エリセーヌ、魔神てどんな奴なんだ?」
「そうですねぇ、一言で言って狡猾で残忍てところでしょうか。悪魔が可愛く見える程に。」
「狡猾ねぇ・・・。スペルビアは正々堂々と戦っていたがなぁ。あれも意外だったんだけど。」
「相手が卑怯な手段を取って来たら、勝てなかったですか?」
「いや、その方が楽だったろうと思う。」
「お互いそういう事なのでしょう。」
「そうだな、勝敗の天秤は、生死の間合いを切ったあの一瞬に傾きが決まったからな。あの一瞬に全てが濃縮されていた気がする。」
「そうだと思いますよ。でも、私のマサキさんは、あの程度の輩に負ける事はありません。」
「いやいや、ギリギリだったから。」
「大丈夫です。」
「さて、魔界の方はどうなってる?」
「時間が1/10ですから、入って間もないですし、動きはないですよ。」
「そうか・・・。」
「お暇ですか?」
「まあな。」
「じゃあ、抱いて下さい。向こうの1時間はこちらで10時間ですから、時間はありますよ?」
「そうだなぁ、風呂でも入るか?一緒に。」
「そうしましょう。」
そんな話から、2人は魔界で動きが出るまでハッスルする事にしたのだ。
アホな奴らである。
一方、魔界に突入した神々の中で、アリスとクレアは話をしていた。
「ねぇ、クレア。私達、エリちゃんに嵌められた気がしない?」
「どうして?」
「だって、突入組で中級神なの私達だけだよ?」
「大罪系とか魔神がいた時の為じゃない?」
「違うと思う。もしかしたら、迷宮の部屋の件がバレているのかも。」
「そんな事あるかしら?」
「だってほら、こっちの1日は向こうで10日な訳でしょ?エリちゃんがマーちゃんを独り占めにする気じゃないのかと思うのよね。」
「まさか。もし、魔神がいたら下級神では手に負えないでしょ?」
「でも、それならエリちゃんも来ると思うのよ。」
「あ!そうだね。」
「これ、お仕置きの一環なのでは?」
「て事は、モタモタやってると、お仕置きが増えそうだね。」
「うん、全力で殲滅しよう。」
「うん、頑張る!」
これはアリスが正解である。エリセーヌも狡猾なので、アメとムチを両方織り交ぜて、2人をやる気にさせたのである。
本気になった2人の強さをエリセーヌが理解した上での、作戦だったのだ。
それ故、エリセーヌはマサキとイチャイチャ出来るほど余裕だったのである。
これを、後で知ったマサキは、『女って怖い』と逆らわない様にしようと、心に決めたのである。
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