第28話 みんな大好きなあれを作る

俺たちは冒険者ギルドで報告を済ませてカルロスさんのところに来た


「事情はわかりました…災難でしたね」


普段の倍くらい疲れたよもう…


「それでですね…捨てられたということなので奴隷ではなくなりますが…住む場所とかどうしますか?」


「私達の家に住めばいいんじゃないですか?」


「2人はそれでも大丈夫か?」


「私達は嬉しいですけどいいんですか…?」


「俺は大歓迎だよ」


「私も大歓迎ですよ!主様はすごく優しいので心配ないですよ」


優しいとか言われたら照れるわ


「決まりですね」


「あぁ、いろいろありがとな」


「いろいろとは?」


ニヤニヤしながらいいやがって

絶対にわかってるだろこいつ


「アイナのこととかさ」


「あぁ、その事ですか」


ニヤニヤしやがって…



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俺たちはカルロスの店を出た


「とりあえず服をどうにかするか…ボロボロになってるしな」


「いえ、私たちは大丈夫ですから…」


「そんなこと言わずにさ、女性なら服とか好きでしょ?ついでにアイナも買うか?」


「いいんですか!」


ぴょんぴょんはねて喜んでるよ


「ほら、あんなふうに喜べばいいのに…っていうかまだ自己紹介してなかったな、俺はシン、17歳でこっちがアイナだ、これからよろしくな」


「アイナといいます、17歳です。主様の奴隷です!」


「アイナさんも奴隷だったんですか!そんな風には全然見えないですが」


「俺は奴隷として扱う気はないからな~」


「主様はこういう人なんですよ、そのおかげで毎日がすごく楽しくなりました」


照れるからやめてくれ


「それでは私達も自己紹介を……私はクロエと言います、24歳です。こっちは私の娘のエリと言います」


「エリです!6さいです!」


元気があっていいな~、こっちまで元気になるよ


「主様ニヤニヤしすぎです…まさかそっちの趣味が…」


「ないよ!ただ元気でいいな~と思ってただけだから!っていうかそんなに顔に出てたか?」


「それはもう気持ち悪いくらいに…」


う"っ!アイナがだんだん遠慮なくなってきたぞ!

まぁ遠慮されなくなったのは嬉しいけど!


「よし!自己紹介も終わったし服だ!服!早く行くぞ」


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近くにあった服屋でそれぞれ自分の好きなものを選んでもらった

服って案外高いよね…

まぁそのおかげでみんなの笑顔が見れたしよしとしようか


エリちゃんに関してはお兄ちゃん!ありがとう!って太陽のような眩しい笑顔で言ってくれたよ!可愛すぎる!


俺たちは服を買い終わり家に帰宅した


「まずご飯だな!もう腹減りすぎて死にそう」


「そうですね、手伝います!」


「私も手伝います」


「クロエさんは座ってて!今日は2人の歓迎会だから」


「そこまでして頂かなくても…」


「いいからいいから!」


渋々といった感じだったが納得してくれた


今日は俺が大好きなものを作るぞ

多分みんなも喜んでくれるだろう


俺は空間魔法からあるものを取り出す。ちなみにこの空間魔法のものを出し入れする魔法はアイテムボックスって名前だった。


よし!今日は唐揚げを作るぞ!いつか作ろうと思ってたんだよ!


俺が少し前に市場で買ったロックバードというモンスターのお肉で作る。


まずお肉を食べやすい大きさに切る。そして醤油と酒、しょうが、ニンニクを入れて混ぜる。それにお肉を入れて揉み込むんで少し時間をおく。


次にかぼちゃのポタージュを作る。主食がどうしてもパンになるためこの方が食べやすいだろう。早く米を食べたい!


「アイナ、ポタージュを見ててくれ、俺は唐揚げを作るから」


「わかりました」


油の中にお肉を次々と入れていく


「アイナ、パンとポタージュを出しといてくれこっちももうできるから」


「はい」


いい色になってきた!それにいい匂いだ…この匂い懐かしいな…


「お待たせ!さっそく食べるか!」


「「いただきます!」」


「いただきます?」


「あぁ、これは俺の故郷で食べる前にしていたものなんだよ。手と手を合わせていただきますって言うんだ。食べ終わったあとはごちそうさまでしたって言うんだよ」


「そうなんですね、いただきます」


「いただきます!」


「おう!たっぷり食ってくれよ」


サクッサクッ


いい音だな


「主様!これもすごく美味しいです!」


「だろ!」


「本当に美味しいですね…こんな料理初めて食べました。売ればめちゃくちゃ人気出そうですね」


「……その手があったか!」


でも俺は料理をしたいわけじゃないしな~

あくまで趣味程度だからな。料理でお金を稼ぐのはやめとくか…


「そうだ!クロエ達が屋台出すのはどうだ?」


「いいですねそれ!」


「え…いいんですか?」


「俺はまぁ週一で掃除を手伝ってくれたらそれ以外は自由に過ごしてくれていいぞ、まぁここに住んでる間は掃除を手伝ってくれ」


「あの…なんで私達にそこまで優しくしてくれるんですか?今日初めてあったのに…」


「なんとなく?」


「主様はそこまで深く考えていないと思いますよ?なので気にしなくて大丈夫ですよ」


「クロエさん、後で唐揚げの作り方教えるね」


「ありがとうございます!!それで売り上げはどうすればいいんですか?」


「別に全部クロエさんが使ってくれてもいいよ?」


「さすがにそこまでして頂く訳にはいけません!」


「…なら売り上げの1割くれればいいよ」


「それでも少なすぎますよ!この料理にはそれ以上の価値があります!教えていただくんですから1割では少なすぎますよ!」


「じゃあ2割ね、これ以上は貰えないよ」


「それでも少なすぎますよ…」


「いいんだよ!そんなに気にすることないって」


「本当に…ありがとうございます…」


エリちゃんは頭の上に?を浮かべながら料理を食べている。可愛い


「よし!話もまとまったし冷める前に食べようぜ」


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