船
沖に船が見える。
青い海、青い空に白い帆がはためく。
まぶしくて船体の色はよくわからない。
波を切って船は進む。
岩にすわり、目を細める少年。
その船に乗りたいとも欲しいとも思わない。
ただいつまでも眺めていたい。
波が少年の足を洗う。
少年は気がつく。
誰もなにも所有できない。
ただ一緒にいるだけ。
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