緑窪留美、という「怪物」

ーーそこから、いきなり別な世界に来た


「よう、来たな」


プラカードを持った人間にあう「あ、あの、アナタはいったい誰ですか?」

「私か、私は緑窪留美みどりくぼるみという、まぁ、なんだーーよろしくな」


そういって、手を差し出してくる

「はい、ありがとうございます」


ーー中性的でも(体はごつい)声が少し低いーー男の人かな

「ほら、背負ってやる」

「え、で、でも」

「留美ーー何してんのよーーさっさと「呪術協会」の仕事をしなさいよね」

通信が聞こえてくるーー何も道具はないのに

「はーーい」

「ほら、人形は置いて行って」「あ、あの子の人形は必要なんです、どうしても」


ぎゅっと顏を近づける

「--そうか、わかった」


ひょいと抱えるとーーすぐに走り出す

風景が後ろに流されていくというかなにこれ

緑の沼が

「この沼は最初は入るもんじゃないからな、まぁでも技量が上がればそんなにないよ

でも、大丈夫なくらいだ」


緑の沼には得体のしれない生物がいた

ふわっと、体を浮かとつま先だけで走り出す

「え、ええ」

「つかまれよ、少年ーー時に、少年はどうしてここへ来たの?」


起こったことを話す催馬楽

「--なるほど、お人形さんか、良い義妹いもうとさんだね」


黒い服を着た彼(?)は、背の高さまである長髪が特徴だった


「--さぁ、いくよ仕事場だ」


鉄でできた城を持つ、

和風のお城であり、何か、違和感がなくもない


「--ここは、異界―安全のため、ここに来た人間はここで仕事するか

それとも、スカウトして逃げでもらうかどちらかにあるんだけど

少年はーー私と仕事しよ?

いろいろ、教えてあげちゃうからさ」


「あ、いた緑窪、お前、これやれよ、それとこれも」

大量の書類である

「-頼りにしてるんだから、図書づくりブックメーカー

「はいはい」


木でできた廊下を歩きつつ気になったので、聞いてみる

「あ、あの留美さんはどうして、ここで働いてるんですか」

「私?」

「-のことがあるからかな」


ーーどうして、--どうして、私たち「普通」に産まれなかったんだろうね


それは、指が水になり、、、腹が破れている女の言葉だ

(--どうして、、、か、、、なんでだろうね、わからないよ)

その横顔を見ると何も言えなくなった

「石が欲しいからかな」

「石」

相手がいるんだ、絶対に


ーー思い通りにされてもいい、でも、「奪われない、、奪われてもいい

だけど絶対に奪われないし、奪わせない

あのこたちをーー自分の目標のためにも


一瞬ーー敵意の色がともったのを見て、顔をそむける

ただ、その敵意には同意、共感といった複雑さもあった



「--こんにちは」

「なに、誰、この子ーーこの手袋もしかして」

そこで、手袋で人形をポンポンする

「へんね~面白い」

(お、面白い)


いきなり扉を開けて出てきた女性に、驚く


「ああ、緑窪ーーあんたは仕事してなさい、、、結構たまってんだから」


「へーーい」

書類がすごい勢いで片付いていく

「す、すごいです」

「そう、、、昔東京本部にいたそうなの、だのに、なんでここへきたんだが

まぁ、あいつ根がヘタレでチキンだし、それが原因かもねーー」


そういって女性はため息をつく

「そ、そんなことないです」


「そ、じゃあ―働くの?はたから家内の

私たちしばらくしたら遠征いくけどどうする?」


「働きます」

頭を下げるーーすごい勢いで、目をつぶる

「そ、わかったわーー緑窪、、、ごめんけど紹介しといて、、、あの、これもお願いね」

ーーそれは、一人分の隊服(黒)だった

「、、、、へーーい」


書類を片付け終わり、さらに道案内もするという

だがその前に

「うん、ぴったりだ」

「あ、あの何も」

「二人分の採寸ーー義妹さんもいくんでしょ?」


「はい」





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