第52詩 迷子

 ふと鏡の中を見て 自分は可愛くはないと知る

 世間のかわいいと乖離して 心が塞がる気持ちになる


 写真写りはよくないからと 笑って人には話せるけれど

 誰に本音をぶつけても良いのかわからない


 感情は隠せても 殺せても

 心までは失われない

 独り 頭によぎるのは 何でもない誰かの言葉

 冗談でもお笑いでも 笑って聞き流したふりをしても

 少しずつ沈み 鎖となって心を縛る


 だから 隠そうとしてわたしは微笑わら

 何でもないことだとうそぶいて

 笑っていれば 少なくとも周囲に気付かれることはない


 かわいいは主観 人によって評価は違う

 そんな当たり前のことさえ わたしの心は受け付けない


 いつも笑って 明るく振る舞う

 心を隠して 他人だれかのために

 他人ひとが傷付かないように


 誰かが言った もっと我儘になればいいのに

 ならば 我儘の言い方を教えて

 それすら知らない 愚かなわたしに


 自分を隠して殺して道に迷って 真面目な顔して生きている

 ぐらぐらと揺れる芯を抱えて

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