第9話 里帰り
彼の家の前につく。
何故か気が重い。楽しかったはずなのに。
ガチャ
「ただいまー」
「おかえりーどうだった?」と部屋から返事が返ってくる。
「楽しかったよ。ちょっと飲み過ぎたけど。」
腰掛けなら答えた。
すると彼が台所に向かう。
「そうだと思ったよ。はいっ」といって生姜スープを目の前に置いてくれた。
「ありがとう。」
スープをすする。
冷えた体がお腹からじんわり暖かくなっていく。
「あのさ、俺明日から3日間くらい実家に帰る事になったんだ。なんかおばあちゃんが体調悪いみたいで、、、。」と彼が話し出した。
「わかった。気をつけて行ってきてね。心配だね。」
と返す。
彼の実家は東北の方でなかなか帰れる距離ではない。
「急なんだけどね、、、今度は一緒に行こう。親父にも合わせたいし。」
「わかった。」
そう返し、お風呂へと向かった。
ふっと彼の携帯に目をやると、メール画面になっていた。
こんな時間にメールなんて珍しいな。と思いながらもさほど気にせずにお風呂に入った。
ピコン
彼の携帯の音がした。
何回かやりとりをしているようだった。
お風呂から出ると彼に
「メール珍しいね。誰と?」と聞く。
「ねぇさん。明日ねぇさんと帰るから。」
とメールを打ちながら答える。
「そっか。」と返しそのまま眠りについた。
朝になり、一緒に部屋を出る。
彼が居ない間久々に自分の部屋でゆっくり過ごす事にした。
彼を見送り私も自分の部屋へ向かう。
ちょこちょこ帰ってきては居たが荷物を取りに来るくらいだったので、久々の気がした。
…久々の1人…
私以外誰もいない部屋
ホッとするような…寂しいような。
そんな感覚を覚えながらソファーに腰掛けた。
…ピコン…
携帯が鳴った。亜子からだった。
「飲みにいかない?この前あんま話せなかったし。」と飲みの誘いだった。
「行く!」
すぐに身支度を始め、亜子の元へ向かった。
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