第6章


「……よし。動かしてみて、スィスタ」

 ヨハンソンの言葉にひとつ頷いてから、スィスタは右腕パーツを動かした。掌を結んで開いてを繰り返すと、ヨハンソンが安堵の溜息をついた。

「よかった……ちゃんと接続できた」

 右腕と左脚パーツを失ったスィスタだったが、代替パーツがないわけではなかった。――武器・兵器を搭載した、戦闘用のパーツだ。結局設計図などは見つからず、ヨハンソンはほぼ勘だけでスィスタのパーツを交換した。

「ありがとうございます、マイスター・ヨハンソン」

 スィスタは揺るがない碧の目でヨハンソンを真っすぐ見ながら礼を言う。『マイスター』と呼ばれたヨハンソンは、恐縮してブンブンと手を振った。

「マイスターなんてやめてくれ、スィスタのマイスターはただ一人だろう?」

「了解、訂正します。ありがとうヨハンソン」

「……そうあっさり変えられるとそれはそれでちょっと寂しいな」

 思わず漏らした呟きにスィスタが変な顔をしたので、何でもないと苦笑してみせた。

 戦闘モードでないスィスタと初めて会話したヨハンソンは、その余りの感情の豊かさに脱帽した。会話はまるで人間を相手にしているようだし、若干ぎこちないながらも表情すら変える。

(戦闘モードのNo.315は、喋らないし表情変わらないし……瞬きすらしなかったからな)

「雪椿はどこに?」

 スィスタの問いにヨハンソンが答えるより早く、階段を駆け降りる軽い足音が聞こえた。

「スィスタ、ヨハンソン! 一緒に来て下さい!」

 急かす口調にヨハンソンは何事かと腰を浮かしたが、スィスタは平然とした顔で雪椿を見返した。

「雪椿。ヨハンソンが直してくれたよ」

 ヒョイと右手を掲げると、雪椿はパッと目を輝かせてスィスタに駆け寄った。

「よかった……! ありがとうございます、ヨハンソン」

「いえいえ」

 交換しただけなのでそんなに感謝されても逆に居心地が悪い。雪椿はスィスタの右手を嬉しそうに見つめていたが、不意にハッと気付いた。

「そうだ、二人とも来て下さい!」

「何かあったのか? まさか、また軍の……」

「え? ……あっ、いいえ、違います。悪い事じゃないんです」

 青い顔のヨハンソンの言葉を、雪椿が慌てて否定した。

「咲いたんですよ。スィスタが世話をしていた花が」

「……何だ、そんな事か」

 ホッと息をついたヨハンソンを、雪椿が軽く睨む。

「そんな事とは何ですか。スィスタがどれだけへっぽこ庭師だったか知らないから、そんな風に言えるんですよ!」

「へっぽこ……」

 スィスタの呟きをスルーして、雪椿は断言する。

「咲いてくれてありがとうとお礼の一つでも言うべきですよ、ええ!」


 庭に出たヨハンソンは、ひゅう、と口笛を吹いた。

「おお……こりゃすごい」

 スィスタの修理(パーツ交換)の為に邸の地下ラボに引きこもっていたのは、ほんの数日のはずだった。その間に外には春が来ていたのだ。

 ただの芝だと思っていたのは芝桜だったらしい。淡いピンク色の小さな花が地面を覆っていた。他にも絶妙に配置された花々が一斉に目を覚ましたかのように咲き誇っていた。

「……すごい。これを言い表す語彙は僕のメモリー内にない」

 スィスタが驚きに碧の瞳を丸く見開いて言った。雪椿は満足そうにニッコリ微笑む。

「声をかけた甲斐がありました。みんな、スィスタが元気になったお祝いをしてくれてるんですよ」

 ヨハンソンはその不思議な言い回しに軽く首を傾げたが、質問し損ねた。

「美しいな……」

 スィスタのその呟きに、ヨハンソンは彼の方に視線を向ける。ロボットとは思えないほどの自然で柔らかな微笑を浮かべて、彼は庭を眺めていた。

『ロボットに心は宿らない』というのが、かつてのヨハンソンの持論だった。しかし、アサツキシリーズのロボット達に出会ってぐらついたその考えは、今や完全に撤回せざるを得ない。

 ロボットも、心は持てる。

 スィスタは今、心から『美しい』と思って目の前の光景を見つめている。


 何故マイスター・アサツキは、ロボット達に心を与えたのだろうか。それもアサツキシリーズのロボット達は皆、軍の資金援助を得て造られたもの。つまり、全て戦闘用ロボットなのだ。

 ヨハンソンはつい数日前まで軍人だった。戦場に出た事もあるし、――敵兵を撃った事もある。初めて人を撃った時、ヨハンソンは心を全て放棄してしまいたい衝動に駆られた。人を撃つのに、心は重荷にしかならない。ヨハンソンはそう痛感した。

 だがマイスター・アサツキは、人を撃つ為の道具にあえて重荷をくくりつけた。何故なのだろうか。

(あれだけの人が、ただの思い付きやお遊びでそんな事をするとは思えない……)

 ヨハンソンはスィスタを横目で見ながら考えた。とは言え、当のマイスター亡き今、真相は闇の中だ。

 別にそれで構わないとヨハンソンは思う。運が良ければいつか、解る時が来るかもしれない。

「そうだヨハンソン、ここでお茶しませんか。キッチンの戸棚にいい茶葉を見つけたんですよ。スィスタと私は飲めませんから……」

「いいね。いただくよ」

「じゃあ持って来ますね」

 笑顔を残してパタパタと走っていく雪椿を見送ってから、ヨハンソンはスィスタに小声で尋ねた。

「……スィスタ。何度も聞くけどあの娘は一体何なんだ? ヒトではない……よな?」

 スィスタはしばらく黙ってから頷いた。

「少なくとも僕の知っている定義では、雪椿のような者をヒトとは呼ばない」

「じゃあ一体何者なんだよ」

 ヨハンソンの呆れた声に、スィスタは沈黙の後、首を傾げた。

「その質問の答えは検索出来ませんでした。質問をかえて下さい」

「またそれかよ……」

 ガックリと肩を落としたヨハンソンだった。

(本人は否定したけど……やっぱりアサツキシリーズのロボットなんじゃないか?)

 雪椿は何も食べないし飲まない。ウトウトしたりボーッとしたりはしても、すやすやと眠る事もない。

 それにヨハンソンは、初めて会った時の手品のような現れ方も気になっていた。軍事衛星であらかじめ生体反応がない事を確認した上での侵入だったのに、どうして雪椿がいたのか。そして肉眼でも、誰も彼女を見つけられなかったのは何故なのか。

 物思いにふけるヨハンソンの隣で、スィスタは地面に片膝をついて、芝桜の小さな花に手を伸ばしていた。可憐な花を見つめる瞳は、作り物であるはずなのに、愛おしさが溢れ出ている。ヨハンソンは微笑ましく見つめていたが、不意にあっと声をあげた。

「だめだスィスタ!」

 しかしその制止は間に合わず、スィスタは芝桜の花に触れてしまった。戦闘用パーツの右手で。

 スィスタはただ、小さく可憐な花にそっと触れてみたかっただけなのだろう。だが、今のスィスタの右手は兵器そのものだった。

 ぼわっと音を立てて、スィスタが触れた周辺が炎上した。スィスタはビクッとして手を引き、ヨハンソンが慌ててバケツの水をぶちまける。

 それ以上炎が広がる事はなかったが、スィスタが触れた半径一メートルほどが焼け焦げた。スィスタが触れた芝桜の花など、消し炭すらも残らなかった。

「…………」

状況が掴めずに固まっているスィスタに、ヨハンソンはバケツを片手に気の毒そうな目を向けた。

「あー……、言い忘れていた。君の右腕と左脚は戦闘用パーツなんだ」

「……それは了解してますが、運転モードを戦闘モードに切り替えない限りは、機能しないはず」

「ちゃんと繋げられればそうなのかも知れないんだけど……済まない、俺の力不足だ。ただはめるだけで精一杯だった」

 つまりスィスタの右手は、触れたもの全てを燃やしてしまうという事だ。

「了解しました。以後留意します」

 スィスタは表情を変えずに事務的に頷いたが、ヨハンソンはスィスタが不憫でならなかった。

「……とりあえず、必要な事は左手でしていてくれ。俺ももう少し調べてみる」

 そう言ってヨハンソンは地下ラボへ戻ってしまった。残されたスィスタは、面積の減ってしまった芝桜の絨毯をじっと眺めていた。


「あれ……ヨハンソンは?」

 紅茶のポットとカップ一式を盆に載せて持って来た雪椿は、キョロキョロと辺りを見回した。

「邸の中に戻った。地下ラボにいると思う」

「そうですか。私、お待たせしちゃったでしょうか」

 シュンと肩を落とした雪椿に、スィスタが首を振る。

「いや、雪椿が遅かったからじゃないよ」

「ならいいんですが……って、ああっ! ど、どうしたんですかこれ!?」

 微笑を浮かべかけた雪椿が、一気に驚きに目を見張る。丸く焼け焦げた芝桜を見つけたのだ。

「可哀相に……! どうしてこんな事に」

 盆を乱暴に地面に置いて、雪椿は芝桜の側にひざまづいた。目に涙を溜めて、焦げた土に手を伸ばす。

 スィスタは何のためらいもなく事実を述べた。

「やったのは僕だ」

「…………!?」

 雪椿がガバッと顔をあげた。その拍子に涙の粒がきらきらと宙に散った。スィスタを見る目には、非難の色がありありと浮かんでいる。

「今の僕の右手は、触れるもの全てを焼く兵器だ。それを知らずに触れてしまった。美しい花だったのに……勿体ない事をした」

 それを聞いた雪椿は一瞬フッと泣きそうな顔をして、スィスタから目を逸らした。

「そう、ですか……」

「だけどもう、こんな事は絶対に起こさないから」

「え?」

「ヨハンソンに頼んで、僕を停止してもらおうと思う」

 雪椿は予想外の言葉に絶句した。

「マスターも誰だか分からないし、右手はこれだし、僕が運転を続ける意味もないから」

「でも……この庭は? 庭の手入れはどう……」

 するんですか、と言いかけた雪椿だったが、スィスタの右手を見てまた言葉を失う。

「ヨハンソンみたいに人間だったなら、軍人をやめてもマイスターとして生きるとか、他の選択肢があった。でも僕は戦闘用ロボットだから。戦う為に造られたから、戦う事しかできない」

 雪椿は、その言葉を聞いてグッと拳を握りしめた。睨むようにスィスタを見据えるその視線は、むしろ負けないように気を張っているように見える。

「そんな事ありません!」

 悲鳴のような叫び声に、スィスタは驚き目を丸くした。

「スィスタは出来たじゃないですか! 戦う事以外にも、いろいろ! 私をここへ連れてきてくれたのは誰ですか? マイスターの弔いをしたのは? 芝桜を咲かせたのは?」

「…………」

 余りの剣幕と矢継ぎ早の質問に、スィスタの情報処理速度が追いつけないでいる。雪椿は畳み掛けるように叫んだ。

「何したらいいか分からないから逃げるなんて、ずるいです!」

「ずるい……?」

 スィスタはパチパチと瞬いた。

「何をしたらいいかなんて、誰だって分かりませんよ! だけどみんな頑張って生きてるのに……スィスタはずるい! ずるいです!」

 雪椿はぼろぼろと泣いていた。

「スィスタが動かなくなったら……私はどうしたらいいんですか……」

「雪椿」

「私だってする事なんてありません。何かの為に生まれた訳でもない! ……それでも誰かが私を見てくれるから、愛してくれるから、その為に生きてました!」

 過去形で語られるその言葉の奥には、あの村の想い出があるのだろう。雪椿は溢れ流れる涙を拭いもせずに叫び続けた。

「貴方は……貴方は私から生きる意味を奪って、でもそれを与えてもくれて、それなら今度はスィスタの為に生きようって思ったのに……どうしてそんな事言うんですか……!?」

 自分がわがままを言っている自覚はあった。スィスタが人間であったなら、雪椿の願いはそれなりに正当性もあるだろうが、どんなに人間に近くともスィスタはロボットだった。マスターの命令を受けて、そのために動くロボットなのだ。

 雪椿の涙で滲んだ目にはハッキリとは見えないが、スィスタは困りきった顔をしていた。

「雪椿……雪椿、ごめんね」

 スィスタは雪椿の肩に触れようとしたが、焼け焦げた芝桜を思い出してその手を止めた。だがためらったその右手を、雪椿は掴んだ。

「!」

「……離さないで」

 咄嗟にその手を振り払おうとしたスィスタは、先に雪椿に釘をさされて固まった。触れるもの全てを焼くはずのその右手は、雪椿に何の変化も起こさなかった。

「私なら、貴方に触れられます。だから……お願いだからいなくならないで」

 雪椿はスィスタの手を引き寄せて、ギュッと抱きしめる。

「もう誰かがいなくなるのは嫌です……」

 ネジさえ巻けば、スィスタは止まることなく動きつづける。そう知ってしまったから、当然期待してしまう。スィスタならずっと雪椿の側にいてくれるのではないかと。

「私が貴方のネジを巻くから、貴方はずっと側にいてください」

 雪椿は涙に濡れた瞳でスィスタを見上げた。スィスタの吸い込まれるような碧色の瞳の奥で、キュイン、と小さな音がした。雪椿の手を離し、腕を直角に曲げて敬礼をする。開いた唇から放たれた言葉に、雪椿は目を見張った。

「イエス、マイマスター・雪椿」

 訳が分からず瞬いている内に、涙が引っ込んでしまった。雪椿は『え? え?』と戸惑いの声を繰り返している。

 スィスタが敬礼から直り、いつもの抑揚のない語り口で言った。

「命令されてようやく分かった。僕の新しいマスターは雪椿だ」

(……別に、命令じゃないんだけどなぁ)

 雪椿は苦笑を浮かべたが、まあいいかと思い直した。

「じゃあ一緒にいてくれますよね」

「雪椿が望むなら」

 雪椿がにこ、と笑うと、スィスタも微笑する。しかしスィスタの次の言葉に、雪椿は凍りついた。

「攻撃目標を設定してください、マスター」

 すうっと血の気が引いていく気分だった。

 雪椿のいた村を壊滅させた時も、こんな風に笑って命令を請うたのだろうか。

 雪椿が答えられないでいると、邸の扉がバタンと開いた。驚いて文字通り跳び上がった雪椿は、邸から走り出て来たヨハンソンの形相を見てドキッとした。

 何かあった。それも何か、良くない事が。

「スィスタ、雪椿。落ち着いて聞いてくれ」

 そう言うヨハンソンが一番焦っていた。

「軍用無線を傍受して、暗号を解読した。……これから軍部がここに来る」

「……え?」

 雪椿は今のヨハンソンと同じ表情を思い出す。村が攻撃され始めた時の、村人達の表情と同じだったのだ。

「俺がここに残る事は、軍部にとって計算済みだったんだ。俺がスィスタを修理する事を見越してた」

「そんな……それじゃ……」

「軍部はスィスタを軍に戻すつもりで来る。それが無理なら今度こそ徹底的に破壊される。……役立たずの俺ごとね。暗号解読に時間がかかったから、到着まであと一時間もない。二人共、すぐに逃げるんだ」

 ヨハンソンが焦った表情でスィスタと雪椿に言い含める。

「スィスタ、雪椿を連れて飛べるな? とりあえず二人なら軍事衛星のサーモサーチに引っ掛からないから……」

「待って下さい! ヨハンソン、貴方は?」

 嫌な予感がして、雪椿はヨハンソンの言葉を遮った。ヨハンソンは雪椿に微笑みかける。

「俺はここで、しばらく軍部を足止めする」

「そんな……そんなの駄目です! 死ぬつもりですか!?」

 青ざめ叫んだ雪椿に、ヨハンソンは無言で笑いかけるだけだ。

「スィスタ。俺は君のマスターじゃないけど、分かるよな? 俺の頼みを聞いてくれ」

「…………」

 スィスタは戸惑ったような顔で雪椿を見た。雪椿は俯いたまま、細い肩を震わせている。

「今から五分後に、三十秒間だけ軍事衛星にハッキングする。光学サーチを停止させるから、その間に出来るだけここを離れろ」

「雪椿は、ヨハンソンも連れて行きたそうにしています」

 スィスタの抑揚のない声にヨハンソンは苦笑する。

「俺は行けない。軍事衛星が回復した途端に見つかってしまうから」

 スィスタや雪椿と違い、ヨハンソンはサーモサーチに引っ掛かってしまう。ヨハンソンはまだ何か言いたそうなスィスタの頭にポンと手を置き、それじゃあな、と呟いてそのまま踵を返した。

 邸の中に消えるヨハンソンの後ろ姿を見送ってから、スィスタは雪椿を伺う。雪椿は俯いたまま、拳を握りしめ震わせていた。

 ヨハンソンは軍事衛星をハッキングした後、軍部に投降するのだろうか。それとも抗戦するつもりなのか。どちらにしても、無事ではいられまい。軍事衛星をハッキングしたとあれば、軍事裁判で重い刑に処されるだろうし、抗戦ならば言うまでもない。雪椿は、ギリッと奥歯を軋ませた。

 スィスタはヨハンソンが消えた扉と雪椿を交互に見遣り、小さく溜息のようなものをついた。

「雪椿、どうする? もし雪椿から命令がなければ、僕はヨハンソンの命令を聞くけれど」

 つまり、二人で逃げるということだ。ヨハンソンを置いて。

「それは駄目です」

 雪椿はふるふると首を横に振った。

「じゃあヨハンソンを連れていく? 拒否したら力ずくで連れていくことも可能だよ」

「…………」

「ヨハンソンの話では、それをすると僕ら三人、すぐに捕まってしまうようだけど」

 雪椿は頭を抱えた。一番いい方法は、分かっている。だがその方法は、一番とりたくない方法でもあった。

(だけど、そうするしかないのなら……)

 ついさっきスィスタに投げた『逃げるなんてずるい』という言葉が、今は自分をチクチクと刺している。

(やらなきゃいけない……私が)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る