円安=財務省の陰謀説。
最近の急激な円安を懸念する声が日に日に高まっています。
円安は単純に輸入物価上昇に繋がりますので、輸入比率の高いエネルギー、
穀物や肥料関係の価格高騰が起これば、私達庶民の生活は間違いなく悪化します。
円安の最大の原因は、日本が他国に比べて非常に安い金利設定を
している為です。アメリカが利上げを繰り返す度に円安が進行して
いく事に、歯がゆい思いをしている方は多い事でしょう。
では、日本全体…日本株式会社として見た場合、この円安が
どの様な影響をもたらすのか、今日はそれについて考察してみます。
日本株式会社の2021年度の経常収支の黒字は、
約142憶US$…。1$約130円で計算すると約18兆円。
これは中国、ドイツに続く世界3位の額です。
経常収支は = 貿易収支 + サービス収支 + 第一次所得収支 + 第二次所得収支
であり、海外との貿易収支だけでなく、海外旅行や投資、特許収入等、
トータルの収支を表す数値です。企業の経常利益に相当するもので、
前年からは若干落ちたとは言え、コロナ渦中にこれだけの数字を
叩きだしているのは立派だと言えます。
今年、2022年は約半年が経過し、
財務省からは今年度末の経常収支の見込数字が発表されました。
その数字は19兆3千億円の黒字…約149憶US$であり、
2021年より大きくなる訳です。
経常収支は海外との取引額ですから、その取引の大半はUS$です。
故に円安が進むと、円換算での受取額は大幅に増える…。
つまり、日本から見れば為替レートで濡れ手に粟の大儲け…。
仮に今のレートが2019年頃の1US$=104円くらいだとすると、
2022年度の経常収支黒字は約15.5兆円くらい…差し引き3.8兆円少なくなります。
ウクライナ/ロシアの紛争と円安による輸入物価の高騰で、
貿易収支は赤字ですが、全体としては大きな黒字基調を維持する。
この場合は、円安が進むと円換算での受取額は増えますので、
日本株式会社としては大儲けになる訳です。
ちなみに、日本の2021年末の世界に対する債権総額は約411兆円。
前年から56兆円増加しています。ちなみにこの金額の計算レートは、
1US$=115円12銭。2位のドイツを100兆円以上引き離す、
ぶっちぎりの世界1、31年連続の世界1という、圧倒的な金額ですが、
これを現在のレート、1$=132円で計算すると…約471兆円。
債権というのは、要するに日本が世界の様々な国にお金を貸し付けている…
そう考えれば良いかと…。もちろんたんまり金利は頂きます。
日本はどんどん貧乏になっているという論調がマスコミでは主流ですが、
客観的に見ると、日本はどんどん豊かになっているのです。
シレッと儲けて、いやいや私なんかまだまだです…苦しいです…とか言いながら、
内心では【ぼちぼちでんなぁ~】。なんだ…圧倒的じゃないか!我々は!
【おい!待て、何かおかしい!これは孔明の罠だ!】
なんてどこかの国は思ってそう。
それにしてもこの巨額の利益はいったいどこに行っているのでしょう?
それが知りたいものですね…。
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