第50話 寝るよりヤル男
マサキは屋敷に戻ると、リビングに大量の女性用下着を出して、お土産だぞ~と声を張り上げた。女性陣がゾロゾロと集まって来る中、スマホでスリーサイズを確認しながら、サイズ表記のある紙を指さして、セレスティーナはパンツは『L』と書いてある物、ブラは、『D70』と書いてある物を選んで持って行けと教えてやった。
因みに、シャルロットは、パンツが『M』、ブラが『E70』だ。1番多いのは、パンツ『M』ブラ『C65』か『C70』だろう。みんなスタイルは良いのだ。
サイズ表記のないヒョウ柄は、後で合わせながらで良いだろうと考えたのだ。高級下着は、何かの折にプレゼントに使おうとも。
それでも、品質の良い化繊の下着は手触りも良く、みんな喜んでいた。しかし、当然の突っ込みが、シャルロットから入った。
「旦那様?どちらに行っておられたのです?」
「シャル。信じられないと思うが、その下着全部、迷宮でドロップした物だ。その証拠と言って分かるかどうか、何とも言えないが、全て俺のいた世界の物だ。」
「え?そんな事ってあるのですか?」
「ない、だろうな。今回の迷宮は、最高神の爺ちゃんが、俺の修行用に用意した迷宮らしい。だから、俺がやる気になる様な?」
「ああ、理解しました。でも、凄く良い物ですね。」
「そうだろうさ。その下着を着けた上から、尻を撫でるともう…ジュルリ。な感じだ。手触りが堪らないんだぞ。」
と言って、みんながワイワイと姦しい中、女性陣は放っておいて、マサキは風呂に入って考え事をする事にした。
さて、明日からはどうするかと。まずは、修練場を確認しても良いだろうが、大森林への興味が尽きない。後、エクルラートへも行かなきゃいけねーんだよなぁ。
折角水着もゲットしたし、海水浴へも連れて行っても良いよなぁ、と考えると考えが纏まらない。しかし、夏季休暇の時期を考えると、優先事項としては、海水浴なんだろうなぁ。それなら、リリア、マリア、ヘカテリーナの3人を王都から連れて行っても良いだろうし。
考えるのが面倒臭くなったマサキは、ここんとこ構っていなかったから、明日は休みにして考えようと決めたのである。
風呂から上がろうと思ったら、女性陣がワイヤー入りの下着セットを着けて風呂場に来た。ワイヤー入りの効果は抜群で、元々彼女達にパッドなんて必要ないので、見事な谷間であった。
彼女達がどうだ、と言う顔をしていたので、
「見事な谷間だな、眼福眼福。その下着でドレスを着ると、体の線が綺麗に出ると思うぞ。他の男には見せたくないが……。」
メイリーナが言う。
「そうねぇ、これじゃドレスを着ると、胸の谷間が丸見えだわ。」
「いやいや、谷間は見えていいの。それが恰好良いの。なんて言うのかなぁ、私の胸は大きいアピールみたいな?それに、ワイヤーが入っているから、胸が型崩れしなくて良いんだぞ。」
ワイヤー入りブラなんてさ、再現しようと思っても、形状記憶合金なんて、作り方知らんがな……。あ、ミスリル使えば、指輪みたいにいけるか?いやいや、高すぎるでしょ。俺も馬鹿だよなぁ。
のぼせてしまうので、風呂から脱出したマサキは、ユイとルミエールとミレーナとメアリーに、ヒョウ柄上下セットをプレゼントした。是非、見せパンに使って欲しいものだ。色々、興奮してしまったので、メアリーのケツを触っていたら、良いと言うので、メアリーも頂いちゃいました。
もう、この節操のなさは、死ぬまで治らないのだろう。人は諦めも肝心だと思うのだ。メアリーのケツを初めて凝視した時から数えれば、よくもった方だろう。元々抱いて欲しいと言われていたのだから。本人は愛人で良いと言うので、お言葉に甘えさせて頂く事にした。
聞くところに依ると、愛人と言うのは、子供に跡取りを主張させないと言うだけで、妻と変わらないそうだ。別居している事も多いらしいが。城付きメイドは結婚しない事が多いらしく、領主等の主が行き遅れてしまったメイドなどに手をつけて愛人にする事が多い様で、女性にとっては救済にもなっているそうだ。我々、日本人の感覚としては理解し難いものではあるが、昔の日本でもそうであった様だ。
こういう事は、身分制度がある社会では普通なのだろう。血脈を残すと言う意味に於いて、一夫一妻と言うのは馬鹿げた制度だからだ。子供が出来ない主がいたとして、男の側に問題がある事も、少なからずあると考えられる。で、あるならば、先代は子供を出来るだけ沢山作っておかなければ、養子にして後を継がせると言う事も出来なくなってしまうからだ。無事産まれたとしても、夭折してしまったと言う話は、枚挙に暇がないのだ。
まあ、マサキの場合は家が云々、子孫がどうこうではなく、ただ単に女が好きなだけなんだが……。まあ、日本の健康な男子諸君にも、一夫多妻制への憧れはあるのではないだろうか。ハーレム物が割と支持されている事からも分かるだろう。
なんて言い訳を、一生懸命考えてみたのだが、まあ所詮はロクデナシなのだ、仕方がないのだろう。
メアリーと一戦交えた後、晩飯になったので、少し聞いてみる事にした。
「お前達は、海水浴とか行った事あるか?」
セレスティーナが答える。
「王家では、なかったですね。別荘で静養くらいはありましたけど。」
みんなの顔を見るが、みんな首を横に振った。くノ一娘達は、泳げはするが、もっぱら川だったそうだ。
「そうか、海水浴でも川でも良いが、迷宮で水着を取って来たんだが、泳ぎに行きたいか?丁度、夏休みだし、行く気があるなら、計画しようかと思ったんだけど……。日焼け止めもないし、王家の姫が黒くなる訳にもいかんか。」
シャルロットは言う。
「海は塩がきついですけど、川なら良いのではないでしょうか。余り焼けない様に気を付ければ。旦那様は、折角の夏休みに何もないのが気になるのでしょう?」
「まあ、迷宮にしろ大森林にしろ、俺が行きたいだけだしな。なんて言うのか、
別にしなくても良い戦闘をして来て、勝手に興奮して帰って来て、手当たり次第に抱くとかもうね……。
だから、ひと夏の思い出的な、お前達が楽しめる何か、が有ってもいいのかなぁと思うんだけどね。ほら、リリアとかマリア、ヘカテーも、何もなしになっちゃうしね。」
セレスティーナは首を捻る。
「どうしてマサキ様は、そんな事を考えるのですか?」
「どうしてって、お前達が楽しい方が、俺も嬉しいし?お前達の、水着姿も見てみたいし?」
「ん~、それでは、マサキ様の御予定が、全て終わった時に、時間があれば行きましょう?」
「どうして?」
「私達は、マサキ様の傍に居たくて、ついて来ただけですから、忙しい予定を後回しにしてまで、気を遣って頂きたくありません。マサキ様のなさりたい事をなして下さい。その方が私は嬉しいです。重荷にはなりたくありませんから。それに、ちゃんと愛して下さっていますから、不満など何もありませんよ?」
「あ、そうなの?」
みんなの顔を見ると、何故かみんな頷いていた。
それにと、セレスティーナは言う。
「一昨日のお肉も美味しかったですし、下着もそうですが、お土産を持ち帰ってくれるじゃないですか、私達の為に。それに、夏は毎年あるのですよ?今は、今やるべき事をした方が、良いのではないでしょうか。」
「ほほう、セレスに甘えさせてもらえるとは、夢にも思わなかったな。急に大人になったのか?」
「マサキ様に、大人の女にして頂きましたから。」
「じゃぁ、出来るだけ早く片付けて行こうか。マイルの方へ行けば、海水浴場もありそうだし。先に、エクルラートに行って片付けて来るよ。それから、大森林の探索をしたら、一段落だ。あとは、学校が始まってからでも良い案件だしな。まだ、夏休みは1カ月以上あるんだ。諦める事もないさ。」
セレスティーナは、頷いた。
「マサキ様のお気持ちは嬉しいので、楽しみにしておきます。」
「いや、セレス達の水着姿を見たいのも本当だぞ。少し待っていてくれ。」
晩飯の後、リビングでセレスティーナを膝の上に乗せて、弥助と酒を飲んでいた。弥助にも、トランクスとボクサータイプのパンツをプレゼントした。そして、霧に着けさせて楽しめと、Tバックセットとヒョウ柄セットを渡してやった。サイズはスマホで確認済みなのだ。スタイル良いんだ、霧も。
「上様。こいつは、やばいですね。」
「だろ?男のロマンだからな。俺から渡すと、ちょっと問題だろうしな。あ、そうだ弥助。霧はちゃんと寝ているか?どうも心配でならん。」
「上様。昨日でしたか、朝から霧にやり込められてましたね。大丈夫ですよ。」
「まあ、霧はデキル女だからさ、大丈夫とは思うんだが、目に付く時はずっと何かしているからな。ちょっと心配だったんだ。寝不足ってのは、良い事など何もないからな。」
セレスティーナを膝の上で横抱きにしていたのだが、
「マサキ様?男同士のお話の中に、私がいても良いのでしょうか。」
と言いだした。
「ん?気にするな。今日は、俺がセレスを離したくないだけだ。」
「それなら良いのですけど。」
「弥助。エクルラートって行った事あるか?」
「いや、流石にエルフの国はないですね。」
「人間は入れないとかあるのか?」
「いえ、そうじゃないですね。人間の方が避けている感じですね。」
「ふーむ、人間と言うのは、自分と違う者を、忌避せずに居られないものなんだろうかなぁ。差別好きだよな、人間ってさ。」
「上様の故郷では、差別はなかったです?」
「表向きはな。でも、実際はあったよ。くっだらない事で差別したりな。人間て奴は、弱い者を敵にして、優越感に浸るのが好きな生き物なのさ。そうでない人間も勿論多いのだけどな。平和な世の中だと、そういう事に労力を使うアホが出て来るんだ。嫌いなら関わらなきゃ良いと思うんだけど、攻撃したいんだな。」
「それは、我々も変わりませんや。見下される事も多いですが、見下す事で自尊心を満たす輩は、やっぱりいますね。」
「嫌だねぇ、そういう俗物は。まあ、そう言う、俺なんか俗物の代表格だがな!」
「上様が?」
「そりゃそうさ。美少女だ、美女だ、ブスだ、ババアだって言ってんだから。」
「上様。そりゃ抱くか抱かないかの、性的嗜好の話じゃないですか。仕事をするとしたら、ブスでも使うでしょ?」
「仕事が出来る女は、ブスでも可愛く見える。」
「そうなっちゃいますか。」
「なるな。多分。」
「じゃ、やっぱり俗物じゃないですよ。」
「そうかなぁ。」
マサキは、あっと言った。
「エクルラートってさ、大森林越えたら直ぐかな?」
「そうですね、国自体は大森林を越えればエクルラートですが、王都は少し北へ行かないといけませんね。普通は、大森林を避けて、南から回り込みます。」
「そっか。まあ、行けば分かるかな。スマホもあるし。じゃ、明日は早起きして行って来るよ。」
「お気を付けを。」
「大丈夫だって。」
そう言って、マサキは立ち上がると、セレスティーナをお姫様抱っこして、寝室へと上がって行った。
この日は、一晩中セレスティーナを可愛がって寝た。セレスティーナも幸せそうな顔をしていたので、良いのだろう。5回戦もしてしまったのだが。
翌朝、起きてそのままセレスティーナと1回戦して、一緒に風呂に入った。風呂の中でも、モミモミしていた。
「マサキ様、昨日からどうしたのです?私は嬉しいので良いのですけれど。」
「なんだろうなぁ。セレスとずっと繋がっていたい気分?いつもじゃ、セレスが壊れちゃうから、偶にはいいかな~と思って。だいぶ慣れたようだしね。」
「私は、もうマサキ様なしでは生きられません。もっと激しくても良いですよ?」
「まあ、段々な。」
(やっぱり、セレスはエロ担当だよなぁ。良い体してんだ。シャルと2トップだなぁ、でもシリルも良いんだよ……。つか、みんな良い。最早、日替わり定食。)
そんな話をして、風呂からあがり浴衣のまま、朝飯を食った。味噌汁のある生活は最高だ。霧と桜と椿の料理はマジで美味い。
メシマズ嫁はやめておけよ、男性諸君!!
朝食を終えて、着替えなどの準備を済ませると、エクルラートへ向けての準備を始めた。今日は、休みにするつもりだったのだが、セレスティーナの話を聞いて、さっさと用事を済ませる事にしたのだ。
そうしたら、霧が寄って来た。
「上様?寝てませんよね??」
「ん?寝たぞ?俺は寝たままエッチが出来るんだ!」
「そんな嘘は通用しませんよ?セレスティーナ様は声が大きいですから。」
「そうか、魔法で消音しておいた方が良さそうだな。セレスが精神的にもたなくなりそうだし。」
「誤魔化さないで下さい。寝てませんね?」
「大丈夫だよ。途中で寝るか、向こう行ってから寝るから。」
霧は怒っていた。
「駄・目・で・す!」
と首を掴まれ、寝室に引き摺られて行った。
「私が添い寝しますから、寝て下さい。」
「添い寝は別にいらないぞ?」
「駄目です!すぐ居なくなってしまいますから。」
「別に、ほら、ヘルミナもいるしさ。」
「ヘルミナさんだと、上様やっちゃうでしょ?」
「やんないってば。」
「いいから、寝て下さい。私が見張っています。」
と言って、ベッドの上で膝枕してくれた。
「こんな、仕返ししなくても……。」
「仕返しじゃありません。この3日、殆ど寝ていませんよ?上様。」
「あれ?そうだっけ?」
「そうです。だから寝て下さい。」
「でもさ、それを霧が知っていると言う事は、霧も寝ていないんだよな?」
「私は、昼間寝ています。」
「まあ、いいか。じゃ、腕枕してやるから、一緒に寝ようぜ。」
「え?嬉しいですね。じゃ、ご一緒させて頂きます。」
そう言って、霧はマサキの横に寝転んだ。マサキは腕を貸してやり、そのまま寝たフリをしていた。暫くして、霧の寝息が聞こえてきたので、枕をあてて腕を抜き、気配を消して、部屋から出て行った。
1階に降りて、霧が寝ているから絶対に起こすなと、厳命して屋敷から出て行った。庭に出て、飛ぼうかと思ったが、街中で見られるのも不味いか、と思ったマサキは、大門の外へ歩いていく事にした。
大門を歩いて出たマサキは、迷宮へ向かう道を少し走って、街道から外れた。そこで、【
速度を上げながら、下を見ていると、大森林が見えて来た。大森林と言うだけあって、向こう側が見えない。どこまで続いているんだと、更に速度を上げた。森林の景色は全然見えなくなってしまったが、また探索するので、良い事にした。
2時間位飛んでいただろうか。やっと森林を超えられた。しかし、今度は草原と小さな林が点在していて、街道らしき道が見付からない。仕方ないので、取り敢えず人と言うか、エルフを探す事にした。
これがまた、エルフが見付からない。段々、苛々してきたが、怒っても何も解決しないと自分に言い聞かせて、根気よく街道とエルフを探した。それから、30分位飛んでいただろうか。やっと街道を見付けたので、一旦降りる事にした。
街道に降りて、北に向かって歩いていたら、イケメンエルフがいたので、王都はこのまま真っ直ぐ行けば着くか聞いたら、歩きだと3日は掛かると言うので、街道上空を飛ぶことにした。
時速200Km程度で飛んだと思うが、大体1時間で王都が見えて来た。そこで再び街道に降りて、のんびり歩いて行く事にした。
一応、異空間から招待状を出して、中身を確認した。これを見せれば通してもらえるだろう。そう思って、王都の大門に向かうのだった。
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