城下町

椎名由騎

月夜に舞う

 盆提灯の灯りが地面を照らす


 商店の灯りは消え、町は静けさに包まれていた


 その暗闇に紛れ、屋根を疾走する者あり


 身軽な格好に足音を立てない


 大きな屋敷の屋根に着き、軽やかに漆喰作りの蔵の錠を開ける


 目的の物を確保し、また屋根へと上り、走り去る。


 立ち去った後に盆提灯を持った見回りが蔵が開いている事に気付き、喧騒しだす


 ある義賊の仕業だと巷では有名


 時の鼠小僧となる前の話

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

城下町 椎名由騎 @shiinayosiki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ