第19話 アイナと夜

「それじゃあアイナの部屋撮ってくるからここでちょっと待ってて」


「私は同じ部屋でも構いませんよ」


「え…それはまずいんじゃないか?」


「そんなことないですよ!逆に奴隷に部屋を与える方がおかしいですよ」


いや、まぁ普通はそんなんだろうけどな…


「俺は少なくとも奴隷としてアイナを扱うことは無いけどな…」


「…まぁ私は主様に従いますよ」


「いや、自分の意見を言って欲しいんだけどな…」


「それなら同じ部屋でお願いします!」


おぉ、アイナさん?顔が近すぎますよ?

なんかいい匂いするな…

ってなんで!女の人って男と同じ部屋とか普通嫌じゃないのか?


「ホントにいいのか?」


「はい!」


そんな眩しい笑顔でいわれたらこっちも断れないな…


「それじゃあ…部屋に行くか…」


やばい!なんか知らないけど緊張してきた。

別にやましい事とかないのに!こんな可愛い子と同じ部屋で過ごすとなるとな…


「それじゃあ、仕事内容を伝えるけど今大丈夫?」


「はい!いつでも大丈夫です」


すっごくいい笑顔。癒されるわー


「って言ってもなんにも考えてないからな…とりあえず客引きかな…」


「え…それだけですか?」


アイナがキョトンとした様子で聞いてくる


「うん、それだけなんだけど…なんかまずかった?」


「いや、思ったよりも仕事が少なくて…もっとあるじゃないですか!家事をしてくれ!とか」


「家事は自分でもできるからな…」


「…それに夜の方とかも」


アイナ小さい声でなにか言ったけど聞こえなかったな


「ん?ごめん聞こえなかったからもう1回言ってくれ」


アイナがモジモジしだした。なんか顔も赤いし…可愛いなおい!


「だから!夜の営みです!」


おいおいおい、いきなり何言ってんの?!アイナさん


「いやいやいや、そんなこと頼まないよ?ほら、無理やりは良くないじゃん?ね?」


自分でも顔が熱くなるのが分かる


「私は…主様なら…い…ですよ」


よく聞こえなかったけどずっと下を向いて顔も赤いしやっぱり嫌なんじゃないか


「まぁとりあえず今は客引きだけでいいから!もう夜も遅いし寝ようか!」


「そうですね…それじゃあ私は床で寝ますね」


「いやいやいや、アイナはベット使ってくれ」


「そんなことできませんよ!主様が使ってください!」


「いや、大丈夫だよ!俺は床でも寝れるし」


「奴隷がベットで主様が床で寝るのはおかしいですよ!私が床で寝ます!」


「だから奴隷として扱うつもりはないって!それにほら、俺ってさ、あれだよあれ、そう!前世が床だったから問題ないよ!床と友達!」


「ダメですよ!」


「いや、女の子が床で寝る方がダメだろ!」


「なら…2人でベットを使いましょう…」


モジモジしながらそう言う


「いや、それもダメだろ!」


「私と一緒に寝るのは…嫌ですか?」


上目遣いで恥じらいながらとか反則だよ

それに目がうるっとしている、男ならイチコロだよこんなの


「別に嫌ってわけじゃないけど…」


するとパァっと言う音が聞こえそうなすごくいい笑顔になった


「それなら一緒に寝ましょう!」


なんでそんなに俺と寝たいの?

俺はその夜、一睡も出来なかった…





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