バンドの運営とリーダーシップについて想う…。

今日はバンドの運営とリーダー論を語ってみたいと思います。

私自身が色々苦労している事なので、結構リアルかも。

あと、多分に独断と偏見も混じるかと思うので、

そのあたりは平に御容赦を…。


通常のバンド編成は4人~5人というのが一般的です。

学校の友達とバンドを組むケース、ネットや雑誌やスタジオでメンバーを

募るケース、集め方は様々ですが、少人数であれ、

これは『特定の目的の実現』の為に作られたチームなので、

その目的を達成する為に意見の集約が必要です。

リーダーシップとは集団の意見を集約し、それを実現する為の手段を考えて

実行し、目標を達成する行為の事です。バンドも普通は

誰かリーダー的な役割をする人が居て、取り纏めをしますよね。


さて、バンドが結成された際、リーダーとなる人は、

最初に次の事を考えなくてはなりません。


1.そのバンドの目標(音楽の方向性やスタイル、目標を何処に置くか等)。

2.目標を達成する為の手段として、メンバーにどの程度の水準を求めるか?


1.の目標の設定は重要な物です。まずその目標に共感するかどうかが

メンバー集めの重要な要素になるからです。

×××やりたい人この指とまれ!って訳ですね。


2.はある程度高い目標を掲げる場合に必要で、Voのルックスから歌唱力、

楽器隊の演奏技術水準に対してどの程度のレベルを求めるかです。

技術水準の高い人とやる為には、当然自分もある程度の水準が

なければなりません。


1.の場合、簡単なコピーバンドを学生仲間でやるぶんには、

そう難易度は高くありません。

目標も何処かお手軽なライブハウスとか、学園祭に出演すると言うのなら、

まあ少し時間を掛ければなんとかなります。

ただ、こういうレベルを超えて、一歩先に進んで行こうとすると、

中々難しくなってきます。コピーバンドが良いオリジナルバンドに

脱皮していくのは、実はあまり容易な事ではないからです。


皆さんがコピーしている曲は、多くはある程度耳の肥えた人達が、

沢山の音源の中から厳選した物です。

駆け出しのアマチュアが思いつきで作った曲が、

いきなりそんなレベルに簡単に達すると思いますか??


多くのバンドはここで各自の音楽的な違いが表面化して分解します。

若年層のアマチュアバンドの寿命は多くの場合、1年未満なのです。


なぜこんな事が起きるのかと言うと、早い話が『ない物ねだり』です。


具体的には

1.曲作りを全て誰かに押し付ける。

2.その曲を禄に推敲もしないで批判する。

3.そんな曲やるよりコピー曲をやりたいとか言ったりする。


オリジナル曲を自分で作り、バンドでやった事がある人なら分かるはずですが、

オリジナル曲を一から全て作り上げるのは、その出来如何に関わらず、

大変なエネルギーを必要とします。なので、もしメンバーであるあなたが、

そのバンドに将来性を感じているのであれば、仮に自分の感性から

多少外れていたとしても、チームの一員として協力するのは当然の事です。

この曲くだらないなんて、絶対そんな一言を言ってはいけません。

『ここはこうしたらもっと良くなるんじゃないかな?』とか、

『私もこんな曲を作って来たんだけど、やってみましょうか??』等、

前向きの反応や努力をしていかないと、チームとしては駄目なのですね。


要するに『自分の出来ない事に対して、単純な批判はしない』

これが大事です。そしてリーダーはこういう事を理解した上でチームを

纏めなくてはなりません。こういう部分は仕事も同じです。

実績も上げないで他人を批判ばかりしていれば、

その内無視されて左遷されるのがオチです。

『あなたがやってから文句を言いなさい』

社会に出たての新人なら誰でも言われる事ですね。


それからバンド内の士気を高く維持する為の努力も必要です。

多くの場合、そもそも結成して日の浅いバンドは、

メンバーやる気にかなり落差があるのが普通です。

この場合、とにかく技術の向上や新曲の制作を積極的に行なうと同時に、

具体的な目標とそのタイムスケジュールを作る事が大事です。


具体的には、

1.いつ、何処でライブをやるか、ブッキングのスケジュールを明確にする。

2.いついつまでにXX曲のデモ音源を作って、

XXオーディションやXXライブハウスに応募する。

これを数ヶ月タームで明確にして、実行していく事です。


メンバーは当然これに協力していく事が必要です。

練習にはきちんと出る、個人練習はきちんとやる、それなりに他のメンバーにも

気をつかい、雰囲気を明るくする努力をする、チケットの販売も一生懸命やる。

マンネリを避ける為に曲を一生懸命作る。練習のスケジュールを他に優先する。

各メンバーの練習スケジュールの調整に苦労しているリーダーは

意外と多いはずですが、週に1回半日程度の時間の調整に苦労する様なバンドに

明るい未来はありません。そもそもそんな時間すら調整しないメンバーは、

バンドに入れるべきではないでしょう。

バンドのHPの制作や更新も必要です。これもメンバーの協力が不可欠です。

時にはみんなで集まって、食事をしたりお酒を飲むのも大事です。

将来の夢を語らないバンドなんて、つまらないものなのです…。


さて、どうでしょうか?バンドは真面目な向上に取り組むと、

やるべき事は沢山あって、結構泥臭くて大変な物なのです。

こういう外部からは見えない努力の結集が偉大なバンドへの

道であって、それは決して平坦な物ではありません。

特にリーダーにかかるプレッシャーは相当な物です。


どの様なチームにおいても、リーダーには良き人格と実行力が求められます。

簡単に崩壊するバンドが多いと言う事は、ある意味、優れたリーダーシップの

持ち主はそんなにいないという事の裏返しでもあります。

リーダーじゃないから適当で良いなんて事にはもちろんなりません。

何もかもリーダーに押し付け、批判ばかりしているようなタイプの人は、

バンドマンとして大成する事はあり得ないと断言出来ます。


最後に。学生時代からの友達とか、昔からの仲良しでやっているバンドは、

実は多くありません。そういう昔からの人間関係がない人達とやる事が

バンド活動では多いのです。しかもアマチュア時代はお金が絡みません。

お金の絡まない無償の努力や奉仕こそ本当は一番難しいのです。

お金が絡まなければ、人間は簡単にバラバラになれます。

そうならない為に、技術の向上と人格の向上の両方が、

バンドマンには求められると思うのです…。

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