第14話 夏織の日記 6月○日
一日が終わり、自分の部屋に戻ってくる。
明日着る服を用意して、スマホを充電機とつないで、机の前の椅子に座る。
今日も日記を書いて寝るだけになった。
一日お疲れ様、私。
孝太くんと話した結果、明日の朝からはお互いがこれまで起きてた時間に起きることにした。
私は「お弁当とかやらなきゃいけないし、起きるよ」って言ったんだけど。
孝太くんは「残り物とか勝手に詰めていいなら自分でできるから」って言ってくれた。
ごめん、朝弱くて……。
その代わり夜ご飯は頑張るからね。
あ、そうそう。
洗濯機も回すだけならやってくれるって言ってくれたからお願いした。
きっと朝起きたら洗濯物を干すだけでいい状態になってるんだろうな。
うーん、グッド!
……こうやって家事を役割分担していると、一緒に生活してるって感じがするな。
そうすると、私一人じゃないんだーって実感できる。
それにしても、妹がいなくなって初めて気がついた。
自分がここまでの寂しがりやだったって。
はあ。二十七にもなって、情けないぞ、私。
……ま、いいや! おかげで久しぶりに孝太くんに会えたし、今楽しいし!
よし、日記書いて寝よっかな。
ボールペン、ボールペン……っと。
”——
孝太くんのうちでの生活二日目が終わった。
少しはうちに慣れてくれたのかな。
今日は一緒にテレビを見てくれた。
そう言えばテレビなんて妹がいなくなってからほとんどつけなかった。
私ドラマとかあまり見ないし、バラエティ番組も一人で見ててもちょっと寂しいし。
だから、一緒にテレビ見て一緒に笑ってくれて本当に嬉しかったし楽しかったな。
やっぱり、孝太くんは昔と変わらず優しい子だった。
私が寝坊したことも気にしないって言ってくれたし、私が作る料理を美味しいって言って食べてくれる。
本当に優しいいい子。あの時から全然変わってない。
……いや、体は随分大きくなったか!
孝太くんももう十七の思春期高校生だもんね。
あれ?
じゃあいきなり抱きついたのはまずかったかも?
孝太くんの優しさが嬉しすぎて、思わずギュってしちゃったんだけど……。
孝太くん、彼女とかいないかな?
あ、でも怒られなかったし、大丈夫! ……かな?
……うーん。
私、まだ孝太くんのこと何にも知らないね。
明日色々聞いてみよ!
以上!
——”
よし、これで今日のやること終わり!
……ありゃ。日記のしおりがだいぶくたびれてる。
替え時かー。
何か代わりになる、いい感じの紙ないかな。
確か、この辺の引き出しに色々紙が入ってたかな……。
……お?
……おお!
これは……。
これはいいものを見つけてしまったぞ!
ふっふっふー!
今度孝太くんに見せてみよっと!
じゃあ、お休みなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。