TV業界の未来を考察してみた!

とっても久しぶりのひそひそ話更新です!


今日は昨今話題になっている、TV業界の未来に関して考えてみたいと思います。

まず、2020年、5年毎に行われる業界全般の調査報告書を見ると、

5年前に比べて、TVを見る人が激減している事がわかります。

特に10代、20代の若い世代にそれが顕著で、

10代では1日にTVに接する時間が、

ゼロから1時間以内という層が全体の5割を越えます。

TVの主要な視聴者は60代以上で、今やTVの視聴率を支えているのは、

現役を引退したシルバー世代という事になります。

殆どのテレビ会社は、新聞社を母体にしていますが、

新聞ではこの傾向がより一層顕著な様です。

道理で最近のCMは、やたら健康食品系が多いですよね。


結果当然ですが、視聴率低下によって広告収入は大きく伸び悩み、

各社とも営業利益が大幅な減益となっています。

フジTVのグループは、何年か前からそうですが、主要な収入源がTV事業ではなく、

不動産になっていたりとか…要は業界全体が凋落しているのですね。


若い世代はYoutubeの動画をスマホで見ているのでしょう。

YoutubeはVOD(ビデオ・オン・デマンド)方式なので、

見たい時に見たい場所で視聴できる事、そもそもコンテンツの量が

TVとは比較にならない程多い事、不特定多数に向けた動画よりも、

特定された分野に特化した内容で、マニア向けのものが多い等、

TVに比べて視聴者への訴求力が高いのは、誰の眼にも明らか。

今のままだと、TV業界は益々凋落していくでしょう。


ではTV業界が今後生き残るにはどうすれば良いのか?

私なりに考えてみたのですが、そのひとつは、

現在の垂れ流し式の放送に関しては、不特定多数向け主体の番組作りを改め、

Youtubeなどでは出来ない、独自の番組作りをする事でしょうね。

ニュース番組等、特定の分野に特化し、最新のもの、過去のもの含め、

それなりにお金と人を掛けて掘り下げると効果が出る分野を強化するのです。


現在の一般的なTVニュースの最大の問題は、

Youtube等でも見れる程度の内容以上ではない事でしょう。

その上、報道しない自由とかで、

特定の分野の重要ニュースを意識的にブロックしたり、

恣意的な誘導をしたりしている様なので、益々ダメダメです。

それ以外では、スポーツ、自然や歴史、学術に関する様なものが良いでしょうね。

こういった分野は人やお金を掛けると、

アマチュアには出来ないものが作れるはずですもの。

今の様な、不特定多数向けの番組ばかりをたれ流したのでは、

どうしても内容が薄くなって、情報量ではYoutubeには勝てません。

お笑い芸人が出て来る様な番組等は、ある意味誰にでも作れますから、

TV業界が力を入れる様な分野ではないと思います。

それこそYoutubeに任せれば良いかと。


その次は、それこそYoutubeの様なVOD式のネット市場に参入する事です。

この場合、Youtubeとまったく同じ事をしても、後発すぎて競争出来ないと

思われるので、Youtubeの問題点を突くようなやり方が必要です。

Youtubeの問題点とは何か…これは長所とも重なる諸刃の剣ですが、

それはチャンネル数が多すぎる事です。

毎日膨大な新規参入を抱えるYoutubeでは、参入障壁が低い為、

玉石混交になってしまい、優れたコンテンツが、

莫大なくだらないコンテンツに埋もれてしまうという現象が起きています。

そこで、事前にきちんとしたコンテンツの目利き…審査を行い、

あるレベルをクリアしたコンテンツのみ、アップさせるのですね。

そして、必要に応じて人的、資金的なバックアップも行う。

収入もYoutubeの様な、再生回数1回いくらとかではなく、

より安定的な収入源になる様にする。


莫大なコンテンツと新規参入を抱えるYoutube内で、

100万人を越える登録者を得る事は、今や至難の業です。

しかも、レベルが落ちるとすぐに見向きもされなくなる。

一時期Youtubeで、グロいコンテンツや、やり過ぎのコンテンツが

多数出回ったのは、再生回数を維持する事が非常に難しく、

多くの登録者を多く抱えるYoutuberが、

無理に無理を重ねた結果の様に思えます。

全ての評価を再生回数と登録者数のみで、機械的に判断する様なシステムは、

良質なコンテンツ創作という意味においては、マイナスにもなるのです。


カクヨムに参加している皆さんなら良くお分かりだと思いますが、

カクヨムでも★やPV数が多いからと言って、必ずしも良い作品ではないですよね。

今の日本のエンターテイメント市場、すなわち、TV番組、書籍、漫画、アニメ、

音楽、ゲーム、映画等は、あまりにも視聴者に媚びすぎている…。

これが最大の弱点だと思います。


かつて芥川龍之介は、『名作は読者に媚びない』

と著作で語っています。

昔の作家は、わかる人間がわかってくれれば良いと思っていたのでしょう。

馬鹿に媚びてまで文学が創れるか!とでも思っていたのかな?

それで生活出来たのだから、ある意味良い時代だったのかも。

今の時代に龍之介が生きていたとして、果たして世に出る事が

出来たでしょうか?


まあ、ここまで来るとかなりの極論ですが、目利きを放棄している

業界というのは、例外なく縮小していくのだと思います。

これが一番端的に現れているのは、私の所属している音楽業界で、

今やバンドらしいバンドなど、プロでは殆どいなくなってしまいました。

ミュージーやクレオフーガと言った、アマチュアの楽曲を何十万曲も

無料でダウンロードできるサイトもありましたが、

これらのサイトはここ数年で全て閉鎖されています。

悪貨が良貨を駆逐する…ろくでもない駄曲だらけになったサイトに、

視聴者が愛想つかした結果です。今や業界ではダンスや映像とライブを

組合せないと、お金が稼げないというのが定説ですが、

これは本質的に間違いです。だって、かつてビートルズやクィーンは、

ライブ活動なしでも、レコードの販売のみで、

十分な収益をあげていたではありませんか!

それは音楽そのものに、視聴者の期待を裏切らない感動があったからです。


目利きを止めて、特定の指標、再生回数とか、登録者数とか、

そういうもので機械的に判断するのは、確かに楽で効率的です。

ですが、結局のところ、あらゆるコンテンツで一番大事なのは、

その【質】なのです。

私達は量を求めているのではない。

求めているのは本物の感動や感激なのです。

これを本質的に理解した企業から持ち直していくのではないか?

私はそんな風に想うのです。

そしてそれが出来ない企業は、凋落していくだけ…。

これから20年後に残っているTV局は、どこなのでしょうね?


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