和魂-003 恥ずべきモザイク

【概要】

 和魂-003は、シャドウピープルと呼称される影に類似した状態で存在する知性体です。


 Active SETI(能動的な地球外知的生命体探査)のために打ち上げられたボイジャー探査機のゴールデンレコードを一部解読、人類と交流する仲介者に当会を選定したとして、2006年█月█日に接触されました。


 和魂-003は不治の病の治療、永久機関の生成、未解決問題の回答、等人類にとって有用な能力を有しており、それを人類に譲渡する用意があるとしています。


 当会はホモ・サピエンスこそがボイジャーを打ち上げた人類であるとして交流を求めていますが、和魂-003は「全てが異なる外界の種と交流しようと試みるほどに進歩した生命が、ちっぽけな自分たちの価値観をそこに持ち込むほど愚かなわけがない」と述べて納得せず、現在も交流すべき人類を求めてさ迷っています。


 ボイジャーのゴールデンレコードに搭載されたホモ・サピエンスを示す図は、その前段階としてパイオニア探査機に搭載された人類の裸体図が猥褻であると批判されたため、人のシルエットのみに置き換えられた経緯があります。



【和魂-003】

 通常社会でシャドウピープルと呼称されたUMAのうち、六割以上は和魂-003であることが確認されている。

 いくつかシャドウピープルのものとされる特徴と似た生態を有するが、以下の点が一般には知られていない。


・SETI計画のボイジャー探査機との接触が来訪のきっかけとはしているが、いわゆる宇宙人ではないと述べる。その枠組み自体が小さいと主張し、あらゆる環境に存在可能で深海から宇宙空間にまで出現している。

・重力の影響を受けず、上空で目撃されたものはフライングヒューマノイドというUFOの一種と誤認されることもある。

・人間の居住地域では人影に紛れるため影に擬態することが多いが、立体化も可能で瞬間移動や分裂も統合もし、個別の存在か全体で一つかの区別はつかない。

・高度な知性を有し、あらゆる言語での対話が可能である。

・未知の高度な技術を持つ。それが科学的なものであるか特異能力であるかは不明だが、人類が用いれるようにもでき、用いれないようにもできる。



【████博士の見解】

 和魂-003の訴えを素直に解釈すれば、ボイジャーのゴールデンレコードに記されていた人のシルエットのみを人間の図だとする付近を解読したために、彼らは人類を自分たちと同等の影生命と認識。探し続けているということになるだろう。

 しかしゴールデンレコードには、シルエットではない人類の姿も多数収められている。知性にも差異はあるだろうが、対象の高度な技術を見るに、実は本当のことを知った上で宇宙に一部の人間の価値観を持ち込んだことに何らかの意見をすべく、ああした言動をとっている疑いもある。

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