猫のよう

 用事があって僕は外出をしていて昼前に帰った。

 ただいまーと言ってもいるはずの李仁の声が聞こえない。


 どこにいる? と部屋を探すと窓際の日向に李仁が横たわってた。

 大丈夫か? 倒れたのか? 

「李仁っ、李仁」

 大きな体を揺さぶると李仁がンンッと起きた。なんだ、寝てたのか。

「おかえり」

「ただいま。寝るならソファーかベッドにしてよ。びっくりした」

「ここが暖かくて気持ち良いから横になってたんだよ」

 ヨガマットを敷いて寝てた李仁。確かに暖かくて気持ちいいけども。


 まだ眠たいのかタオルケットかぶって再び寝転がる李仁。まるで猫のよう。僕もタオルケットの中に入り込む。


 李仁はその中で寝返りを打ち、僕を抱きしめ、ゴロゴロイチャイチャ、チュッチュ。

 しまいには裸になって。


 結局はそうなっちゃうのね。いや、李仁の新たな戦略かもしれない、と彼の上で愛を感じたときに気づいたがその時には時すでに遅し、彼の罠にハマって溺れているのだ。

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