第12話 里帰り④

………見覚えのない女の名前からのメールだった。


『久々だったね。東京行ったと思ってたから会えると思ってなかった。』


それに彼の返信

『久々だったね。懐かしかったわー。俺3日ぐらいこっち居るんだけど、華英は時間ある?久々に飲もうよ!』


そこまで見た所でドンッとドアを押しあけられた。


バタンッ

ドアの開いた勢いで床に倒れ込む。倒れた勢いで足を痛めた。

「痛い」


しかし、そんな事お構いなしに血相を変えた彼が携帯を持っている私の腕を掴みあげる。

「痛いっ!」


手首を握りしめたまま、リビングまで私を引きずっていく。無表情のまま思いっきりベッドへ投げ飛ばした。


ドンッ

鈍い音がした。


ベッドに倒れ込むと手首を掴み携帯を奪いとる。

「気が済んだ?」

静かな口調で私になげかける。


私は怒りに震えていた。

「なにが気が済んだだよ!ふざけるな!嘘つき!散々私の事否定しといて、あんたはなにしてんだよ!最低だな!いい加減にしろ!」

力いっぱい怒鳴りつけた。


すると、


ふーとため息をつき、私の頭を掴んだ。


「うーるーせーんだよ!!!!」

と耳元で怒鳴りつけたのだった。



耳がキーンとする。

頭にまたモヤが沸き始める。


「いちいちうるせんだよ!なんなんだよ!」怒鳴りながら、近くにあったテーブルをどんどんと叩き始める。


バリン!!グラスが割れた


割れたガラスの破片が刺さり、手から血が滲み出す。


それでもお構いなしに手をテーブルに打ちつける。




ドンドンドンドン、、、

テーブルに血が散っていく。




「もうやめてー!」

泣きながら彼の手を握りしめた。



手は紫色になり晴れあがり血が流れ出ていた。

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