踏切

下校路の途中、1つ踏切があった

汽車はせいぜい1時間に1回ほどしか通らないのだが、私が下校するのを待っている様に、私が踏切を通るタイミングで汽車もやって来るのだった


黄色と黒色は警告色なのだろうが、木々花々の緑にやけに馴染んでいて

その踏切は昔からそこに生えているものだという気さえした

兎に角その風景がすきだった


私が学校から坂を降りてくると、二本の遮断桿は丁寧に90度のお辞儀をするのだ

私は、今日一日の出来事をべらべらと話す、踏切はうんうんと返事をする


他所の人が見たらきっと頭のおかしいやつがいると思うに違いない


汽車が通り過ぎる、私はまた明日と言う

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る