第15話 旅立ち②

俺は荷馬車の後ろを歩いている。護衛の最中だ。


「そろそろ休憩にしましょうか」


商人がそう声をかけると他の冒険者も休憩に入る。

彼らはBランクパーティーの冒険者でベテランさんだった。

手際よく食事の準備をしている。


「俺も食事にするか」


俺は空間魔法から魔法コンロを出す。

これは魔力を注ぐと火がつく。お値段なんと20万G。正直買うか迷ったけど食事は大事ということで買った。

俺はオークの肉を塩コショウで味付けして食べる。

焼肉のタレとかあったら便利なのにな…

自分で作れないかな?そのうち試してみるか

あと米も欲しいな、米はこれから行く国に売っているらしい。米があるからこの国に決めたと行っても過言ではない。


「ふ~、食った食った。食休みでもするか」


30分くらい休憩できた。俺はまた荷馬車の後ろを歩いている。


「前からハウンドウルフが来るぞ!戦闘準備をしろ!」


俺は戦闘態勢に入る。ハウンドウルフはDランクモンスター。

油断しなかったら問題なく倒せる。

数は5体


「俺たちは前に出る。お前はここに残って荷馬車を守ってくれ!」


「分かりました!」


そう言ってハウンドウルフを次々と倒す。

俺の出番はなかった…


「すまんな、1人で荷馬車守らせちまって。もしもの事を考えると1人はいた方がいいから自然とあんたになっちまって…」


「いえいえ、気にしないでください。そちらもパーティーで動いた方がやりやすいでしょうし」


「そう言って貰えると助かるよ、ありがとう」


その後は何事もなく1日が終わった。

俺たちは見張り番を交代しながら朝を待った


「それじゃあ今日もお願いします」


商人がそう言って荷馬車を走らす

商人が言うには予定より早く着きそうなんだとか。

あと2日くらいで着きそうなペースだそうだ


3時間くらい進んだときに草むらから人が出てきた。10人くらいいる


「止まれ!大人しく荷馬車を渡せば命だけは見逃してやるよ」


「盗賊だ!戦闘態勢に入れ!」


「お前らー!荷馬車を奪えー!」


「「ヒャッハー」」


盗賊たちは武器を持ってこちらに向かってくる


俺は雷魔法を少し放つ

前に全力で魔力を込めて打ったら大変なことになった。同じ過ちはしない主義だ


雷魔法を同時に2発放ち盗賊2人を無力化する。ナイフを持ち目の前の敵に斬り掛かる。

俺が3人倒し終わった頃他の盗賊も他のみんなが倒し終わっていた。さすがBランクパーティーだ。3人なのにすごいな…一人一人が実力者だなと実感した


「よし、こいつらは縄で縛ってギルドに引き渡すか」


まぁ殺す必要も無いしな

俺たちは盗賊を縄で縛って拘束する。


その後は何事もなく国に着いた


「護衛ありがとうございました」


そう言って依頼書にサインをしていた

サインをもらってようやく護衛依頼は終わりだ

俺とBランクパーティーの人たちは冒険者ギルドに向かった


「それでは依頼達成料の5万Gです。それとハウンドウルフの3万Gと盗賊の引渡し料の3万Gをお受け取りください。」


「ありがとう、それじゃああんたには半分だな」


「え?こんなにも貰えませんよ!ほとんど役にたってなかったですし…」


「いや、充分役に立ってたよ。受け取ってくれ」


「そうですか?ありがとうございます。」


「おう!それじゃあな」


そう言ってギルドを出ていった

いい人達だったな


俺はさっきの受付の人にオススメの宿を聞くことにした。

耳が尖っていて綺麗な金色の髪にすごく目立つ胸、なんかいい匂いもする。

エルフはこの世界では寿命が長いことで知られている。人間の10倍くらい生きるらしい。


ステラさんと言うらしい


俺は宿に向かった。とりあえず10日分の宿代を払った。


「とりあえず、やることは変わらないかな…」



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