防衛戦
「さあ着いたぞエル村」
「次こそは成功させないとね」
「ああ、そうだな」
そんな会話をしながら村長さんの家に向かった。
「すいませーん。依頼を見てきましたー」
「おやおや、よくいらっしゃいました冒険者さん、どうぞこちらに」
「はい、ありがとうございます」
俺たちは椅子に腰を掛けた。するとマールが
「それで、どうしてこんな依頼をしたのでしょうか」
と聞いた。
「それがですねー最近夜になると何者かに畑が荒らされてるんですよ。それで我々が見てみると何かが村を彷徨ってたんですよ。だから心配で」
「なるほど」
俺は話を聞き一つ案を思いついた。案と言ってもありきたりな物だが。
「じゃあ、普通にその何かが来るまで待機でいいかな?」
「うん、いいわよ」
「はい、わかりました」
「では、村長さんもそれでいいですか?」
「ええもちろん。やりたいようにやって下さい。家屋に被害が出なかったら大丈夫なので」
「はい、わかりました」
そういう事になり俺たちは夜になるまで待つ事になった。
待つ事になったと言っても暇なので夜に備えて色々準備をしていた。そして夜が来た。
「さあ夜が来たわよー。ショウ、マール準備はいい?」
「おう、当たり前だ」
「うん、いつでもいいよ」
少し隠れて様子を見てみると本当に何者かが現れた。
「マール支援を頼む」
「分かりました」
そうマールはエマさんの家で支援魔法を少し覚えていた。風魔法を使った素早さを上げる魔法などの応用の魔法だ。
「行くぞ。じゃあ作戦通りに」
「はい」
俺とマールは同じところに隠れているがシエラには違うところで作業をして貰っている。それが完成すればやりやすくはなるはずだ。
「はぁぁー」
エマさんに特訓してもらっている時に気づいたが俺やシエラ、マールは無詠唱で魔法が使えるらしい。
マールの魔法と俺の魔法が加わり全ステータスは格段に上がっているはずだ。
俺はその何かに切り掛かった。少しダメージを受けた様でよろついた。
その何かとはウルフと呼ばれる魔物の上位版ビーストウルフだった。
大体の魔物はエマさんに倒し方を教えて貰った。
「ウルフ系統は素早いが攻撃力は低い。素早さになれれば倒せるだろう。だがビーストウルフは格段に強さが違うから気を付けろ」
と言われていた。ビーストウルフと分かった途端俺は剣に無属性魔法をエンチャントした。まだ少ししかできないが下級に分類される魔法はエンチャントできる様になった。
エンチャントするのはもちろん相手の動きを遅くする魔法だ。これもエマさんの家にいる時に教えて貰った。
「よし、相手も分かったしそろそろ本気で行くぞ。」
そう言い俺は剣を再び構えた。
今回の作戦についておさらいしておこう。
「さあ今回の作戦だが新しいことを早速活用しようと思う」
俺は今回の作戦内容をシエラとマール
に伝えた。
「俺とマールが村の端に何かをおびき寄せる。そしたらシエラが倒す。そんな感じで行く。まぁ、おおまかな作戦はこんな感じだ」
「ふうん、それで何とかなるの?」
シエラはそう聞いてきた。
「まぁ、取り敢えずやってみて出来なかったら新しい方法を考えるよ」
「わかったわ」
そんな話がありこの作戦を決めた。
「よし、じゃあ来い!」
俺がそういうとビーストウルフがこっちに向かってきた。そいつらに少し剣で傷を入れながら、シエラの方へ向かっていった。
そして着くとシエラが見えた。俺は言われた場所に向かって行くとビーストウルフも来ていた。
「今だ! シエラ!」
「わかったわ。はぁー」
俺が掛け声を出すと同時にシエラは魔法を唱えた。
「喰らいなさい! メテオ!」
そう言うと、隕石の様なものが降ってきた。これがシエラが覚えた火と土の混合魔術だ。
その掛け声がすると同時に、ビーストウルフに隕石が当たった。そして動かなくなり、魔石に変わった。
「やったな。シエラ成功だ」
「やったわね」
こんな感じで喜んでいるとマールが来て
「シエラ、ショウさんやりましたね。成功ですよ」
とマールも喜んだ。
その後は、村長さんたちにも感謝され報酬の他にも色々なものをもらうことが出来た。
「ショウさんたちこれをどうぞ」
「これは?」
「うちの村の名産品のリンゴです。あと他にもアイテム袋に詰めておきます」
「ありがとうございます」
アイテム袋とは物を入れても重さが変わらない魔道具のような袋だ。しかしこんなにも物をくれるなんてとても優しい村だった。
そして街に戻ってきた。まずはギルドで報酬を貰い魔石も売った。その時に少し良いことがあった。
「ビーストウルフを倒したのですか!?」
「ええ、まぁ。それがどうしたんですか?」
「ビーストウルフはDランク指定の魔物ですよ! それを倒すなんて……これはFからEランクに昇格ですよ!」
「本当ですか!」
嬉しい誤算だった。もちろんマールとシエラも
「やったわね」
「やりましたね」
「ああ」
「では冒険者プレートを貸してもらいますね」
「はい」
そこから冒険者プレートが戻ってくると白色から緑色になっていた。
「色が変わってるんですが?」
「言ってませんでしたか? ランクによってプレートの色が変わるんですよ」
「そうなんですかー」
なるほど初めて知った。まぁ別に良いか。
「あと、これは報酬と魔石分のお金です」
「ありがとうございます」
そのお金で新しい武器を買うことが出来た。俺は二刀流がしたかったから、もう一本新しい剣を買ったのだ。
シエラとマールも新しい服や防具を買うことが出来喜んでいた。
「ショウさんかっこいいです」
「本当ね。よく似合ってるわよ」
「はは、ありがと。シエラとマールもよくに合ってるよ」
「ありがとうございます」
「ありがと」
とまぁこんな感じで村編は終わりかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます