駆逐まであと190日

 一転してグループでの話し合いになったことで、静かだった教室が話し声で満ち溢れた。

 コロ子、コロ太、コロ奈、新コロ右の4ウイルスは向かい合わせになり、さっそく何について発表するかを話し合った。

「なんの話題にする?」

「経済の話がいいな~」

 コロ奈は弟が授業でお金のことを聞いてきたことを知ってから、経済に興味を持っていた。

「俺知ってる! 人間って税金納めないといけないんだぜ」

 新コロ右が得意げに言った。

「え~衣食住の他に税金も人間に必要なの? 人間って必要なものが沢山あるんだ〜」

 コロ奈は家に帰ったら弟に教えてやろうと思った。

「税金ってなに」

 コロ子は初めて聞く言葉に45度ほど左に回転した。

「国に払うお金なんだぜ」

「国は代わりに何してくれるの?」

 コロ奈が続けて質問した。

 新コロ右もそこまで詳しくは知らないようで、困ったようにスパイクを引っ込めた。

「人間が何か困った時に助けてくれるんだよ」

 優等生のコロ太が少し得意げにみんなに教えた。

「国がしている新型コロナウイルス対策って何かあるのかな〜」

 コロ奈がそう言った。それに同調するように他の3ウイルスもスパイクを伸ばした。

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