第61話 海水欲情
さて、海水浴へ行くぞと気合を入れて1階へ降りたのだが、まだ揃ってはいなかった。朝飯を食べて、時間を潰していたら、リリアーナ、マリア、ヘカテリーナが揃って屋敷に来た。それぞれ侍女を1人ずつ連れていたが問題ないだろう。こいつらも水着を着せてしまおうと、悪い顔をするマサキなのであった。
全員揃ったので、職人衆まで全員を船に乗せた。精霊と女神を抜いて、総勢40人が船の乗った。重そうだが、大丈夫だろう。魔力を流し込んで船を起動させた。
そこで、女性達には、部屋割りをしろと言い、男性陣は5人で2部屋を使ってもらう様に頼んだ。部屋割りも終わり、客室にいる者、甲板にいる者、操舵室にいる者と好きにさせて、上昇させた。
高度300m位で水平飛行に移り、徐々に速度を上げていって、全速まで上げて港町マイル方面へ向かった。約1時間の空の旅を終え、マイル付近の砂浜にある小さな集落へ向かい、海へ着水しようかと思ったが、イカ焼きが食べたいので、砂浜に着陸した。
階段を降ろす前に、前方の甲板に、色とりどりの水着をどっさりと異空間より出して置いた。全部ビキニだがな。自分に合うサイズを持って行って、船室で着替える様に指示をした。当然、男物のトランクスも出して置いたさ。
みんなが着替えている間に、船から飛び降りたマサキは、売店に行ってみた。遊び道具はあるのかと。なんとも色気のない浮き輪は売っていたので、30個程購入した。そのまま船に戻り、甲板に上がって、浮き輪を置いた。そしてパラソルを出したら、パラソルの中に、サンオイルと日焼け止めクリームが入っていたので、それも並べて置いた。
そこまで終わったところで、マサキも船長室で海パンに着替えて、再び甲板に戻った。女達に、日焼け止めクリームとサンオイルの説明をして、好きな方を使えと言って措いた。じゃぁ、行くぞと言って、階段を降ろし、全員が降りるのを待って、階段を上に上げた。
セクシーダイナマイツな女性が大挙してビキニなのだ、それは注目を集めたさ。あっちを向いても、こっちを向いてもボヨンボヨンしてんだぜ?最高です!!
マサキは、浜辺にパラソルを10カ所立てて、デッキチェアを並べていった。レジャーシートも沢山敷いた。これで、日焼け止めクリームを塗れば準備完了だと、女達を見ると、お互いにクリームを塗りっ子していたので、それは、俺の役目では?と思ったのだが、全員にやっていたら日が暮れるので、言わないで措いた。
水が怖い奴は、みんな浮き輪を持っているので、問題ないだろう。半ば無理やり連れて来た貴恵も、30代後半にも関わらず、ビキニが全然似合うスタイルの良さだった。まぁ、体鍛えられるもんね、この世界。それを見た三郎が喜んでいるから、大丈夫だろう。
俺の女達は、やばいね。見ていると欲情しかしない。遊ぶのを忘れて。こんな事ではイカンと自分に喝を入れて、海に向かうのだった。海に潜ったら岩場になっている所があって、アワビがびっしりとくっ付いていた。こっちの世界の連中は、アワビを食わないのだろうか、と思いながら、ナイフで引き剥がしていった。
イカン!これじゃ普通に漁じゃないか!美女と海水浴はどこ行った!?そう思った俺は、獲ったアワビを袋に入れて、パラソルまで持ち帰った。そのまま、海辺に走り、セレスティーナ、シャルロット、ユリアナ、シリル、リリアーナ、マリア、ヘカテリーナに泳ぎを教えたりしたんだが、みんなは喜んでいたが、これじゃ先生じゃないか!!と訳も分からずキレていた。
仕方がないので、エルフェリーヌを後ろから抱えて、おっぱいを揉みながら、浮き輪に捕まっていたのだが、これじゃいつものエロ日常じゃないか!と、どうしても現実から離れて遊ぶ事が出来ないのであった。
仕方がないので、売店でボールタイプの浮き輪を買って来て、ミリアとオリビア相手にバレーボールの真似事をしていたら、面白そうと言って、女達が仲間に入って来た。キャッキャ言いながら、ボールを打つのだが!打つのだが!揺れまくるのだ、おっぱいが!!もう凄いの、この娘達。おっさんは悶死するよ?だが、コレがイイ。これが見たかったのだ。
多少、疲労感があったので、デッキチェアに行ったら、メイリーナとリーザロットが寛いでいた。2人ともパレオを巻いて、セクシーだ。
「2人共、少しは楽しんでいるか?」
「ええ、楽しいわよ。気持ちが良いし。解放感が有って良いわね、貴方の楽しそうな顔は滅多に見られないし、来て良かったわ。」
「そうねぇ、シャルも楽しそうだし、貴方も、良い感じに力が抜けているんじゃないかしら?」
「まあな。難しい事を考える必要がないからな、こういう時は。もうすぐ、学校も始まるし、彼女達にも良い思い出になれば良いんだが……。」
「みんな初めての体験だからね。忘れる事はないと思うわよ?」
「だと良いがな。ちょっと昼飯の材料を獲って来る。」
と言って、マサキは再び、海の中へ向かった。
マサキは海の中へ入り、水の中へ手を入れると、魔力を電撃に変換して発射した。魚がプカーっと浮いてきたのを、弥助と一緒に集めた。くノ一3人娘と職人娘達が集まって来たので、鱗を取って、はらわたを抜く様に指示を出し、網を出して、石で足を組み、アワビを乗せた。
「リータ。頼む。」
と言うと、イフリータが出て来て、火で焼いてくれた。アワビに一滴ずつ醤油を垂らし、焼けるのを待つ。
女性陣が集まって来て、良い匂いだと言いながら、アワビを見ていたが、微妙な顔をしていた。まあ、見た目がアレだしね。踊り焼きは、焼けたら直ぐに食べないと硬くなるからと言って、焼けた物から、渡していった。
一方、魚捌き組は
マサキは、屋台の親父にイカを40本頼みに行った。イカ焼きをみんな美味いと言って幸せそうな顔で食べていた。
霧が、上様も食べて下さいと代わってくれたので、魚とアワビとイカ焼きを食べてみたが、酒が欲しくなってしまい、弥助と勘治と治吉と酒盛りを始めてしまった為、霧に怒られるというプロセスを経て、午後の海水浴となったのである。
泳げるようになった、ユリアナと一緒に少し沖まで行ってみた。桜や椿も川で鍛えた泳ぎがあるので、ついて来ていた。足が付かなくても怖がらないのは、女性陣だと、後は霧くらいなものかな?と思ったら、ミリアとオリビアも来ていた。彼女達は泳げるんだそうだ。桜の話では、職人娘の6人も泳げると言っていた。泳げないのは、王族だけか……?
と思ったら、リリアーナが頑張っていた。リリアーナとマリアは泳げるようになった様だ。でも、無理はするなよと言っておいた。水の中は命に関わるからな。ウンディーネが居るから何とでもなりそうではあるけどね。
日が傾いて来たので、パラソルやデッキチェアを仕舞って船に戻り、甲板でウンディーネに雨の様なシャワーを降らせてもらって、塩と砂を流す事にした。風呂はあるが、そんなに大きくないし、砂が溜まってしまうのだ。甲板上だけ豪雨にしてもあらったら、みんな喜んで浴びていた。実に気持ちがイイのだ。ウンディーネには、キスのお礼をしておいた。
今度は、シルフィードとイフリータが、温かい風を吹かせてくれて、体と髪を乾かした。最後は、ノーミードが砂を綺麗に片付けてくれて、体に残った砂も綺麗にしてくれた。大精霊達は本当に良い仕事をしてくれる。女王働けよ?と思わなくもないが、彼女は俺の体調の管理と、害意を持つ者や不穏分子を教えてくれるのだ。
聞くところに依ると、心の色なるものが見えるそうで、腹に一物持っている者は直ぐに分かるんだと。便利だなぁと言ったら、私は貴方のものなのだから、貴方の力と同じだと言われた。レオノールも真剣に愛してくれているらしい。何とも、頭の下がる思いだ。
晩飯をどうしようかと思っていたら、霧が食材を売店で買って来て、船のキッチンで作ると言うので、金だけ持たせて任せる事にした。
その間は、メイリーナとリーザロットを誘って風呂へ3人で入って、風呂の中で激しく致しました。昼間のブルンブルンで完全に欲情しちゃったもんね。こういう時の2人は何も言わなくても、すっげーエロい事までしてくれるので、堪らないのだ。まあ、本人達も相当好きみたいなので、良いのだろう。
スッキリして食堂へ行くと、晩飯がもうすぐ出来ると言うので、酒を軽く飲みながら、待っていた。これだけ女がいると、やはり公平と言う訳にはいかないな。元々、そんな無理な事をするつもりはないのだが、なんと言うのか、なかなか相手に出来ないと、体の関係はまだないが、真っ直ぐに愛してくれるリリアーナ等には申し訳なさが、先に立ってしまうのだ。
一夫一妻の世の中であれば、男と女は体だけではないと言えると思うのだ。が、一夫多妻になると、体の関係の有無は、全員が有か全員が無でないと、体だけではないと言う言葉が、当て嵌まらなくなってしまうのだ。多分、リリアーナとマリアとヘカテリーナは、早くみんなと同列になりたいと思っている事だろう。全員が有であれば、回数などの細かい事は気にならない筈なのだ。まだ、無いと言う事が、焦りに繋がると思うのだが、それでも焦らずいられると言う事は、俺を信用しているという証なのだ。だからこそ、3人共に大事にしてやりたいと思うのだ。
晩飯を食べながら、みんなに聞いてみた。
「どうする?このまま帰っても構わないが、船で一泊して、明日も遊ぶか、遊覧飛行して帰っても良いぞ?ただ、エルフェリーヌとエルラーナとセリアの仕事の具合だと思うけどな。」
エルフェリーヌは言う。
「私は、毎日いなければならない程、決裁事項はないから平気よ。」
セリアは今更だと言う。
「私は、旦那様の専属ですから、旦那様がいないと仕事がないので、問題ないです。」
エルラーナも問題ないと言う。
「1日2日いなくても大丈夫よ。折角、貴方が連れて来てくれたんだから、楽しみたいわ。」
「そうか。リリア、マリア、ヘカテーは泊まりでも問題ないか?」
リリアーナは、笑顔で言った。
「私は、もう、今日は帰らないと言って来ています。」
マリアも言った。
「私も、帰らないと言ってきていますよ?そもそも、王都からここまで馬車で10日は掛かりますし。」
ヘカテリーナも同じだった。
「ええ、私もそうです。誰も、王都から1時間余りで来れると思っていませんし。」
「そっか、言われてみれば、そうだよな。馬車基準だと、学校に間に合わなくなってしまうな。」
と、マサキは笑うのだった。
「じゃあ、明日は、パルミナとカステールとラーメリアを回って帰ろうか?寄ると長くなりそうだから、上空から眺めるだけだが……。」
「「「素敵です。」」」
「みんなもそれで良いか?」
と、周りを見渡すと、一様に頷いていた。
エルフェリーヌは言う。
「私は各国寄ってくれても良いわよ?挨拶だけでもしていけば、外交実績になるからね。」
「そうか、女王だしな。まあ、そこは時間と相談としようぜ。2日あれば回れるとは思うがな。」
「ええ、それで構わないわ。どの道、貴方が道筋を付けてくれるのでしょう?」
「その信頼が心苦しいが、そのつもりだよ。」
「だって、信頼してるもの。」
「まあ、元々この船は、その3国に挨拶に行く為に作ったんだし、時間が許せば、それでも良いけどな。」
「「「え?そうなんですか?」」」
「ああ、そうだよ。自分で飛んで行って、ゲートを繋ごうかとも思ったんだけどな、魔力的にも時間的にも結構きつくてな、それであれば船を作って1度行けば、ゲートが繋げるから、結婚式にも呼べるだろうと思ってな。」
3人は感激した様だ。
「ちゃんと、考えてくれていたんですね。」
「嬉しいです。」
「言葉がありません。その為にこんな船まで作っちゃうなんて…。」
セレスティーナがアホの子になった。
「マサキ様?海水浴に行く為に作った、と言ってませんでした?」
「相も変わらず、セレスだなぁ。行くか行かないか分からない海水浴の為に、こんな面倒臭い事をする訳ないだろ?」
「私は、騙されたのですか?」
「まあ、普通は冗談だと思うんだがな。そうだった、セレスは言葉を言葉通りに受け取ってしまうんだったな。忘れてたわ。済まなかったな。」
「いえ、それなら良いです。」
メイリーナが額を押えて言う。
「セレス、少しは、聞いた話を吟味しなさいな。これじゃ、マサキ殿は、一切冗談を言えなくなってしまいますよ?」
「うーん。難しいです。」
メイリーナは溜息を吐いた。
「貴女には、教育が必要だわ。貴女のクラスの娘で、今の話が分からない娘は、いないわよ?」
「え?そうなの?」
みんなが頷いていた。
「私だけかぁ……。頑張らないと。」
「頑張る事でもないんだけどな。ちょっと考えれば良いだけだ。喋る前にな。言われた事に対して、反射的に喋るからそうなる。聞いた話を信じていたとしても、俺の今の言葉を聞いた時に、そうだったのか、あれは冗談だったんだな。って普通は思えるんだ。セレスは、俺の事なんか昔から信じちゃいないんだ。セレスはセレスしか信じていない。それだけの事だよ。」
「どうして、そう言う事を言うんですか?私は、貴方だけを信じています。」
「本当は、そうかも知れない。本当に信じているのかも知れない。だけど、セレスが自分でそれを一生懸命に否定しているんだよ。」
「えっと、ごめんなさい。良く分かりません。」
「信じているのなら、『私は、騙されたのですか?』と言う言葉は出て来ないんだよ。残念ながらな。」
「あ……。」
「俺からするとな、セレスは一生懸命に、俺を信じていると思い込もうとしている様にしか見えないんだよ。心からの信頼には程遠い。そう、思わないか?メイ。」
メイリーナが残念そうに言う。
「残念ながら、貴方の言う通りね。でも、もう少し待ってくれないかしら?」
「人の心が奈辺にあるかなんて、俺には分からん。セレスは、本当に俺を信じてるのかもしれないし、そうでないかもしれない。そんな事は俺には分からない。だから、セレスがついて来ると言うなら、受け止めるし、そうでないなら、それはそれで構わない。残念だけどな。それはセレスが判断すればいい。だが、結婚式までには、結論を出せよ。サラビスの親父に恥は掻かせたくない。」
メイリーナが頷いた。
「貴方の、サラビスに恥を掻かせたくないという気持ちは、よく分かる。だから、私が責任を持って結論は出させるわ。ずっと中途半端で来てしまったものね。貴方が心の大きな男性で良かったわ、本当に。」
「セレス、後で少し話をしましょう。このままだと、サラビスにもマサキ殿にも恥を掻かせてしまうわよ。」
「はい……。」
最後は、重苦しい雰囲気になってしまったが、明日はパルミナ王国からカステール王国をまわって、ラーメリア王国を通って、王国に帰る事にした。
「風呂に入りたい奴は順番に入れよ~。6人でいっぱい位だからな。」
「「「はーい。」」」
マサキは、船長室に入ってベッドに体を投げ出し、仰向けになって考える。セレスティーナが、ああなる度に、色々面倒臭くなってしまうのだ。多分、セレスティーナを愛している弊害なのだろう。面倒臭いと思いながら、セレスティーナの事が好きだから、他の事がどうでも良くなってしまうのだ。
段々、考えるのが面倒になってしまうのだが、セレスティーナと別れた時の事を考えてみざるを得ないのだ。果たして、今と変わらず居られるだろうかと。シャルロットとメイリーナが居れば、おかしくなっても、軌道修正はしてもらえそうだけど、どうしたって、エルフェリーヌ寄りにならざるを得ないと思うのだ。
人間よりエルフ、と言う風にフラットに考えられなくなりそうな気がしている。なんのかんの言っても、セレスティーナが可愛いのだなぁと、改めて思ってしまうマサキなのである。
そんな事を思いながら、ベッドに潜り込んだ時、船長室に来客があった。シャルロットだった。シャルロットは、ベッドまで来ると、黙って布団に入り、マサキにキスをした。
「私にも、苦労を分けて下さい。」
そう言って、シャルロットは服を脱ぎ、下着姿でマサキに抱き着いた。マサキは、そんなシャルロットを愛おしそうに抱くのだった。
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