参議院選挙前に…日本の政治を考えてみた!

2022年7月の参院選が近づいているので、

今日は日本の政治について考察してみたいと思います。


日本の政治の一番の問題は何か?

ひと言で言うと【人材がいない】、これに尽きます。

与野党いずれにも言えるのは、官僚をコントロールできるだけの

知識、見識を持つ政治家が殆どいないという事。

官僚というのは、本来政治で決まった実務の実行部隊なのですが、

今の日本はこの実行部隊が全てを決めていると言って良いでしょう。

政治家は単なるお飾りに近い。


では何故政治家に人材が集まらないのか?

これも非常に単純な理由で、要は政治家という職業に

魅力が全くないから…なのですね。

才能、能力に溢れた人々がなりたがらない職種と化している訳です。


政治家という職業に魅力がない理由も、少し考えればわかります。

ひとつは待遇面。

政治家というのは、衆議院議員で4年、参議院議員で6年が任期ですが、

この間に貰える給与というのは、役職により差はありますが、

税込みで年間で1千5百万くらい。領収書の無用な議員経費等もありますから、

実際にはもう少し余裕があるはずですが、問題なのは、次の選挙に落ちてしまうと、

単なるフリーターと化してしまう事です。つまり落選したら、

その後何の保証もない。選挙費用も政党からの助成が多少あるとは言え、

かなりの部分が本人の持ち出しで、数千万単位の費用がかかります。

任期途中での解散もありますから、短い期間で次の選挙になる可能性もある。

職業として見ると、極めて不安定で、非常にリスクが高いのです。

ハイリスクローリターン。当選に必要な投資に見合う職業には見えません。


それと次は選挙制度。

小選挙区というのは、読んで字の如く、非常に小さく狭い選挙区で、

選挙を行うという事で、そうなると地元の有力者が有利になるに決まっています。

おらが町、おらが村の代表みたいな感覚で、国政選挙に投票する人が多いですから、

他所から来た新人の候補者は圧倒的に不利です。

日本の政治家に2世、3世議員が非常に多いのは、このせいなのですね。

親の七光りで議員になった様な政治家に、多くは期待出来ないでしょう。


それと比例代表制。

これは小選挙区では落選しそうな、政党の有力者がその地位を

維持する為にある制度なので、無能な老害が長く居座る原因になります。

大体、政治家には定年がありません。

この為、当選を重ねた70代、80代の長老の発言力が大きく、

50代を【鼻たれ小僧!】、なんて言ってしまう人がいるくらいです。

最先端の技術を統括する役所を管轄する大臣が、実は自分でPCを

操作した事がないとか、こんな人達が大勢いて、

自分が単なる御輿になっている事に全く気が付かない…。

長く権力の座に居座る事で、その内に特定の団体と癒着し、

その団体の利益誘導者になってしまう。今の自民党はこんな感じです。


そんな人達が跋扈しているドロドロした権力の魔窟に、

碌な保証もなく行く人なんているでしょうか?

若くて有能な人程、こんな阿保らしい世界に無理して行こうとはしないでしょう。

これが今の日本の政治の一番大きな問題点なのですね。


異常気象や戦争、資源を人質に取った恫喝、国境紛争等、今の世界の情勢は、

【複雑怪奇】ですが、これを上手く乗り切れる様な有能な政治家を国政に

送り込むには、こういう根本的な問題の解決をしなくてはなりません。

優れた人材が政治家にならないと、最終的に困るのは我々国民なのです。

政治に関心を持って、それを学び、何が問題点なのかを掴む。

投票側が分かり易い物価高や税金問題ばかりに関心を持っているだけでは、

根本の解決は難しい。


問題を解決するには、まず、

若い世代が政治家になりたくなる様な待遇、制度、教育が必要です。

政治家というのは、数が多ければ良いというものではなく、

有能な人が相応にいれば良いので、今の議員定数は半分にして、

費用が浮いた分、ひとりあたりの待遇を良くする。

国を想う有能な政治家には、それを支払うだけの価値が十分にあります。


仮に落選しても、次の選挙まで雌伏出来るくらいの待遇、

あるいは落選しても国の特定の機関に就職できるとかの特典を付ける。

議員年金も手厚く用意する。


政治家が減れば、その分、選挙区は広くなります。

選挙区が広くなればなる程、地元の有力者、

利益誘導型の政治家は当選し辛くなります。

比例代表などという生ぬるい敗者復活戦は止めて、

広い選挙区で堂々たる論戦を張って勝った政治家こそ、

国政を担う資格があると言えるでしょう。


もうひとつ、少子化の影響で、今の日本は60歳以上の高齢層の人口が、

18歳から40歳までの人口を大きく上回ります。

こうなると国政にどうしても高齢層の意見ばかりが通る様になる。

なので、世代間格差是正の制度を設け、例えば60歳以上になると、

1票の価値がそれ以外の世代に比べて60%とか70%とかになる様な、

標準偏差による補正をする。

老い先短い人間というものは、既得権益を失う事を怖れます。

全体を見た改革というものは中々出来ないでしょう。

故に政治家にも定年を設け、65歳を過ぎたら自動的に引退させます。


こういう政治改革を口にする政治家がひとりもいない日本の政治には、

本当にがっかりさせられるし、学校にはこうした政治学に関し、

討論型の議論を徹底的に行う様な場を、重要な必修科目として設けるべきでしょう。

それが将来、日本がより偉大な国になる為の布石だと思います。


選挙前日、街頭演説が行われる駅前に、

【デスラー総党】という名の政党の宣伝車がやって来て、

以上の様な内容を大声でぶちかました後、党首のデスラー総統自ら、

「ふっふっふ、日本国民の諸君。諸君らは豚だ!!」

なんて、大見え切ったら、私なんかは思わず投票しちゃいそう。


本来保守とは、【維持する為に改革する】という意味です。

現状に甘んじているだけでは、現状維持すら出来ない。

それ程この世界は厳しいのです。未来に発展を目指そうとするなら、

積極的な保守の行動を目指さなくてはなりません。


今週の日曜日はいよいよ投票日ですね。

さて、みなさんは誰に投票されるのでしょうか?

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