ディープな世界についての考察。

今日はちょっとディープな世界について考察してみたいと思います。


ディープというと、最近良く耳にするのはAI用語の

ディープ ラーニング(Deep Learning)。

これは膨大なデータの蓄積と解析による試行錯誤を行う事によって、

AIの判断の精度を高めるAIの技法のひとつです。

将棋やチェスの最新ソフトはもちろん、

医療現場では既に網膜異常の画像解析診断等で実用化されています。

ちなみに人間の判断より遥かに高精度だそうです。


それと最近気になっているのはディープ フェイク(Deep Fake)

これは特定の画像を使って嘘の動画を作るAI系の技術。

2018年にYoutubeで公開された、オバマ前アメリカ大統領が

トランプ大統領をこき下ろす動画が有名ですね。

この動画、本当に良く出来ていて、普通に見ても本物か偽物かわかりません。

既に簡単に実用可能なソフトも公開されている事から、

有名人のポルノ動画の偽物が出回り、社会問題化したりもしているそうです。

顔の写真を利用して動画にしてしまうのですが、AIによって本物の様にリアルに

再現される為、普通に見ても本物にしか見えないそうです。


AIの技術進化はもの凄いスピードで進んでおり、

今後20年もすると、世の中に存在する事務仕事の大半はAI化し、

生産工場も80%近くが自動化されると言われています。

将棋の名人すら破る程の能力がある訳ですから、いわゆる

創作系、芸術系に相当するもの以外は、人間の出る幕では

なくなるかも知れません。


人間型ロボットも実用化され、いわゆるアンドロイドが

街を闊歩するのも、そう遠い将来ではない様に思います。

ビデオの普及がそうであった様に、人間型はまずエロ系から

普及するのかも知れません。果たして生きている人間と見分けが

つかないレベルのアンドロイドが出来たら、男女ともにお金さえ

あれば、永遠に若い理想のパートナーを得られる訳で、

そうなると少子化が更に加速化しそうですね。


けれどAI化の進展は人類の生活そのものに大きな影響をもたらします。

AI化が進めば自動化によって効率化が大きく進み、省人化します。

製造原価がもしかすると1/10くらいになるかもしれません。

その代わり雇用がなくなって、膨大な失業者が発生します。

これではせっかく効率化して生産した製品もサービスも売れません。

なぜならお金を支払える人がいなくなるからです。


それではまずいので、国はAI化して効率化した企業から

多くの税金を取り、それを国民に無償で提供しようとするでしょう。

いわゆるベーシックインカムと呼ばれている様な制度を作らないと、

消費が起こらないので、経済が回りません。

でも企業側からしたら迷惑な話なので、恐らく税金の安い国を

探して、そこに本社を移す様な事になるのではと推測します。

これをやられると、国は国民にお金を提供出来なくなる為、破綻します。

民主主義国家でそれを防ぐのはかなり難しい事の様な気がしますが、

要するに、今以上の格差社会になるのではと私は思います。


AIを使いこなす側とそうでない側には圧倒的な差が発生し、

これは国、企業、個人、全てで起こります。

軍事もAI化が徹底すると、ターミネーターみたいな兵士が量産される

訳ですから、人間の軍隊なんてかなうはずがありません。

最初に述べたディープフェイクで作られた情報で、情報も操作され、

何が本当で嘘かもわからなくなります。


本当に今の世界は大きな過渡期にあるのだと思います。

情けない事に、人類は得た技術を使いこなすだけの精神性を

持つ存在に進化しておらず、このまま行くと、遺伝子操作され、

AIを使いこなす少数の超人類と、その他大勢の奴隷という

世界が待っているのかも知れません。


この様な内容は、SF映画で度々取り上げられる訳ですが、

最終的にAI側が人類の愚かさぶりにあきれ果て、

こんなものは滅ぼしてしまえ…人類滅亡みたいなオチになりがちですよね。


最近は音楽を作曲するAIもあるとかないとか。

でも、個人的には、作詞/作曲の様な総合芸術は、

AIが人類を越える事はない様な気がします。


何だかんだ言っても、作詞や作曲は、

人間的な五感を持っていないと駄目な気がします。

風の暖かさや冷たさ感じる、独特なあの感覚。

地面を踏みしめ、空を見上げるあの感覚。

小川のせせらぎに、唄を感じるあの感覚。

お祭りの時の屋台のにおい。

夕焼けを見る時のあの不思議な感じ。

お正月の晴れ着を着た時の心持ち。

ディープなキスのあのときめき。


同じディープでもこういう世界に深く踏み込み、

人の心を和ませ、穏やかに、心地よくする。

故に芸術は貴いのです。

時代や技術が進んでも、こうした想いを

持ち続けたいといつも思う、

そんな私なのでありました…。

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