ダンジョンデータ

 第六章終了時の、カイトのダンジョンデータをまとめる。


 ダンジョンコアLv,7

 ポイント残高:73600


〇中核人物


・〈マスター〉カイト


 本名、鳴上海人。

 オーストラリア大陸を流浪中の彼に素養を見出し、スカウト。彼は各地を流浪していた経験があり、その経験を生かしてダンジョンを経営する。

 心優しい性格の持ち主ではあるが、仲間を害する相手には容赦がなく、森一帯を火にかけるなど、大胆苛烈な策を執る。

 また「何とかなる」と楽観的に笑う一面、それを「何とかする」ために陰で努力することもしばしば。

 かつての経験のせいか、家族を失うことに極端な恐れを抱いている。


・〈ボス〉フィアルマ Lv,18


 幼き火竜。陸竜の血を濃く引き、膂力が強い。愛称、フィア。

 普段はセーラー服を着用。運動時はブルマ。

 長い金髪に紅い眼。ポテンシャルが高いものの、ポイントが割に合わないため、さまざまなマスターから敬遠され、『はずれ』としての劣等感を帯びていた。

 だが、カイトの明るい笑顔、その裏に秘められた努力を知り、彼を補佐するように最善を尽くすようになり、次第に惹かれていく。

 今でも劣等感を帯びているときがあり、時折、こじらせて拗ねるときも。

 彼が熱で倒れたときを機に、関係を深めて、公私に渡る相棒に。

 夜遊びでは、カイトの上に乗って興じるのが好み。


・ローラ Lv,16


 幼き火竜。翼竜の血を濃く引き、翼を生やして飛行可能。

 普段はブレザー姿を着用。運動時はブルマ。

 長い金髪に紅い眼。普段はツインテールに結っている。フィアとは姉妹関係で、同じく『はずれ』とされていた。

 明るく無邪気で悪戯好きなところがある一面で、相手の気の障るところには触れないようにする気配りができる子。だが、カイトやフィアの関係に遠慮し、一歩引いたところにいる傾向がある。

 そのため、他人の幸せを優先する一方で、自分を軽んじる一面も。

 その遠慮の結果、飛び出してしまったローラをカイトが慰めたところで、関係が深まる。姉と共に、公私に渡ってカイトを支える。

 カイトの夜が最近、激しくて嬉しいけど、寝不足気味。


〇ダンジョン地下担当


・〈魔物兵長〉エステル Lv,32


 戦狼の茶髪の少女。二階層迷宮の管理をしており、魔物たちを統括する〈兵長〉

 気配りができ、顔が端正だが、火傷の跡が大きく目立つ。

 普段はメイド服。無表情だが、感情は犬耳や尻尾で表現する。ぽつぽつと言葉を紡ぎ、あまり饒舌ではない。

 かつて、別のダンジョンで仕えていたが、捕らわれて奴隷に。

 冒険者の主人と共にカイトと戦ったが、敗れて傘下に降る。

 カイトのお手製天津飯がお気に入り。


・シズク Lv,12


 フェイと呼ばれる魔物。健康的な小麦色の肌と碧眼の美少女。

 黒い装束に身を包み、カイトを殿と呼び慕う、古風の口調。

 本来、工作員として街に送り込まれる予定だったが、本人の強い希望でカイトの下の諜報組織〈アマト〉の組頭として働くことになる。

 カイト、フィア、ローラ、エステルによって武術を昼夜問わず叩き込まれている。


〇ダンジョン地上担当


・ヒカリ Lv,3


 元、ダンジョンマスター。

 黒髪ロングで吊り目がち。賢く聡明であるが、悪知恵は回らない。部下の庇護を求めて、カイトの傘下に降り、今は彼の補佐を務める。

 人間であるため、戦闘能力は皆無に等しいが、その知識と人当たりの良さで、地上部に住む魔物たちの代表として取りまとめている。


・シエラ Lv,13


 ヒカリのダンジョンのボスであったドウェルグ。

 浅黒い肌をした少女で、二本の角や鉤爪、鋭い犬歯を持つ。

 鍛冶技術に優れ、村の洞窟を改築したたたら場で、銃の制作に勤しむ。


・ソフィーティア Lv,41


 ヒカリのダンジョンの一員だったエルフ。

 くすんだブロンドの金髪。きりっとした聡明な顔つき。スタイルも引き締まっている。ヒカリに庇護されたエルフのまとめ役である。

 百年生きていることもあり、魔物についてフィア以上に知識がある。

 また、頭の回転も速く、カイトの思惑にすぐ感づく。

 エルフ村のまとめ役を務める。


・ヘカテ Lv,???


 いわゆるダンピール。ヴァンパイアとエルフのハーフ。

 小柄の銀髪、血のような紅い瞳。

 人身売買をする『組織』に囚われていたところを、カイトたちに救われる。本人曰く、三百年の長寿で、不死者。

 カイトのことを気に入り、その寵愛を受けるボスの座を狙っているが――?


・その他存在する種族


 キキーモラ×30

 トロール×5

 ゴーレム×5

 ドウェルグ×2

 その他未確認十数名。


〇ダンジョン外魔物


・アリスティア


 シズクと同じく、フェイ。冒険者のグレイに付き従い、密偵として人間の街、グランノールに潜入する。グレイには好意を抱いており、密偵として情報収集する一方で、彼と共に生活を楽しんでいる。

 グレイは、彼女のことを魔物に拾われた人間と思い込んで、彼女がいろんな情報に興味を持つことに理解を示し、彼女の活動に協力的。(ダンジョン寄りの姿勢)


〇ダンジョン構造


・一階層


 地表に出ている部分。その大半が村として開拓されている。そこの畑や果樹園で、ダンジョン内の食糧事情を賄っている。洞窟は、鍛冶場になっている。

 村の周囲には落とし穴が張り巡らされ、侵入者を二階層に落とす仕掛け。


・二階層


 三和土の壁で仕切られた迷宮。カイトとヒカリが苦心して図面を引いた。

 二人の苦労があって、一筋縄では抜け出すことができず、その屋根、床、壁には数々の仕掛けが施されており、抜け出すのは容易ではない。

 中央付近に、三階層に抜ける縦穴がある。


・三階層


 まだ未着手の空間。魔物の巣にする予定。ヒカリの家があったが、今は引越中。


・四階層


 ボス部屋。床にレンガを敷き詰めている真っ最中。

 とても広いので、今は魔物たちの鍛練場と化している。


・五階層


 カイトたちの居住区画。内装はレンガ造り。

 廊下の最奥に、カイトの部屋。一応、フィアとローラの部屋もあるが、基本的にカイトの部屋に入り浸っている。

 会議室と風呂場も作り、照明は光水晶を使用。


〇敵対組織


・騎士団


 人間王国の治安維持組織。

 上層部が純人類主義者で固められているため、魔物全般を徹底的に排除する動きをする。ダンジョンを見つけ次第、彼らはそれを攻略している。

 目下、カイトの最大の敵。

 情報によると、騎士団にはある〈奥の手〉があるそうだが……?


・〈組織〉


 グランノールを拠点にする人身売買組織。

 魔物のうち、特にエルフや獣人など、人に近い魔物を捕らえて売りさばいている。本来ならば、奴隷制は法律違反だが、グレーゾーンの魔物を取り扱っていること、それに加えて、騎士団が純人類主義に牛耳られていることもあり、見て見ぬふりをされている。冒険者たちからは煙たがられている。


・冒険者


 ダンジョンを探索し、そこで手に入れた素材を売って生計を得る戦士たちの総称。傭兵のような一面もあり、騎士団や民間の依頼を請け負うことも。

 ダンジョンからしてみれば、不倶戴天の敵であるが、中にはグレイのような、魔物に理解のある冒険者もいるため、一概にそうだとは言えない。

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