東屋という少女


遠征ーー「まぁピクニックでも、行くような気持ちだと死ぬよ」


といいつつ、ヘアバンドをくれる


「--今のうちに、義妹いもうとさんごと。服を着てなすぐに出るから」


そういって、緑窪はカーテンを引く

「お兄ちゃん、着替えよう」

「あ、うん」


ここで、左手だけを別個に動かしーー同時に服を着る

「ほう、」「へええ」

二人の、感嘆とする声が聞こえてくる

「あ、あのどうですか」

「いや、なんだ少年ー私には」



「致命的に、似合わないはね」

くちをにごした緑窪と裏腹に、彼女はごまかさない

タシカニ、新品の着物が似合わないー端的に言うと、カレーにラーメンをぶちこんでだいなしにしたような感じか

「ああ、そんなに似合わないわけじゃない、おそらく着方を知らないだけだ

ふむ、義妹はできてるということはそうでもないのかな」


たしかに、妹はできていた

「妹の着付けはしていて、和服を着せることはできるんです、、、、ああ、でも僕自身はできませんよ、そんなこと」

「お兄ちゃん、私が手伝ってあげるね」


それでも、フォローする妹

(、、、このレベルの人形繰りは見たことがないぞ、こいつはひょとするとばけるんじゃないのか)

少年の着付けを手伝いつつ考える


「あの、緑窪さん」「、、、なんだ」


「緑窪さんは、手慣れてますね」

たしかに、緑窪は人に着物を着せるのが手馴れてるというか

「まぁ、あっちの世界に、子供たちを置いてきてるからな、3人

まぁ手のかかる子供でさ

上は、自分で乗り越えないといけない課題をなんだかんだ引き連れて進んでるやつ

真ん中は、とある事実に絶望してそれを乗り越えようとしているやつ

一番小さい甘えん坊だって、どこか精神が狂ってる

ーーマトモじゃないんだ、私の家族は」


そういいながらテキパキと着付けを終える

「あの、なんでそんなことに」

「さぁなーーただ、大人なんだよ、私たちは手札に抜けあってもたとえ最悪のジョーカーを引いても、やるしかない、子供たちに、見せることはできない、、、ものもあると、、、はい、妹さん連れてきて、いくよ」


遠征である、砂漠だ


いきなり砂漠だただし、暑くはない、そう暑くは

「その、どんだけ続くんですかね」


緑窪の反対側にいた女、弁慶べんけいが答える

「そんなのしーらない、ま、そのぐらいもないわよ」


ーー妹はひょいひょい歩いている

「お兄ちゃん。アレ、何」

「アレ、あーーーー」


いきなり、怪獣みたいなのが出てくる

つののついたでかすぎるあざらしみたいなものだ

それが迫ってくる

「うわ、あ」


ー」

針で突き刺す

つのついた怪獣が、おとなしくなる


緑窪留美ーー人体の免疫機能の底上げと

人体のバランスを知り尽くした、医療の知識を持つ怪物

「さて、メモっておこうーこの次の作品にだせるかもしれない」

服の袖から、ペンと手帳を取り出し、メモル


表側の職業は、ゲームブック作家


ただの、ダメ人間である

「あの、何をしたんですか緑窪さん、お兄ちゃん教えてよ」


わからない、兄貴


「それじゃ~次は私かー見せてあげるよ、ほら」


あざらしにむかって剣が出る、それが大きくなる

「はぁ」

「無益な殺生禁止」

足蹴で、刃を止める緑窪


緑窪が止める

ドクン、ドクン

「そんなの、私とお兄ちゃんだってーーいくよ、お兄ちゃん、

う、うんーー「「それじゃ二人の力見せてあげるぜ!!」




砂がお兄ちゃんに集まる

ーー解放、傀儡糸


領域ないにある、モノを一時的にマリオネットにする(ただし、生物以外)

妹を操るーー手袋の応用である

「もうしわけありませんけど、ここからは子ばせていただきます」


砂の傀儡ドールが、二人を運ぶ

妹はアザラシを放り投げる

「うわああああああああ」

二人ともびっくりする、そんなの常人にはできない


だが、二人ともニット笑うだけである

こいつらは自分がどんなにすごいことをしたかわかってない

そういう気持ちがでかくなる


すごいと緑窪は単純に思う


けたちがいの実力

それを自在に操る人間もいるのだ


緑窪の隣にいる少女、常盤ときわはきーっとなる


その夜

「あ、あの二人にあえてよかったです」


「気にするな(緑窪)」

「気にして頂戴(常盤)」

ーーあ、あのお二人だけなんですか?

あ、それ私も聞きたい、ねぇ、どうなの

「別にそんなことないかな」


ーー牛乳を煮詰めて作る、そというデザートを作り


ついでに、おかゆを作りつつ答える緑窪

「あ、ありがと緑窪~出来たら、マヨネーズがよかった~」

常盤は何か言ってる


「同じ一日を二つの世界で繰り返す(緑窪)」

「そうすることによって、人の倍の一日、人の倍の青春、人の倍の日常

人の倍の一年になる、これは絶対よ」


常盤は指をさして、そういってくる


ーーご飯をすすりつつ緊張する、催馬楽

だが、妹御は緊張しない

(ちなみに、人形は呑めないし、食べれないのでそのつもりで)

「?難しく考える必要ないんじゃない、これはきっとシンプルな話なのよ」

ーーそういうわけである

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異界訪問録、御玉狩り 暇の三 @13222uygu

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