吊り橋

※吊り橋というお題で※


 地元の自然公園で散歩。今日はここでイベントがあるから来た。キッチンカーが勢揃いでどれを食べるか悩んでしまう。混み合ってるしまだお腹が減っていない僕らはとりあえず公園内を歩くことにした。


 少し歩くと吊り橋を見つけ、僕らははしゃいだ。すると先に歩いていた李仁が途中で足を止めた。足元を見るとかなりの高さで震えてしまう。ギシギシと揺れる吊り橋。

 彼は笑って

「ここで何か要求したらミナ君は断れないかしら」

 と言う。

 いやいつも君の要求は断れないが。


 さて今日は僕に何を?


「どうしよっかなー♡」

 わざと揺らす李仁。こ、怖いって!


「ふふふ。特に何も無し」

「脅かすなよ、おい渡るぞ」

「お腹すいたー」

「えー、今さっきお腹空かないから歩くって言わなかった?」

「ミナ君を食べたい♡」

「バカかっ」

「なんてね。キッチンカーのところ戻ろー」

「うん、気をつけて戻れよ」

 怖い、真ん中あたりまで来たからな。李仁も恐る恐る……歩いているが怖いのか?


 そうだ……。

「李仁、今夜……僕の思い通りにしてもいいか?」

 普段李仁のされるがままだ。たまには……。


「は?何言ってんの?さっさと行くわよ」

 と、急に普通に歩くから吊り橋がさらに揺れる。渡りきった後に後ろから抱きつかれた。


「いいわよ、好きなようにして♡こう言うところでしか言えないのね、可愛い♡」


 また思い立ったらこの吊り橋に来て要求してみようかな。なんちゃって。

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