混乱の2022年に想う…。
コロナもまだ明けぬ2022年、
ロシアのウクライナ侵攻によって、
世界は更なる混乱の時代へと突入しました。
今回は、現時点で考えられる2022年の問題に関し、
考察してみたいと思います。
日本ではあまり知られていませんが、
ロシアは世界的に肥料及びその原料の輸出大国です。
肥料に使われる主要原料であるリン鉱石やカリウム、
特にカリウムはロシアの大手企業であるBCPが
世界シェアの約40%を握っています。
ロシアに対する経済制裁で、貿易決済が止まった事から、
その輸出が滞り、これを原因として、
現在世界的に肥料価格が急騰しています。
これらの肥料はトウモロコシや小麦、大豆、米などの穀物生産に必須なのですが、
アメリカのトウモロコシ農家の中には、今回の肥料価格の急騰で、
今年の作付を断念するところも出ているとか…。
アメリカ中西部の穀倉地帯は、ここ数年の日照りで水不足になり、
その生産量が減っていますが、これに肥料の高騰が追い打ちをかければ、
更に悲惨な状態になる事が予想されます。
地下水を馬鹿みたいにジャブジャブ汲み上げ続けた為、
地下水の枯渇も深刻みたいですね。
日本の肥料在庫も、今現在非常に厳しい状態になっているそうです。
穀物の生産が滞れば、穀物だけでなく、それを餌として食べる
牛や豚、鶏の飼料も高騰しますから、肉の価格にも影響が出ます。
またロシアとウクライナは、世界的な穀物輸出国であり、
この2国だけで、2021年に6,380万トンもの小麦を輸出しています。
世界の輸出シェアの3割近くをこの2国だけで占めているのですよ。
更に食料品の製造の過程で使われるエネルギー…
大半が原油からのものですが、ロシアはそれの輸出大国でもあります。
分業化の進んだ今日、世界は想像以上にロシアとウクライナに
依存しているのですね。
中国なんかはトウモロコシの輸入の3割をウクライナに
依存しているみたいなのですが、大丈夫なのでしょうか?
中国は膨大な人口を抱えている為、穀物の輸入大国です。
その量も半端ないものですが、代替輸入出来る先は、
アメリカかロシアくらいしかありません。
今年は食料品の価格が世界的に高騰する…。
食料安保という考え方が浸透しているとは思えない、
日本という国も厳しい状況になるでしょうね。
今回の紛争、コロナで受けた深刻なダメージを、
更に大きなものにするに違いありません。
どこの国も給料は上がらないのに、物価ばかりが高騰する…。
経済用語で言うところのスタグフレーションになる訳ですから、
生活必需品でない物の需要は大きく落込み、世界的な景気後退になるはずです。
第二次世界大戦の当時、戦いがあれ程長く続いたのは、
ひとつには、当時の世界が今ほどの分業体制にはなっておらず、
かなりの部分を自国で賄えたからなのですね。
しかし、今は当時と違い、世界はかなり極端な分業体制で回っています。
よってその分業を担う主要国が混乱に陥ってしまうと、
世界的に大きな問題を引き起こす。
今回の紛争を引き起こした張本人達は、
これらをどれくらいわかっていたのでしょうか?
物価の高騰で、貧しい国々の人達には、深刻な危機が訪れる事になります。
飢えや渇きに苦しむ人々が飛躍的に増えるでしょう。
アメリカ人やロシア人の大半はキリスト教徒のはずですが、
キリスト教とはこの様な事態を黙認するのでしょうか?
都合の良い時だけ宗教を持ちだすのか?なんて私は思ったりします。
またこうした事を殆ど報道しない日本のマスコミにも呆れます。
今の内に日持ちのする食材を備蓄して置く事は必要だと思います。
日本の場合、今の状況で大きな地震とかの自然災害が発生すると、
非常に深刻な事態に陥ると思いますが、
これに警鐘鳴らす報道には殆どお目にかかりません。
ガソリン価格の高騰くらいで済む様な問題ではない様に思うのですが…。
ついこの前、日本の船がスエズ運河で座礁し、行動不能になった為に、
物流が大混乱した事がありますが(今は殆どの人が
忘れているのではないでしょうか?)、
実はこのスエズ運河を管理するエジプトと、その隣国エチオピアが、
非常にきな臭くなってなってきている事を知る日本人は少ない…。
エジプトは古来、ナイルの賜物…と呼ばれた国ですが、
このナイル川の上流に位置するエチオピアが、
巨大なダムを建造し、ナイル川の水量を管理しようとしている…。
これがエジプトの逆鱗に触れているみたいです。
水という、国家の存亡を握る資源を他国に握られる…。
これがどれほどの影響を及ぼすか?想像すれば怖ろしい事です。
そうしてここで紛争が起きると、世界的な物流問題が再び発生する…。
この2022年という年は、今の所、明るい兆しが殆どない様に思います。
私達に出来る事は、必要な情報をしっかり集め、
危機に備える事。それしかないのです。
水と安全は只…そんな能天気でいられた日々を懐かしく思う様な
時代が近づいているのかもしれません。
皆さんは如何思われるでしょうか?
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