第11話 里帰り③

翌朝

目が覚めるとメールが入っていた。

『おばあちゃんの具合大丈夫そうだから予定より早く帰る。早く顔みたいし。』


昨日の胸騒ぎは気のせいだったのか。と思い直し、久々の部屋の片付けを始めた。


またメールが入る。

『今日の夜には帰るから。』


『わかった。』と返信しながら、夜につくのなら食事でも用意して驚かせようと考えていた。



部屋の掃除を済ませ、時計に目をやる。

AM11時…


まだだいぶ時間がある。

帰ってくる前に彼の部屋に行き用意をしようと思い、支度をして私の部屋を後にした。








PM18時…

スーパーに行き食材を購入し、作った料理をテーブルに並べた。

喜ぶかな?などと思いながら準備をする。



だいたいの準備が済んだ頃

『もうすぐ部屋に着く』とメールが入る。

彼は私が彼の家にいる事を知らないので、部屋の布団に隠れた。

おどかそうとしたのだ。


ガチャ…

鍵の開く音がした。


「おかえり!」と布団から飛び出ると

面食らった顔をした彼がいた。


「びっくりした、、、ただいま、、、」

「びっくりさせようと思って!おばあちゃんよかったね!」

「そっか。料理まで、、、。ありがと。」

と話すもののあまり嬉しそうではない。


「とりあえず荷物かたずけるね。」といって荷物を整理し出した瞬間


ピコン…

彼の携帯の画面にメールメッセージが表示された。


   

  『ほんとに最低。あれが最後だからね。』



明らかに相手は女

なんだこのメッセージは、、、


すると彼はバッと携帯を握りしめた。

そして、なんでもないよ。と額に汗をかきながら苦笑いを浮かべた。


「みせて。」

彼の携帯を握りしめた手を強く握りながら言った。

彼の額の汗がどんどん増えていく。



「見せろっつってんだろーが!!!」

低い大きな声で怒鳴っていた。


彼は今にも目から目玉がこぼれそうな程びっくりした顔をしていた。


力任せに手を開き、携帯を奪う。

彼も取り替えそうとする。

そんなやりとりをしながら私は携帯を持ったまま風呂場へ駆け込んだ。

風呂場のドアを身体で抑え開かないようにし、彼の携帯のメール画面を開く。


彼はどんどんとドアを叩き、開けようとしてくる。

それに負けないように身体に力をいれる。



メール画面が開いた。いつもはロックがかかっていたが、その時はかかっていなかった。

そう、、、私が部屋にいるとは思っていなかったから、、、。

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