第2話 新しい町

とりあえず服をどうにかしよう、そう思った。

さっきからすれ違う人々が物珍しそうな目で俺を見てくる。

そう、制服を着ている俺はめちゃくちゃ目立っていた。

でも金がないだろって?俺を城の外へ放り出した兵士が少し金をくれた。

案外優しかった。

このあたりにあるお店などを簡単にだが教えてくれ正直助かった。

あとこの世界のお金の単位はGらしい。

ゴ〇ブリじゃないぞ?ゴールドだ。考えてみろ、お値段1000Gです、って言われてゴキ〇リ出したくないだろ。

あと1G=1円だそうだ。これなら問題ないなと思った。

そんなことを考えていると服屋についた。


「いらっしゃいませ~」


奥のほうから女性の声が聞こえた。


「すいません、2着くらい俺にあう服を選んでくれませんか?ファッションセンスがないんで...」


「わかりました~」


とりあえずこの国のファッションがわからないから選んでもらうことにした。

10分くらい待っていた。お金を払い買った服に着替えて店をでた。


俺は待っている間に今後について考えていた。

とりあえずここを出て他の町に行こうと考えている。理由はスクールカースト上位グループに会いたくないからだ。会ったら笑い者にされるのがオチだしな……

この世界の移動手段は主に徒歩か馬車だそうだ。もといた世界はすごい便利だったなとつくづく実感した。


ここから出ている馬車は2つあった。

『キルティエ行き』

『アカヘイム行き』


「どっちに行こうかな…」

そうボソッと口にすると


「よう、あんちゃん、迷ってんならアカヘイムをおすすめするぜ。そこは港町でな魚が有名だ、それにあんちゃん、職を探してんじゃねーのか?」


「なぜ俺が職を探しているように見える」


「勘だよ…俺の勘はよく当たるぞ」


「…まあその通りだ」


「おー、初めて俺の勘が当たったぜ~」


「おい、今なんて言った」


「いや~、このやり取り一回してみたかったんだよな~。まあそんなに怒んなや」

そう言って俺の肩をたたく

なんだこのおっさん酔っ払いか?


「別に怒ってない…それで職を探してたらなんでアカヘイムなんだ?」


「それはな、冒険者業が盛んなんだよ。あんちゃんがどんなスキルを持ってるか知らねーけどな。冒険者になってもいいし、冒険者が多いから生産職もそれなりに儲かるらしいぜ。」


「なるほどな…ありがとう、アカヘイムに行ってみるよ。」


「おう、なら俺の馬車に乗ってけよ、もうすぐ出発の時間だからちょうどいい。ちょっとサービスするぞ?」


「あんた御者だったのか、ただのめんどくさいおっさんかと思ったよ」


「おい!まあいい、はやく乗れ」


ここからアカヘイムまで3時間くらいかかるらしい。

その間、自分のことを調べることにした。


児島 真 『巻き込まれた異世界人』

職業 無職

Lv1

HP/50

MP/1000

筋力/60

速さ/30

スキル

・雷魔法 Lv1

・鍛冶 Lv1

・鑑定 Lv1

・空間魔法 Lv1

・言語理解 LvMax


いろいろツッコミどころあるステータスだな…

なんで無職なんだろうな…それにMPが異常に高い

スキルについてはよくラノベとか読んでいたから理解できた。

鑑定スキル使えるかな…試してみるか

でもどうやって使うのだろうか。まずは鑑定を調べることにした。

頭の中で思い浮かべたら鑑定の説明が出てきた。


-鑑定-

対象のあらゆる情報を見ることができる


まあ予想通りだな

ステータスを見るとMPが10減っていた。一回で10消費するのか…これだけじゃ消費が激しいのかわからんな。まあそのうちそれも調べよう。


他のスキルも予想通りだった。空間魔法はゲームでいうとアイテムボックスだった。これは便利なスキルだからうれしい。Lvが上がるとどうなるんだろうな…


無職も調べられるんだろうか…

おぉ、出てきた


-無職-

……早く職業を見つけよう。頑張れ


鑑定スキルに励まされたんだか…

でも職業が見つかったら無職じゃなくなるのか?なんてことを疑問に思った。

ん?まだ説明が書いてあるな。


(他の人より成長速度が早い)


なんで無職が成長速度早いのかは謎だが無職も案外捨てたもんじゃないのか?とも思った。


そうこうしているうちにアカヘイムの町が見えてきた。


「デカイな…」


その言葉しか出てこなかった。

町の中に入ると鎧やローブを着たいかにも冒険者みたいな格好をしている人達で賑わっていた。


「じゃあな、あんちゃん。頑張れよ」


「ああ、ありがとう」


そう言って俺は町の中を歩き出した。

この町で俺の新しい生活が始まる。そう思うとワクワクしてきた。


「ぐーーーーーーーーーーーーーー」

賑やかな町の中にお腹の虫がないた。

誰にも聞こえてなくて良かった


「…まずは腹ごしらえからだな」

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