駆逐まであと191日
「今日は人間のことを学ぶために、人間が私たち新型コロナウイルスに対してどのような対策をしているかということを学びます」
先生コロナウイルスがホワイトボードマーカーを手に取り、教室にいる生徒たちを見回した。
「人間がどんな対策をしているか知っている人〜」
という先生コロナウイルスの声に「はい! はい!」と元気のいい可愛らしい声があちこちであがる。
「それでは、コロナ子ちゃん」
「はい! 手洗いをしています」
「ありがとう。手洗いはどんなウイルス、細菌にも効果のある最も手軽で有効な手段ですね。他に知っている人」
「はい! はい!」と、また元気よくあがる声の中から、先生コロナウイルスはひときわスパイクを一生懸命にうにうに伸ばしているコロ太くんを指名した。
「マスクをしています」
「それでマスク不足になっていますね。3月にはマスクの高額転売が問題になり、転売が禁止されました。では次で最後にしますね。はい、コロ奈ちゃん」
先生コロナウイルスがコロ奈ちゃんを指名すると、自分が言いたかったのに〜と体を膨らませ残念がる子もいた。
「集まらない!」
「そうですね。感染の拡大している国では外出制限をしている国もあります」
先生コロナウイルスは、三つの意見の他に「うがい、消毒」とホワイトボードに書き生徒の方に向き直った。
「その他に基本的な対策として、うがいや消毒などが有効とされています。それでは四ウイルスでグループを作ってください」
生徒たちは、近くにいる子と素早くグループになった。四ウイルスで向かい合うと、小学生なこともあって、授業とは関係ないおしゃべりをし始めるウイルスもいた。
「はい! 静かに! 一週間後の授業までに、グループで『人間が私たち新型コロナウイルスに対してどのような対策をしているか?』ということについて発表してもらいます。まずは、グループで具体的にどのようなことについて発表するか話し合いましょう」
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