第27話 初耳学認定

翌日も依頼を受けて王都の外にいる


「アイナ!そっちに行ったぞ!」


「はい!」


俺たちは今、バジリスクという鳥とトカゲを合わせたようなBランクモンスターと戦闘中だった


「戦いづらいな…」


バジリスクは今まで戦ってきたゴブリンやオークよりも移動速度が速い、そのため魔法を当てるのが難しい。


俺とアイナは接近戦を得意としないため距離をとりながら戦っている


こうなったら全力で魔法を撃つか?でも周りに被害が出るよな……

ちょっとでも足止め出来たらいいんだか…

雷魔法でできないかな?ほら某人気マンガのサスケがやってたやつみたいな。

千鳥流しみたいに俺の周りに電気をビリビリっと放出させれないかな……


今まで魔力をためて撃つっていうイメージでしか使ってこなかったからやってみないとわかんないけど…


俺は周りに電気を放出させるイメージをする。


「お!なんかいけそうな気がするぞ、アイナ!少し離れてくれ」


「はい!」


俺はバジリスクが近づいてくるタイミングを見計らい魔法を使う。


よし!上手くいったぞ!

予想通り動きが止まった


「アイナ!今だ」


「はい!」


シュッ、グサッ!


「頭に刺さってるのにまだ死なないのかよ…」


俺はすぐに魔法をバジリスクに撃った


「ふぅー、やっと倒せたな」


「主様やりましたね!」


「あぁそうだな」


「ところで主様、さっきの魔法はなんですか?」


「あ~、あれは俺の故郷にあったものをイメージしたらなんかできた」


「また故郷ですか……っていうか今まで触れてなかったんですけど主様の魔法っていろいろ規格外ですよね…」


「そうなのか?他の魔法使いを見たことないからあんまりわからんな…」


「まず無詠唱をできる人そうそういないですよ…それに超級魔法並の威力がありますし…」


「おぉ…なんか知らない言葉がいっぱいでてきた」


「主様って魔法の事何も知らないんですね…」


なんか呆れた様子のアイナ、なんかごめん


「いいですか!まず普通は魔法を使うのに詠唱が必要なんです。そして魔法は初級、中級、上級、超級、に分かれます。属性魔法だとだいたいレベル3で中級魔法を覚えます。レベル6になると上級、レベル9になると超級を覚えます。」


「へ~」


勉強になるな~


「でも俺、レベル1のときからずっと同じ感じだよ?」


「なら主様は初級魔法のサンダーであの威力なんですか!」


「サンダー?雷魔法の中にもいろいろ種類があるのか?」


「はい……自分のステータスを詳しく見ようとすると出てきませんか?」


え?そうなの?初耳学認定しますよ


-雷魔法-

・サンダー

・サンダーショック

・ギガサンダー


千鳥流しはサンダーショックって名前だったのか…


「バジリスクも倒したしさっさと森から出ようぜ」


「そうですね、もうクタクタですよ私」


初めて苦戦したしな~

俺も疲れたわ


「腹減っt」


「助けてください!!」


森の奥から悲鳴に近い声が聞こえてきた


「なんだ?今の…」


「さぁ…助けてって聞こえませんでした」


「あぁ、行ってみるか?」


そう言って俺たちは声のした方に走る


「お前らはあいつらの餌になって時間を稼げばいいんだよ!」


「どうか助けてください!娘だけでも…お願いします!」


「おい!早く馬車を出せ!」


「あぁ!待ってください!」


小さな女の子とその親?がトレントというBランクの木のモンスターに襲われそうになっていた



「アイナ!あの2人を守っててくれ!俺はトレントをやる!」


「わかりました!」


「ギガサンダー!」


ドゴーン!


まだ倒れてないな…もう1発


「ギガサンダー!」


ドゴーン!


「主様!大丈夫ですか!」


「あぁなんともない、なんとなくギガサンダーって言ってみたけどなんかそれっぽくていいな!」


「…………そうですか」


そんな冷ややかな目で見なくてもいいじゃん


「それよりそっちの2人は大丈夫か?」


「はい、大丈夫ですよ」


ふぅ、助けれてよかった


「あの、ありがとうございます」


そう言いながら頭を深々と下げる親?それに続いて頭を下げる娘?


「いえいえ、助けられて良かったよ!

ひとつ聞いていいか?」


「はい、なんでも聞いてください」


「あの揉めてたヤツらはなんなんだ?」


「それは…私たちのご主人様です…」


ってことはこの2人奴隷なのか…

こんなに小さな子まで


「それで身代わりにされたてあの状況だったのか…」


「はい…」


「アイナ、こういう場合はどうしたらいいの?」


「さぁ…とりあえず王都に戻りましょう、カルロスさんに聞けばわかるんじゃないですか?」


それが1番だな


「それじゃあ帰るか、2人とも俺たちがいれば大丈夫だからついてきて」


そういうとまた深々と頭を下げられた

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