雑記

深花

晩夏

僕は今日の心の色も分からぬまま、夕の暮れをただ待っている


初夏の風が言を掃いて、弔辞の蟻も啼いた

花が咲いて、僕は水を撒いた


19歳にもなって、今更、花というものに興味が湧いたので

百日紅、葵、向日葵、鬼百合、どくだみ、名前も知らない花たちを

取り合わせの良し悪しとか場の不相応とかは気にしないでありったけ挿した


蜩が泣いていた

彼らの寿命を思えば鬱陶しさは感じなかった


僕はいつ死ぬのだろうと思った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る