前のエピソード――一年

　逮捕され拘置所を出て当時の彼女とお別れをして、もう恋愛とかどうでも良いと思っていた。それに、そんなこと考える余裕だって正直なかった。

　でも、最近、彼女ができた。相手は職場の人。7歳年上。まだそんなにどんな人かわかってる訳ではない。ただ、一緒にいると居心地がよくて。失礼かもしれないが、決して顔だって可愛いというわけではない。でも、自分でもわからないけど、すごく魅力的に感じる。　

　人を避けて生きてきたらしく、初めての彼氏らしい。僕だってそんな経験ある訳でないし、何より童貞ですし(^-^)

　正直わからないことだらけ。考えたってどうにもならない。ただ、彼女となら、何かあってもしっかり話し合える気がしている。

　党員であることは告げた。でも、逮捕されたことやギャンブル依存のことはまだ伝えていない。いつか言わないといけないんだけど。いろいろ話していて彼女の口から出た言葉。

　過去とかはどうでもいいかなって。終わったことですしね。

　僕もそう思う。けど、僕のそんな過去を知ったらどう思うか……。

　そして、もう一つ心苦しいのは、前に書いてきたもう一人の女性のこと。つい最近も、彼女を紹介してくれた上司のような方から、彼女の気持ちとかを聞かされた。そのとき、一応は会社で心ひかれてる人がいることは伝えはしたけど。とても良い人だったけど、なぜか自分の気持ちはその人には恋愛では向いていかなかった。ちゃんとこちらも自分の口から伝えないと……。

　なんというか、これが生きるということかって最近思う。これまでも仕事はして彼女がいることもあったけど、結局中心はスロットだった。スロットやって金なくなって、死にたくなって、精神的に不安定になって、何よりひとを傷つけて。生きてるっていえないよね。スロットに支配されてたもん。

　今は、党員、派遣だけど仕事して、彼女できて、何よりお世話になっている女性とそのご主人に支えられ、勉強をして。もちろん、楽しいだけでない。しんどいこともあれば、めんどくさいこともあるし、腹立つことも、やる気なくなることも、ダメな感情もいっぱい抱いている。

でも、なんか生きてるって思えてる。