第21話 変なやつに絡まれた②
「アイナ、あいつとはどういう関係なんだ?」
俺がそう聞くとうつむいたまま話し出した
「あの人は侯爵の、この王都の軍のトップの息子なんです。私も元は貴族だったんですよ…あの人よりは階級は下ですけど…
それであいつにほぼ毎日言い寄られていました。それでも私は断りつづけているとお前の家族がどうなっても知らないからなと言われて…それで…私以外みんな殺されてしまいました。」
「あいつ!…なんで捕まったりしてないんだ」
「証拠がなかったんです……あの人がやったっていう証拠が。それで私はカルロスさんに拾われたんです。一応奴隷という形だったんですが…あの人はそれでもあきらめませんでした。カルロスさんは私に3000万Gという価値を付けてあの人に買われないようにしてくれました。それでもお金を集めて私を買おうとしました。あの人に買われるのは時間の問題だったんですよ。」
そんな理由で奴隷になっていたのか……
「それでカルロスさんに言われたんです、あの人に買われるくらいなら今来ているお客様、シンさんに買われてみませんか?シンさんなら絶対に守ってくれますよって。私すごく怖かったんです。それでも…カルロスさんの言うことなら信用できると思って…」
「それで俺が買ったと…あんな俺に得しかない条件だったのはそれが理由か…」
カルロスに騙されたみたいでなんかな~、でも俺もあんな奴に買われるくらいならそうしただろうな。実際俺もアイナを見捨てるつもりないし
「まあ心配する必要ないよ!俺が何としてでも守るから」
そういうと今までずっと我慢していたのだろう。綺麗な瞳から大粒の涙が流れ始めた
「わたし…めいわくじゃないですか?」
「ああ」
「わたし…一緒にいていいんですか」
「もちろん」
俺はアイナを抱きしめた
ずっと一人で我慢してたんだろうな
俺はあいつに殺意がわいてきた
何があってもアイナを守ると心の中で誓った
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