幸福感を高める方法に関して考察してみた。

今日は人生の幸福感を高める方法に関して考えてみたいと思います。

現代の最新の心理学の研究によると、人間の幸福感を高める為には、

【自分が自由に出来る時間の確保】が非常に重要なのだそうです。

他人に気兼ねなく、自分が自分の為に自由に出来る時間。

これがないと、いくらお金があったり地位があっても

人生の幸福感は大きく低下するのだとか…。


考えてみると、この時間の確保というのは意外に難しいし、

また仮に確保したとしても、スマホでネットショッピングの

情報とかを漁ったり、ゲームをしたりしたのでは駄目なのだそうです。


重要なのは自分の自由な時間の確保と、

それによって何らかの自己実現を図る事。

人間というものは、何かを成す事によって幸福感を持つ動物なのですね…。

では何をもって自己実現をするかという事なのですが、

まずは自分を見つめ直す事から始めなくてはなりません。


そこで大事になるのは、世間的な物差しから自由になる事。

世の中には色々なランキングが大量に溢れています。

お金持ちランキングとか、成功する会社ランキングとか、

好感度をもつ芸能人ランキングとか、評判の良い大学ランキングとか…。

そういう成功者のランキングもそうだし、もっと身近に、例えば

すぐ近くの豪邸に住んでいる家族を見て羨んだりとかも一種のランク付け。

成功している誰かと自分を比較するというのは、

世間的な物差しに縛られているという事です。


こういう比較はキリがないし、

比較した所で何がどうにかなったりもしない。

良く天の利、地の利、時の利と言われますが、

成功する人というのは、そういうものを得る事が出来たから

成功しているというのが殆どです。実力もある程度は必要ですが、

運の要素が非常に大きいと思うのですね。歴史上の有名人の多くは、

その時代、その場所、その環境に生まれたから

有名になれたのであって、違う時代に生まれていたら、

まったく無名のまま一生を終わったと思われるからです。

織田信長や坂本龍馬だってそうだと思うのですね…。

これって、一種の宝くじの様なものなのではないでしょうか?

故に当たる確率は極めて低い。


作家の故司馬遼太郎さんは著作の中で、

もし織田信長と豊臣秀吉と徳川家康が

今の時代に生まれていたら、織田信長は芸術家になり、

秀吉は企業人として成功し、

家康は財務省の役人になっていただろうと書かれていますが、

私もそうだと思います。少なくとも天下人にはならなかったでしょう。


自己実現って言っても、そんな実現困難な事を目指す必要はありません。

例えば絵を描いても良いし、カクヨムみたいな所で小説を書いても良いし、

プラモデルを作るとかでも良い。お料理だって良いし、庭を作ったり、

花や野菜を育てても良い。綺麗な景色の中を散歩するのだって、

日頃気付かない発見が一杯あったりして、素敵だと思います。

こういう日常の些末な事を疎かにしないで、

自分の楽しみとして大事にするのも立派な自己実現のひとつ。

自分の幸福の定義は自分の中にあれば良い。

他人と比較する必要もなければ、他人の目を気にする必要もないし、

ましてその評価なんか気にする必要はない。

そうして自分の為にだけ使える時間を持って、

それを心から楽しむ事で、人間は幸福感を高め、

人生を充実させる事が出来るのです。


カクヨムの中には、PVがアップしない為にやる気をなくし、

途中で更新されなくなって、放置されている作品が非常に多くあります。

これなんかはPVの数というランキング…世間的な評価を物差しにして

しまっている例だと言えます。自分が書いていて楽しいかどうかが

一番重要なのであって、他人の評価を気にしている様では、

本当の意味で書く事を楽しんでいるとは言えない…。

承認欲求だけが肥大化している様に思えるのです。


宮沢賢治の銀河鉄道の夜は、10年近くに渡って改稿され続け、

賢治は死の直前までこれに筆を入れ続けました。

でもこの作品は賢治の死後1年後に発表されているので、

彼の生前は誰もこの作品の最終形は読んでいないのですね。

きっと賢治は純粋に書く事が好きだったのだろうと思います。

彼は自身の心の中で無限の大宇宙を旅し、

その世界を楽しんでいたのではないでしょうか?


情報の溢れているこの世界は色々なランク付けに溢れていますが、

それに流されてばかりでは、人生を幸福に生きる事は難しいのです。

世間の物差しや他人の評価など気にする事はありません。

死ぬまで付き合っていかなくてはならない自分の内面に向き合いながら、

平凡な日常の中、自分の為だけに、自分なりの楽しみの時間を作る事。

それはとても大事な事ではないかと私は思うのです…。

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