ショウたちのプレゼン!

「では、そろそろ見せてもらおうか」

「はい。俺たちの作った物はこれです」


 俺たちは魔道具を取り出した。


「それは……靴か? だがただの靴ではなさそうだな」

「はい、この靴はいわゆる魔道具です。この靴を履いて靴に魔力を注ぐ感じで使ってもらえれば簡単に使えると思います」

「な! 魔道具だと……」

「ショウといったかしら。そんな簡単に魔道具ができる物じゃないのよ」

「これは笑いでもとりに来たか」

「いえ、大真面目です」


 真面目にそう答えると笑いと歓声が混ざったような声が聞こえた。

まぁバカにするのも分かるよ。魔道具が全然ない世界で魔道具を作ってきたんだからな。


「まあいい。続けてくれ」

「はい。そしてこの二つの靴のうち一つは足の速さが二倍になる魔道具です。もう一つは空が飛べるようになる魔道具です」

「「…………」」


(呆れられたかな)


 とは思ったが審査員の一人であるトールさんが興味を示した。


「本当なのだな」

「はい。まず実演してみせます。その後使ってもらえればわかると思います」


 そして、俺は足の速さが二倍になる靴、シエラは空を飛ぶ靴を履いて実演した。


「おおー!」

「本当に飛んでるぞ」

「まじなのか? あいつの言ってること」


 などと様々な声が飛び交う。


「静かに!」


 その一声で会場が静かになった。


「俺たちも使っていいんだな」

「はいどうぞ」

「でも靴のサイズはどうするのかしら」

「それも履けばその人に合うように伸び縮みするようになっています」


 そこでまた少し会場がざわつき始めるが、もう知らないフリをしておこう。


「キャー! これすごいわよ! バン」

「ああ、確かに凄い! こんなに早く動いたのは初めてだ!」

「うう、俺も早く使いたい」


 最初はルーシィさんが空を飛ぶ靴を、トールさんが足が早くなる靴を履いた。バンさんはとても使いたそうにしている。

 それから、少し時間が経った。


「ああ、忘れていた。審査員だったな」

「あら本当」

「これを見たら、しょうがねーよな」


 そして満足したのか三人は席に戻り得点を発表した。


「「「十点!」」」

「やった。やったよ! ショウ」

「ああ、そうだな!」


 こっちには来てないマールの方を見てみると、とても喜んでいた。とても嬉しいな。

 全員納得の満点で俺たちは物作り大を優勝できた。

 そして表彰式の時間となった。俺たちだけではなくレオンも表彰される事になった。


「いやー凄いね。ショウくん。まさか魔道具を作ってくるとは思わなかったよ」

「いやいや、レオンこそ。トランプを知ってるなんて。また後から話せないか?」

「うん別にいいよ」


 表彰式の前に少しだけ話約束をすることができた。


「ショウ=トリイ、シエラ=クエナ、この二人の作った魔道具が一位だ。前々から言っていた家、それにお金はまた後からちゃんとした契約書にサインしてもらう事にする。それでいいな」

「はい!」

「そして、レオン!」

「はい!」

「ショウたちには劣るがレオンもとてもいい物を作ってくれた。家は無理だが多少のお金は付与する予定だ。レオンも後から契約書にサインしてもらう事でいいか?」

「はい、それで大丈夫です」

 

 二組に授与する物を決めて物作り大会は終了した。

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