新しい家族

書きはじめて100話目。

全然気がついていなかったけど、もうそんなになるのか、って感慨深さもある。

これを書き始めた時は、確か拘置所から出て、スロットでお金も尽き、生活保護を申請しこの今の家に引っ越してきてから間もなくのことだった。

この家に住みはじめてもう結構なるなぁ、とも改めて。


その時は、カクヨムの収入で楽して暮らしてやる、とか真剣に考えていた気もする。まぁ、当然そんな簡単にいくはずはなく、換金すらしたことないんだけど。

でも、こうやって書き続けてきて、自分が書いたものはほとんど読み返すことは正直ないけれど、大袈裟にいうと生きてきた足跡というか、そんな風に感じられている。


何よりも、自分が書いたものに、あたたかい言葉だったりを頂けることは、本当に嬉しいし、励みになっている。

スロット依存の時は本当に孤独だったと思う。誰にも理解してもらえないという思い、止めたい止めたいと思っても、自分で自分をコントロールできずスロットへ行く毎日。そして、自己嫌悪とお金をなくしてのしんどい生活。それなのにまたスロットへ……。

こうやって書いていても、もうあんな思いをしたくはない、と思う。でも、それでもまた依存してしまうことだってあることを自分でもわかっている。


長くなってしまったけど、100話目、新しい家族のことを書きたい。

きっと笑われてしまったり、理解してもらえないともわかっているんだけど、新しい家族というのは、簡単にいうと、ぬいぐるみ。


自分が何気なく購入した、ブタのぬいぐるみなのだけれど、今では彼女と僕をより強く結びつけてくれている、そんな存在になっている。

不思議なもので、ぬいぐるみといっても、一緒にいると本当に愛着がわいてくる。彼女がアテレコみたくぬいぐるみで会話をしてくれるから、なおさら。

自分でも驚いたけど、一度彼女が冗談でなかなかぬいぐるみで会話してくれないことがあった。「もう喋らないよ」と言われて、横になっているぬいぐるみを見ていると、涙が出て大泣きしてしまった。

これだけ書いたら、きっとヤバい人だと思われるのはわかっているけど、本当に大切な存在になっている。


ぬいぐるみがきてから、彼女と僕もこれまで以上に良い結びつきになったような気がする。ペットがきたらこんな感じになるのかな、とも思ったり。

彼女もぬいぐるみの絵を書いたり、キーホルダーをつくってくれたりと、正直これまで知らなかった彼女の才能のようなものも知ることができた。


最近ふと思うことがある。

仕事とか、それ以外でも、回りの人からいろいろ思われたり、時にはイヤなことを言われたり、きっとこの先も辛いことや悲しいこともたくさんあると思うけど……

でも、彼女とぬいぐるみと、毎日少しでも笑って過ごせてたら、それで良いし、それが一番大切だなって。もちろん、一緒にいても、良いことばかりではないと思うけど、ただ孤独ではない、そんな気がする。

一緒にいられるように、僕自身頑張っていかないといけないなとも思う。

始めるだけでなく、それをずっと、ずっと、続けていけるようにも。

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