屋敷に行く前に、前編
次の日
「よう、レオン!」
「ああ、ショウくん」
今日は二人でいろいろ話したいことがあるため二人きりで会ってもらった。
午前中にいろいろ話して、午後からはバンさんのところに行く予定になっている。
「で、聞きたいことなんだが」
「分かってるよ。トランプのことでしょ」
「ああ、そうだ。レオンはここの世界出身じゃないよな」
「まぁ、そうだね。でも君だってそうでしょ」
「ああ、でも俺のことに関してはもっと前に知ってたような口ぶりだな」
「じゃあ、その事も含めて少し話すよ」
そこからレオンの過去が語られた。
レオンは元々俺と同じ世界出身だったがその世界で死に、この世界に転生したらしい。
そして俺を知ったのは最初に行ったギルドの時らしい。俺が無属性魔法を使えるという騒ぎの時に、ギルドに居たらしい。
「でも、どうして俺が異世界出身って分かったんだ?」
「えっ! 神様に説明してもらってないの?」
「ああ、俺、異世界に行くマシンを作ってこっちに来たからそういうのないんだ」
「そうなのか……。君凄いね。——まぁ、それも説明しようか」
「ああ、頼む」
「えっとね。無属性魔法はここの世界の人たちには使えないらしいんだ。でも僕や、ショウくんみたいな異世界人は逆に無属性魔法しか使えないらしいんだ」
「ああ、なるほどそれで……。えっじゃあ今までの無属性魔法の使い手は全員、異世界人ってことか?」
「まあ、そうなるね」
凄い情報を聞いたな。……ああ、そうだまだ聞きたいことがあったんだった。
「なぁ、異世界転生と言えば転生特典がつきものだろ。何もらったんだ?」
「ああ、そんなものもあったね。僕は前の世界の体とできる限り同じにしてくれって頼んだんだ」
「へぇー。欲がないんだな」
「まあ、でも前の世界ってあり得ないほど寒かったからこっちの世界でも寒さが効かないようにして欲しかったのが一番かな」
え! ちょっとさっきおかしい言葉が聞こえたぞ……。
「なぁ、前の世界って寒かったのか?」
「うん、ショウくんは違うの?」
「俺の世界はめちゃくちゃ暑かったんだ。まぁそのおかげで今は火の魔法が効かないんだ」
「僕と真逆かー。でも文化は同じそうだよね」
「ああ、トランプとか両方知ってたしな」
「うーん。なんだか興味深いしもっと話していたいけど……」
「どうしたんだ?」
「時間がそろそろやばくない?」
そう言われて見てふと時計を見てみるともうそろそろ約束の時間だった。
「確かにな。じゃあ行くか!」
「うん、そうだね」
「シエラとマールも呼びに行かないといけないし」
「ああ、あの時一緒にいた子たちか。でも、昨日途中まで一緒に帰った時マールって子とは話せなかったんだよね。顔を動かしてるだけだったし」
「ああ、マールは人見知りだからしょうがないよ。俺と会った時もそうだった」
「へぇー意外だね」
「そうか? まぁだからそこまで気にしなくて良いよ」
「そっか……。なら気にしないでおくよ」
そんな会話をしながらシエラとマールを呼びに向かった。
そして、俺たちの泊まっている宿に来た。
「おーい。シエラ、マールそろそろ行くぞ」
「あ、ショウ……とレオンさん。まぁそれは良いとして。ちょっと手伝って」
「それは良いって……」
レオンが少し落ち込んでいた。まぁシエラってそう言う性格だしな。
「何を?」
「マールが行きたくないって言うの」
「なんで……って聞く必要もないか」
「えっ! なんで行きたくないって言ってるの」
「ああ、マールって人見知りって言っただろ? だから人が多い屋敷には行きたくないんだろうなって事」
「ああ、そう言う事」
「まあ、一回俺が話してみるよ」
「うん。お願い。マールもショウの言う事だったら聞いてくれると思うし」
俺はうなずき、マールが閉じ籠ってる部屋に入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます