第3話 違和感

鍵を受け取った後も毎日のメールは続き、週の内3日程は会うようになっていた。

彼の家に泊まる事もあったりどこにでもいるようなカップルだったと思う。

ただ、それも1か月だけだったのだ、、、


1か月経ったある日、友達と飲んだ帰り道ふっと会いに行こうかなと思い彼の家に向かった。

内緒で訪問しびっくりさせようと思ったのだった。


ガチャ


鍵を差し込みドアを開けた。

リビングにはびっくりした表情の彼が座っていた。


「どうしたの?」


「びっくりさせようと思って。」

と会話をしながら部屋へ入る、、、

と、、、

前に来た時と何か違う。前と言っても2日程前だ。

何か違和感があるのだ。

それが何かは解らない。でも何かが違うのだ。

そんな違和感を感じながらも過ごしていた最中、ふっとゴミ箱に目をやる。



すると、大量のティッシュ、、、

「あれ?」

そして、ベットの枕の脇に目線をやる。



飛び込んできたのは、コンドームの箱。


「なにこれ、、、」

目に飛び込んできたものを指差す。


「1人でしただけだよ。男はそういうのあるんだよ。」

さらっと言ってきた。


「コンドームも1人で使うの?」

すかさず聞いた。


少しイラついた顔をして

「そう。かたすのめんどくさいから。」

といいながら、コンドームの箱をテレビ台の引き出しにしまう。


「それ、ほんと?おかしくない?」    

さすがにそれはあり得ないと問い詰めると、彼の顔色が急に変わった。



ギロッとこっちを睨みつけ

「じゃ、どうすりゃいんだよ!目の前で実演しろっていうのかよ!?」

と叫んだのだ。


その変わりようにあっけにとられ、唖然としていると急に服を脱ぎ出し、服を投げつけて来たのだった。


その行動にびっくりして、言葉が出てこない、、、。



そんな私を見た彼は服を履き直し


「ごめんね。不安にさせて。でも本当だから信じて。嘘は絶対つかない。鍵だって渡したでしょ?浮気するくらいなら渡したりしないよ。」

と抱きしめてくるのだ。



そのコロコロ変わる態度に動揺し、恐怖を感じた。おかしいと思いながらも信じたい気持ちからか

「わかった。」

と言ってしまった。


今日のは、たまたまだ。

私の聞き方も良くなかった。私が悪かったんだ。と自分に言い聞かせていた。

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