第23話 変なやつに絡まれた④

俺が修理代を払った後

ダーフィット=シュトラウベという者の使いが来た


「なぁアイナ、ダーフィット何とかって誰?」


「この王都の軍のトップの名前です」


「ってことはあのブタ野郎の親か…」


これは面倒なことになりそうだな…

貴族相手にどうするか…


「それでその、要件ってなんですか」


「家に連れてきて欲しいとの事です」


「それって断れないですか?」


「強制は出来ないですけど侯爵の誘いとなると…」


「そうだよな~、分かりました。いつですか?」


「今すぐにということです」


今すぐにって相当お怒りなのかもしれないな…


俺たちは使いの馬車に乗ってダーフィット何とかって人の家に向かった


「うわっ、でっけー家だな…」


「そうですね…」


俺たちは家のでかさに驚いた

さすが貴族様だな…


俺たちは客間に案内されて少し待って欲しいとの事だった


「な~、俺たち殺されないかな…」


「どうでしょう…」


「逃げ場ないな…どうする?」


俺たちは怯えながら来るのを待つ


「ガチャッ」


客間にブタ野郎と大男が来た。絶対にこの人がそうじゃん…


めっちゃ強そうだし……


「お父様!こいつらです!俺をいじめてきたのは」


やっぱりお父様ですか。

めちゃくちゃ睨んでるんですけど…

目元の傷もあって眼力だけで人を殺めることができそうだなこの人

なんかオーラみたいなものが見えるのは気のせいか?


ダーフィット=シュトラウベ

職業 剣士

Lv121

HP/12800

MP/6200

筋力/706

速さ/241

スキル

・剣術 Lv9

・身体強化魔法 Lv7

・魔法耐性 Lv7


なにこの人……怖い

これが軍のトップの力か…


「お父様!こいつを不敬罪で処刑にしましょう」


おいおい、いきなり処刑って…

マジでやばい状況になってきた


「黙れ!バカ息子!」


キーーーーン


どんなけ声でかいんだこの人!

耳がバカになるわ!


「お、お父様!どうしたんですか」


「お前のしたことは全部私の耳に入っている」


「そんな…証拠は消したはずなのに…」


「カルロスのやつに聞いたんだ」


カルロスさん、あんた何者?

軍のトップとお知り合いですか?

実はすごい人なのかもしれない


「俺はお前のことを高く評価していたんだがな…だから自由にさせてたんだがな…こうも問題を起こすとなると…カルロスを敵にまわすと厄介になるぞ」


あんた本当に何者?


「シンと言ったかな?」


「はい…」


「うちの息子が迷惑をかけた、すまん!」


え?どういうこと?謝られたんだけど…


俺とアイナはお互いに顔を見合った


「おい!こいつを部屋に閉じ込めておけ!部屋で反省してろ!」


「お父様!そんなやつの味方をするんですか!おい!離せこのやろう!」


ブタ野郎が強制連行されたようだ

ざまぁみろ


「それでなにかお詫びをしたいんだがなにか欲しいものはあるか?」


ん?おいおい、反省で終わり?それともあのことはこの人も知らないのか…?

アイナは…ずっと苦しんできたんだぞ…

だんだんと怒りが湧いてきた


「主様!私は大丈夫ですから…

今ここで言っても何も変わりませんから」


顔に出てたか…

まぁアイナがそれでいいなら俺が口を挟むことじゃないが…


「なにかあるのか?遠慮することはない」


「いえ!なんでもないです」


「そうか…それでなにか欲しいものはあるか?どんなものでもいいぞ」


欲しいものか…

うーん、家とか?

ダメもとで言ってみるか


「家とか…」


「家か…わかった、1週間くらい待ってくれ、準備ができたらまた使いのものを送る」


「ありがとうございます、あ!あと修理代も…」


修理代はしっかり払ってもらわないとな…


「あぁ、そうだったな、忘れていたよ」


うん、俺もさっきまで忘れてたよ…

危なかった


「アイナは欲しいものないのか?」


「うーん…ないですね」


「そうか、なら俺たちはもう行くよ」


「そうか、本当に迷惑をかけた、特にアイナさんには…すまん」




――――――――――――――――――


「なんかいい人そうだったな」


「そうですね、最初はびっくりしましたけど」


「それにしても良かったのか?」


「正直許せませんよ…でも今は主様がいますから大丈夫です!」


うぅ…なんて優しいんだ

それにこの笑顔…守りたい

元気になって良かった


「やっぱりアイナは笑顔の方がいいな」


「!もぅいきなり…ずるいですよぅ…」


俯いてなにかブツブツ言っている


「なんか言ったか?」


「なんでもありません!主様のバカ!」


「なんだよいきなり」


「もう知りません!」


そう言って頬を膨らましている

でも俺に気を使わなくなってくれて嬉しいよ

ホントに良かったよ元気になって


あとカルロスにはお礼しないとな



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