モーツァルトとベートーベン。
今日はクラッシクで最も有名なモーツァルトとベートーベンの知られざる
逸話を書きます。ちなみに私は両者とも大好きで、沢山CDを持っています。
1.作曲
モーツァルトはギネスブックに載るくらい、曲を書くのが早い人でした。
有名な3大交響曲(39番40番41番)は3曲合計で僅か42日で作曲。
オペラ ドン・ジョヴァンニの前奏曲をたった半日で書いたりしています。
今日残されている彼の直筆楽譜には書直しの跡がほとんどありません。
彼にとって作曲とは、『頭の中で完成した音楽をただ紙に書写す』
行為に過ぎなかったとは、良く言われる逸話です
(他人とおしゃべりしながら曲を書いたりもしたそうです)。
36年に僅かに満たない一生で、1,000曲以上も曲を書いたのは伊達ではありません。
通常、こんな短期間に大量の曲を書くと、駄作が増えるものですが、
そうではないのが人類歴史上、最高最良の作曲家と言われる所以なのです。
また耳が素晴らしく良く記憶力も抜群で、9部合唱で30分もかかる複雑な曲を、
一度聴いただけで完全に楽譜に書き写したという逸話があります。
対するベートーベンは作曲に大変時間のかかる人でした。
散歩中に思いついたメロディーの断片を元に構想を膨らませて、
曲を完成させるのが彼のスタイル。多い日だと1日に8時間も散歩したそうです。
その時に作曲ノートを持ち歩いて、閃いた曲の断片を書きなぐるのが
彼の日課でした。今日残されている彼の直筆譜には消しゴムで何度も
消して書き直した跡があり、1曲完成させるのには相当の
推敲をこらしていた様です。彼の作曲ノートの分析によると、
曲にもよりますが、中には完成するまでに10年以上かかっている物もあります。
モーツァルトより20年程長生きしましたが、その作品数は140曲に満たない
物でした。ただ、これはベートーベンの作品が少ないというより、
モーツァルトが異常に多いとみなすべきかもしれません。
2.趣味と趣向
モーツァルトのギャンブル好きは有名ですが、これで身持ちを崩したというのは
かなり誇張があります。彼は当時としては大変な売れっ子で、今日の感覚だと、
ピークでは年収1,000万を優に超えていた様です。
ただ、経済観念はある方ではなく、入ったら入っただけ使うという感じですね。
服装には非常に気を使い、とてもおしゃれな人だった様で、
衣服にかなりのお金を使っていました。ワインが大好きだったのですが、
量はさほど飲めなかった様です。
ビリヤードやトランプ、豪華な食事に女性全般、友人と少人数で音楽を奏でる事を
愛し、多少、躁鬱気味ではありますが、基本的に陽気で快活な人だった様です。
ちなみに得意な学科は数学。当時存在した楽器は大抵上手く出来た人で、
楽器のプレイヤーとしても超が付く天才でした。奥さんのコンスタンツェは
よく悪妻と言われますが、夫婦仲は非常に良く、モーツァルトも深く彼女を
愛していました。9年程の結婚生活で、6人もの子供が生まれています(但し、
成人したのは2人)から、仲が悪い訳がありません。
コンスタンツェはモーツァルトの死に際して共に死ぬ事を願ったというのも
事実で、感染症で死んだ夫にしがみ付いて泣く優しい人でした。
対するベートーベンは人の好き嫌いが激しく、
今の感覚で見ても相当偏屈な人です。
早い話が途方もない気分屋で、付き合う友人はみな相当苦労しています。
記録を見る限り、作曲と散歩を除くと趣味らしい趣味はないようですが、
大変な健啖家で、食べる事は大好きでした。
中でも魚が好きで、鱸(すずき)とかニシン、鱒(ます)は大好物。
あと肉類の中では、羊肉のから揚げが大好物だった様です。
数少ない友人と楽しく食事をする事を何よりも楽しみにしていました。
お酒も嫌いではなく、ワインとビールを愛していました。
結構酒飲みだったと言う説と、そうでもなかったという説がありますが、
私の見る所、相当のんべぇの口だった様です。
というのも、彼の遺髪からは正常値の60倍以上の高濃度の
銅が検出されており、銅中毒であった事がわかっています。
この時代のワインには、甘みを付ける為に銅の成分を添加する事が
当たり前に行われていた様なので、
かなりの量のワインを飲んでいたことは間違いないと思われます。
女性は大好きだった様ですが、偏屈な上に感情の波が激しい人なので、
敬遠されたのでしょう。またモーツァルトの様におしゃれに気を使う様な
タイプの人ではなく、同じコートを何年も着続けてボロボロになっても、
友人が指摘しないと気付かない程でした。独身で一生を終わっています。
尚、コーヒーは大好きで、毎朝自分自ら厳選したコーヒー豆を手ずから挽き、
コーヒーを飲む習慣は、一生続けたそうです。
3.死因
モーツァルトの死因は、感染症悪化に伴う腎不全です。幼い頃から連鎖球菌系の感染症に幾度となくかかり、それが原因で元々腎臓が弱く、最後にかかった
連鎖球菌系の感染症から腎不全を併発したのが致命傷でした。
毒殺という話もありますが、当時の記録を丹念に検証した医師に言わせると、
それはあり得ないというのが結論です。
ベートーベンの場合は、当時司法解剖されたので結構詳しくわかっています。
肝臓の著しい萎縮があったことから、彼の致命病は肝硬変だと断定できます。
何が原因で肝硬変まで進んだかははっきりとはわかりませんが、お酒が原因だったかもしれません。最晩年に無理な旅行をし、その旅行の時に風邪を引き、それが肺炎を誘発。その時既に肝硬変だったベートーベンの体力は急速に低下。肺炎は下火になったものの、肝硬変が原因と思われる腹水が溜まり、最終的には肝硬変を原因とする多臓器不全で死を迎えました。解剖時のベートーベンの内臓の状況は大変酷いものだった様で、これで良くこれだけ生きていられた物だと医者が感心したとの逸話が残っています。生活習慣が相当荒れていたのでしょう。
身長162cmですが、力士の様な体をしていたそうですから、
本質的には頑健な体の持ち主で、それゆえ何とか50代まで生きられた、
といのが正しい気がします。
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