第3話 ドラッヘ登場/BBG爆弾
昨年1月、雪の降る中レオパルト2の滑腔砲が侵犯した敵に向かって一斉砲撃を浴びせる。
砲撃を止め轟音の収まった中、戦車隊の司令官がレシーバーで本部に淡々と無線連絡する。
敵が現れて三日目、ドイツ4番目の大都市ケルンが壊滅。
その惨状を受けて政府はドイツ版のmoab(非核だが強力な爆弾)と呼ばれるBBG(Bombengott)爆弾の投下を決定。
同日デュッセルドルフに敵が進攻したタイミングで、投下。都市は瓦礫と化した。
しかし敵の破壊行動は止められなかった。
ドイツメディアでは敵を、高さ15.5メートル、全長62メートルという計測された形状から、竜を意味するDrache(ドラッヘ)と呼んだ。
ドラッヘは当初、世界遺産として有名なライン渓谷中流上部ザンクト・ゴアールスハウゼンに現れた。
目撃者の証言と、ライン川底に空いた巨大な穴が残されている事から、地中から現れたと専門家は見ているという。
そしてそのままライン川を北上し、デュースブルグを壊滅させた後に、巨大な穴を残して姿を消したとの事だった。
ライン川に沿った大都市が壊滅し、死者数は20万人と報道された。
死者の約半数はBBGによる被害とも言われており、敵の破壊を手伝ったと揶揄され、充分な退避をさせなかったとして政府は非難された。
後にこの大事件はドラッヘ災害と呼ばれた。
泰介はこのドラッヘ災害を、非常勤講師として通う事になった一年目、学校の職員室の中で教師の誰かがつけたテレビの臨時ニュースで見た。
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