最終章 国を造ったロクデナシ、最後の戦い

第94話 悪魔対策

 ガリル神は、考えながら話をしだした。

「まだ、いつと決まった訳ではないのじゃが、魔界から扉が開かれそうになっておる。赤龍が監視はしておるが、怪しくなってきている事は確かでの。

 準備だけはしておいた方が良いと思ったで、アリスとクレアに指導させて戦力の増強を図った方が良いであろう。」


「時も場所も分からないから、各国の兵士を鍛えておけと?」


「そうじゃ。」


 マサキは考え込んだ。

 各国の魔法師団と騎士団を集めるのは、現実的じゃないよなぁ。これは相談してみた方が良いな。


「分かった、各国首脳と相談してみる。」


「うむ、そうしてくれ。協力は惜しまぬからの。」


「まあ、温泉でも入ってゆっくりしてくれよ。」


「そうさせてもらおうかの。」


 そう言うと、神様達は温泉に向かった様だ。

 マサキは、疲れもあって考えを纏められず、そのまま寝てしまった。




 翌日、神様の名前を出さずに、各国首脳に説明するのに四苦八苦しながら、これからについて首脳会議を行った。

 流通に関しては、紙幣の発行が出来るまで待ってもらい、技術供与する事で合意した。貨幣不足になる事は全員理解してくれた様だ。

 紡績や織機関係も工場化出来る様に研究中なので、出来次第技術供与する事とした。


 そして、悪魔の件だ。いつ来るか分からないのに不安にさせてもいけないだろうし、悪魔は伏せた状態で、各国の魔法師団と騎士団を研修に寄越せと言ってみたところ、それは願ったりとの事で了承をもらう事が出来た。

 後は、細かい日程の調整などはスコットに任せようと思う。




 ガリルの爺ちゃんに頼んであった、迷宮を街の外に3カ所作ってもらった。また、俺専用と言うか身内専用の迷宮を一つ城の地下に作って貰った。

 結構ハードなので、結局は俺専用になりそうだけど、エルラーナと2人で行くのも有りだろう。


 冒険者ギルドの本部をこちらへ移転した事で、セリアはそのまま俺専属嬢となった。皇帝とは言っても、冒険者のままなのだ。


 街の外にある迷宮はギルド管理としてもらい、冒険者への周知をしてくれる事になった。3か所の迷宮は、ローレルの迷宮と難易度も落とす魔石も合わせてもらった。冒険者の取り合いは本意ではないからだ。



 各国首脳にそんな宣伝もしておいたが、政治的やりとりはスコットに全部丸投げで良いと思った。俺には、商品開発や冒険が合っていると思うのだ。


 最近は、綿花の栽培が軌道に乗った事から、紡績も順調で綿のインナーなど良い物が出来ている。ミシンの開発はして良かったと思う。

 安価で良い服や下着が出来ているから、気軽に新品が買えるのだ。


 各国首脳に綿製品をプレゼントして、これもまた宣伝に努めた。そして、興味があれば教えるから勉強しに来いと言っておいた。

 隠す必要はないと思う。それぞれのアイデアで良いデザインの服を作ってくれれば、それだけでも市場が活性化するからね。


 要するに、一般庶民は古着で済ませている常識を覆せれば、市場規模は自ずと拡大していくという事だ。




 各国首脳にお土産を持たせて帰した後は、街上げての建国祭だ。

 城から大門へのだだっ広い目抜き通りを、歩行者天国にして各々が考えたイベントや屋台を出して、大人も子供も楽しんでいる。


 どうやら祭りはみんな好きらしい。斯く言う俺もだけどね。


 あと、やらなければならない事は、大雑把に言えば、子作りと悪魔対策か。

 俺がこの世界に来た意味と成すべき事はこれで完結するはずだ。

 後継者を育て、知識を広め、世界の輪郭を形成出来れば、成功と言って良いのだと思う。


 悪人はいなくはならないし、生まれてもくるのだろうが、そんな事は各国の為政者が対応すれば良いし、人の手に負えない悪魔だけなんとかなれば、俺の役目は終わりだろう。


 そうなれば、子供を育ててさっさと譲位して隠居するのが良さそうだ。

 いや、別に自分の子に譲位しなくても、カズキやスコットに皇帝させても良いのでは?と思ったが、多分やってくれないな。


 まあ、まずは各国の戦力増強からだな。


 各国の魔法師団と騎士団を1カ月単位で各国20名ずつのローテーションで受け入れる事にした。

 講師は、アリスとクレアに丸投げなので、完全に人任せ。


 俺は何をしていたかと言うと、朝から晩まで子作りですよ。

 嫁の人数が多いし、各国王族貴族からは、子供はまだかと矢の催促。もはや愛を確かめ合うとかじゃなくて、完全にお勤めです。


 政務一切をスコットに任せ、1週間セレスティーナとだけしまくった。そんな事を1週間を1セットとして順番にしていったのだけど、セレスティーナとシルティーヌは無事妊娠。

 ソルティアーナはまだ良いよねと、避妊している。リリアーナもステファンのアツアツぶりにまだ良かろうと思っている。

 シャルロットはセレスティーナが産むまでは、妊娠しなくて良いと言うので、尊重した。


 マリアは、カトリーヌを先にと言うので、これまた避妊中。どうも体の線が崩れるのが嫌らしい。

 まあ、一斉に妊娠されても俺が困ってしまうので、彼女達の家族計画に則る事にした。人数が多い中、彼女達がちゃんと考えてくれているので、俺としては有難い。


 意外だったのはシリル。てっきり公爵家の跡取りを産まないといけないプレッシャーがあると思っていたのだが、妊娠しちゃうとエッチ出来ないからまだいらないと言われた事。

 公爵家の跡取りを要求されたら、妹を妊娠させてくれと言われてしまった。

 真面目一辺倒だったシリルがエロエロになっていた事が、可愛くも嬉しくてハッスルしてしまった。

 本来子供が苦手な俺としては、シリルはとても良い女と思う。


 結局、この半年で妊娠したのは、セレスティーナ、シルティーヌ、カトリーヌ、ヘカテリーナ、エルラーナ、アルシノ、ミリア、緑、藍、紫乃、サーシャ。

 火遊びのつもりで妊娠しちゃったのが、エルフォリア。遊びに来た時に襲われちゃったんだよね。


 一方、今回は妊娠拒否だったのが、シャルロット、エルフェリーヌ、シリル、ソルティアーナ、リリアーナ、セリア、桜、オリビア、マーガレット、セシル、メアリー。


 避妊はしないが自然に任せると言うスタンスなのが、ユリアナ、椿、ミレーナ、ユイ、ルミエール、ヘルミナ、沙織、皐月、奈緒。


 子供要らない派は、弥生、睦月、瀬奈。この3人はずっと俺に可愛がられていたいそうだ。

 また、メイリーナとリーザロットは、子供はもう産んだ事があるし、俺の女として嫁いだので、子供は作らないとの事。娘が産むから問題ないという事だった。


 エルフェリーヌは、悪魔の件があるので今はまだ妊娠する訳にはいかないとの事で、エルフォリアが計画的犯行だった疑惑が生まれた。まあ、俺としては超絶美女が1人増えても嬉しくはあっても問題にはならない。ボインメイドさんも付いて来たしな。


 オリビアは、ミリアが出産してからと、こちらも服屋の絡みでしっかり計画を立てていた模様。


 メアリーは、ガリセーヌ神皇国の騎士団を預けてあるので、騎士団長がしっかり育つまでお預けなのだそうだ。


 マーガレットとセシルは、主人より先に妊娠する訳にはいかないとの事。マーガレットはカトリーヌが妊娠したんだから問題ないと思うのだが、出産まで見届けてからと考えている様だ。


 そしてセリアだが、彼女は俺が彼女のケツに飽きるまでは子供が要らないとの事だ。出産してケツの形が崩れるのが嫌なんだそうだ。

 セリアは地味に俺の事をよく考えてくれていると思う。まあ、治るので出産しても良いと思うのだが。




 まあ、こんな感じで子作り強化月間を続けていた結果、半年が経っており、その間に各国から受け入れた騎士団と魔法師団の指導は終了した。


 そして俺は今、人体模型の骸骨君1号を作っている。最初はスケルトンを捕まえて来て内臓の模型だけ作ろうと思っていたのだけど、スケルトンて元は人間だったと言う話を思い出して、流石に不味いだろうと木で作っているのだ。


 この世界の人達は、人体の構造をよく理解していない為、治療魔法を使うのにイメージ不足になってしまう事が多いからだ。

 まあ、俺も各臓器の大雑把な形と位置位しか分からないけども、大体の血管経路と臓器が分かっていれば、魔法の効きが全然違うはずなのだ。


 これを学校において指導する様にしようと思うのだ。各国に寄付もするのだけど。

攻撃魔法よりも治療魔法を最適化する事に依って、助かる命が増えると信じたい。


 これで、悪魔対策は万全とは言えないが、やれる事はやったと言えるだろう。

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