第15話

 俺は、白鷺の家に走った。

 家と電話番号だけは、ずっと前から知っている。中学校のころから、俺は白鷺と一緒に帰ることが何度もあった。だから、知っていた。

「白鷺!!」

 俺は、白鷺の家のチャイムを連打した。

 そして、出てきたのは白鷺の父親だった。

「……」

 俺は、後ろに下がった。

 白鷺の父親は、無表情で、表情が読めなくて、怖いのだ。正直、人間というよりも高性能なロボットと言われたほうが納得できる。

「ええっと……白鷺さんいますか?」

「いる……」

 人工知能みたいな返答に見えた。

 目が光ったように思えたが、それは気のせいと思っておく。俺の精神の安定のために。

「ただ……お前の相手はしたくないだろう」

 これは拒否されているな、と思った。

 白鷺の気持ちは、父親に心配されるほど不安定らしい。

「俺は、白鷺と話がしたくて」

「……時期を見てメールとかを使用したらどうだろうか?」

 ロボット親父は、わりと効率的なことを言った。

 いや、俺的には顔を見て伝えたいと思うのだが。

「わっ、わかりました」

 俺は、威圧感に負けてとぼとぼと帰っていった。

 別に負けたわけではい。負けた、わけではないからな!」

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