白いボートに乗って

白いボートに乗って私は海に漕ぎ出した。

あなたと二人、波に揺られて。

ずっとこうしたかった。

月光に照らされ海面がきらめく。

私はあなたに、愛することがどんなに素晴らしいかを語る。

今どんな気持ち?

月と海のあいだには、あなたと私の二人だけ。

邪魔するものは誰もいない。


なんだかロマンチックじゃない?

あ、目の前をトビウオの群れが横切っていった。

魚って寝ないのかしら?


そうじゃない、愛の話を続けなきゃ。

とにかく私はうれしかったの。

不安な新入社員の時にやさしくされて、

彼のことが大大大好きになった。

でもあなたは彼をいじめたわね。

成績がどうだとか、どうでもいいことで、みんなの前で。

もう見ていられなかったわ。

だからこうするの。


私はうごめく袋に石の重りをくくりつけ、

きらめく海に放り込んだ。

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