2021年夏…中国経済に関して考えてみた!
2021年は色々な意味で中国に変化が出て来ています。
なので、今日はそれについて書いてみたいと思います。
中国経済に関しては、今年既に様々な内容が発表されていますが、
今年の7月末までに出て来た大きなニュースは、
・海航集団(中国南部の財閥)破綻。国家管理へ…。
負債総額、日本円で約20兆円。
・紫光集団(中国国営系の半導体、電子系大手)破綻。同じく国家管理へ。
負債総額、日本円で約5兆円。
・恒大集団(中国の不動産大手)の銀行預金差押えが発生。
負債総額は日本円で約33兆円。
ここはまだ潰れてはいませんが、取引先の複数の銀行が
預金の差押えに走ったり、融資枠を絞ったりしている。
・その他のデフォルト(中国企業の社債不履行)の金額が、
過去最高だった2020年の年間日本円約2.7兆円を僅か6カ月で既に上回り、
2021年6月末の段階で、総額3兆円を超えた。
といったところでしょうか。
企業の破綻に伴う債務不履行が確定値だけで既に30兆円近くになり、
これに恒大集団が加わったりしたら60兆円を越え、
中国の国家予算の2/3近くの債務不履行が発生する事になります。
良く、大きすぎてあの会社は潰せない…的な話があったりしますが、
この場合、借金が多すぎて救えない…のではないかと。
あと、中国の地方政府の財政は、元々借金まみれで回っておらず、
上海を除くと全ての省が大幅な財政赤字に陥っています。
一部の省では6月に公務員に一旦支払ったボーナスを、
全額返還する様に指示が出たりして、これも話題になっていました。
更に7月から発生した洪水の影響も深刻です。河南省が特に酷かった様ですが、
ここは中国の有数の穀倉地帯で、小麦、米、トウモロコシの収穫に
深刻な影響が出ると見込まれています。
養豚場の豚さんも大変な数が溺死した様で、豚肉価格にも影響が出るとか…。
実は中国は世界最大の穀物消費国で、その消費量が莫大な事から、
中国国内が深刻な不作になると、世界中の穀物価格に
大きな影響を与える事は、日本ではあまり知られていません。
コロナの蔓延で世界的に労働力不足が深刻になっており
(移動制限やロックダウンするのですから当然ですよね?)、
一方、各国政府が多額の財政出動や現金給付を行った為、
消費が生産を上回って、世界全体がインフレになりつつあり、
特に資源価格、食料品価格がかなり高騰し始めています。
アメリカ南部の深刻な干ばつも影響を与えそう…。
ここはアメリカ最大の穀倉地帯です。
以前のひそひそ話、資本主義=詐欺論の中で述べた信用創造が、
中国では多額の債務不履行で危機を迎えており、
更に資源や食料品価格の高騰が追い打ちをかけると、
通貨の信任問題にまで発展するかも知れません。
その兆候は既に表れていて、今年、2021年上半期に中国政府が
認可した中国人のパスポートは、昨年、2020年上半期の発行数に対して、
何と98%減。何故って、外国に行くとお金を使いますよね。
そのお金は中国の元を外貨に両替して使う訳ですが、
これは中国からの外貨流出にあたります。
外貨が流出するとやばいから、外国に行けない様にしている
という訳らしいのです。
中国の元という通貨は、今は中国政府の介入によって、
その変動幅を抑えられています。
兌換紙幣としての信認のない元のコントロールには、
多額の外貨が必要になります。
しかし、多額の外貨建て債権のデフォルトが多発してくると、
外貨の調達に苦労するのではないでしょうか?
中国の保有しているアメリカ国債の金額は、
中国自体が負っている多額の外貨建て債務の金額に比べたら、雀の涙です。
以上は現時点で見えて来る、2021年夏の中国経済の姿です。
空母作ったり、他国の領土にちょっかい出している場合じゃない様に見えますが、
この国の指導層に事の真相がきちんと報告されているのか、疑問に感じます。
過去の歴史を遡ってみると、経済的に破綻する国というのは、
国債/債権等の金利>経済成長率の図式になっています。
中国で起債される外貨建ての債権の平均金利は、現在12~15%の水準。
対して、中国が公的に発表している経済成長の予測は6%近辺
(これも眉唾ものですが)なので、
中国は完全にこの図式に当てはまっている事になります。
経済の成長力より市場金利が高いと、
後はひたすら債務が積みあがっていくだけですから、
どこかで限界が訪れますが、
中国が元を刷っても外国から物の輸入は出来ません。
元が国際決済通貨としては認められていないからです。
支払いは基本US$でしなくてはならない。
資源価格、穀物価格の急騰と、国内の不作は、強烈なダブルパンチに
なるかもしれません。中国にとっては非常に痛いはず…。
今、世界はコロナによって深刻な打撃を受けていますが、
中国の経済崩壊が、それに更に大きな打撃を与えるかもしれません。
そして今年の夏の中国の状況は、
この実現が迫っている事を示している様に思えます。
中国の南京でも再びロックダウンが始まりました。
どうも南京空港で多数の感染者が出た様なのですが、
感染した人は、皆中国製のワクチンを既に2回接種し終えていたとの事。
中国製ワクチンは、どうもコロナのデルタ株には効かない様です。
コロナが再び拡大すれば、それは大きな経済損失を招くでしょう。
中国経済崩壊に備えると言っても、
個人で取れる防衛策は限られますが、
兎に角今の内に変な投資からは手を引き、
不測の事態が来ても大丈夫な様に、
保険をかけておく事が重要かもですね…。
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